IT資格を取得したいけど、種類が多くてどれを取得すれば良いかわからないという人は多いのではないでしょうか。実際、一口にIT資格といっても、体系的な知識を問うものから専門分野に特化したもの、未経験者でも目指せるものから経験者でなければ取得が難しいものまで幅広く存在します。そこで今回は、どの資格を取ればよか迷ってしまうという人に向けて、「IT未経験者向け」「エンジニア系」「マネージャ系」に分けて分野ごとのおすすめの資格を紹介します。
IT人材の需要増
IT化が進むにつれて、これまで以上にITに関する知識やスキルが求められるようになりました。特に、高度化・巧妙化したサイバー攻撃に対応できるようなセキュリティ分野に強い人材やAIやビッグデータ、機械学習、IoTといった先端技術に対応できる人材は特に需要があります。そして今後はよりIT人材の需要が高まることが予想されます。
資格は就職・転職で有利に働く?
就職や転職の際、アピールできる場が限られていることもあり、やはり資格を所有していることはスキル面の判断材料になり、プラスに転じるという場合が多いです。ただ、取得にはそれなりの労力を費やす必要があるため、学習コストや自身のキャリア形成を考慮して取得すべきか考えましょう。面接時にキャリアプランを交えた取得理由も伝えられると好印象です。資格は実務経験よりは重要視されないですが、実務経験の乏しい人にとってはそれを補填する重要な武器になります。
資格を取得するメリットは?
知識・技能が身につく
資格取得の過程でその分野に関する知識や技能を身につけることができます。どうしても業務のなかでその都度習得していくのは大変であるため、資格勉強は知識の習得に最適といえます。
能力を対外的に証明できる
資格を取得することでITに関する知識や技能を客観的に示すことができ、対外的にアピールすることができます。資格によっては高い評価を受け、自然と自身の市場価値を大きく押し上げることができるでしょう。
リテラシーの向上
企業や部署全体で資格取得を推奨するところも増えています。社員一人一人のITリテラシーが向上することで、会社全体のITリテラシーの底上げになり、結果的に業務の円滑化や情報漏洩・セキュリティリスクの軽減につながります。
キャリアアップや転職に有効
資格の取得はキャリアアップや転職で好待遇を受けるのに有効な手段の一つです。資格を取得することで、その分野に関する知識や技能を有していると客観的に示すことができます。これにより、重要なポジションを任命させられたりと責任あるポジションを任される可能性が増える、また、転職においても、好条件での転職が叶ったりと、必然的にキャリアアップにも有効にはたらきます。
資格手当や報奨金がもらえる場合がある
企業によっては、IT資格、なかでも特に国家試験の合格者に対して、資格手当や一時金などの報奨金を付与する制度を設けています。
資格を取得する上での注意点は?
マイナーな資格は避ける
実務に役に立ちづらいなど、汎用性が低いものは人気がなく、知名度も低いため、結果的に評価を受けにくいといった費用対効果が芳しくない場合もあります。
その職種で推奨されるレベルの資格を選ぶ
職種によって求められるレベルが違います。エンジニアを目指す人がITパスポートや基本情報技術者試験だけでは戦えません。エンジニアであれば取っていて当然で有利にはたらきづらいです。
※基本的には難易度の低い資格から取得していくのが一般的であるため、基礎知識の習得を目的とする場合は問題ありません。
無作為に資格を取る
試験はそれぞれに特化した分野・領域が存在します。これらを無作為に取得していては、知識の結びつきがなく学習効率が悪くなってしまいがちです。実務に活用できるものや役立つものを選ぶのがおすすめです。
資格の種類とそれぞれのメリットは?
資格には大きく分けて国家試験や非営利団体などが汎用的な知識や技能を問うベンダーフリーな資格と、ハードウェア、ソフトウェア、OSなどの販売を行うベンダーが自社のソフトを操作・管理に対する習熟度を測る試験の2種類があります。
国家資格のメリット
・有効期限がない
・受験料が比較的安い
・信頼性が高く、評価に結びつきやすい
ベンダー資格のメリット
・実務に活かしやすい
・試験の頻度が多め
・ベンダーの規模によっては世界基準の資格も
IT未経験でも目指せる資格は?
未経験者・初心者の人にはなるべくITに関する基礎的な知識を体系的に学べる試験がおすすめです。まず、ITの全体像を捉えて、基礎を固めてきちんと土台を形成することで、より専門的な知識を身につけるときに、理解し易くなります。
ITパスポート試験
難易度
試験を主催するIPAによると、共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)において4段階のうち最も易しいレベル1です。2022 年 4 月~10 月に実施された試験の合格率は 53.4 %でした。同じ情報処理系技術者試験である基本情報技術者試験の同年 5 月に実施された試験の合格率は 38.3 %であることからも、ほかの試験に比べてかなり高いといえます。
対応職種・示せるスキル
ITパスポート試験は、ITの利活用が当たり前となった現代で、職種や業界に関係なくITに関する知識を必要とするすべての社会人が備えておくべき基礎的な知識を問われる国家試験で、IT業界に携わる人やITに関する知識を必要とする人であれば取っておきたい資格です。
ITに関して幅広い基礎知識を証明できるため、IT系の企業へ就職・転職を考えている人やITに関する知識を身に付けたいと思っている人におすすめの資格です。
情報セキュリティマネジメント試験
難易度
試験を主催するIPAによると、共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)において4段階のうち下から2番目のレベル2にあたります。
情報セキュリティマネジメント試験の合格率は50%台前半から60%台半ばまでその時々によってまちまちですが、毎回半数は超えており、ほかのIT系試験と比べても比較的受かりやすいといえます。
対応職種・示せるスキル
情報セキュリティに関する知識を示せる国家試験であり、企業の情報セキュリティ部門の担当者やセキュリティエンジニア、セキュリティコンサルタントやそれらを目指す人におすすめの資格です。
基本情報技術者試験
難易度
ITエンジニアの登竜門とも呼ばれる国家試験で、試験を主催するIPAによると、共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)において4段階のうち下から2番目のレベル2にあたります。
合格率ですが、CBT 方式導入前は 25 % 程度でしたが、導入後は 40 % 程度まで上昇しています。
対応職種・示せるスキル
基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしてのキャリアをスタートする第一歩的な資格であるため、取得後はその上位資格にあたる応用情報技術者試験の取得を目指す人も多いです。
システム開発に必要となる情報処理に関する基本的な知識や技能を証明できる国家試験で、システムエンジニアやプログラマであればぜひ持っておきたい資格です。また、IT業界に転職を考えている人にもおすすめの資格です。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
難易度
合格率は非公表となっていますが、ITパスポート試験よりも若干易しいといわれています。試験科目は Word、Excel、 PowerPoint、 Access、 Outlookの5種類で、資格取得には2~3か月かかるといわれています。レベル、詳細は、シラバスでご確認下さい。
対応職種・示せるスキル
Microsoft社が実施するベンダー資格です。Office製品の利活用スキル、操作技能、PCを用いた実技試験で、ビジネスシーンで活用できると人気を集めています。公式サイトによれば、合格者の約88%が、「仕事の成果が上がった」と回答したようです。
Microsoft製品を利用する開発者や技術者、IT業界に転職を考えている人におすすめの資格です。
エンジニア向けのIT資格は?
ITエンジニアのスペシャリストとして専門性を高めたい人におすすめの資格を紹介します。
一口にITエンジニアといっても自分が希望する職種から、その分野に特化した資格を選びましょう。
応用情報技術者試験
難易度
試験を主催するIPAによると、共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)において4段階のうち上から2番目のレベル3にあたります。合格率は20%台前半が大半で、20%を割ることもあります。
対応職種・示せるスキル
応用情報技術者試験は、システム開発に必要となる情報処理に関する応用的な知識や技能を証明できる国家試験です。
基本情報技術者試験の上位に位置付けられており、応用というだけあってITエンジニアとしてスキルアップを目指す人やシステム開発における上流工程を担当するシステムエンジニア向けの資格です。
情報処理安全確保支援士試験
難易度
情報処理安全確保支援士試験は情報処理技術者試験のなかでも最高難易度を誇り、レベル区分でも最上位であるレベル4に分類され、合格率は約20%で推移しています。
対応職種・示せるスキル
サイバーセキュリティに関する国家試験で、セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントを目指す人に最適な資格です。
ネットワークスペシャリスト試験
難易度
ネットワークスペシャリスト試験は情報処理技術者試験のなかでも最高難易度を誇り、レベル区分でも最上位であるレベル4に分類され、合格率は13~17%代後半で推移しています。
対応職種・示せるスキル
ネットワークに関する高度な知識や技能を証明できる国家試験で、システムエンジニアのなかでもネットワークに関する設計担当者や管理責任者を担うネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアにおすすめの資格です。
データベーススペシャリスト試験
難易度
データベーススペシャリスト試験は情報処理技術者試験のなかでも最高難易度を誇り、レベル区分でも最上位であるレベル4に分類され、合格率は14~17%代後半で推移しています。
対応職種・示せるスキル
データベーススペシャリスト試験はデータベースシステム開発を行う上で必要な知識や技能を認定する国家試験で、最適なデータベースシステムを実現するための知識や技能を認定する国家試験で、データベースエンジニアやそれを目指す人に最適な資格です。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
難易度
エンベデッドシステムスペシャリスト試験は情報処理技術者試験のなかでも最高難易度を誇り、レベル区分でも最上位であるレベル4に分類され、合格率は10%代後半で推移しています。
対応職種・示せるスキル
エンデッドシステムスペシャリスト試験は組込み系のシステム開発を行う上で必要な知識や技能を認定する国家試験で、最適な組込みシステムを実現するための高度かつ広範囲の専門知識だけでなくマネジメント能力も求められます。
スキルアップを狙う組み込み系エンジニアやそれを目指す人に最適な資格です。
システムアーキテクト試験
難易度
システムアーキテクト試験は情報処理技術者試験のなかでも最高難易度を誇り、レベル区分でも最上位であるレベル4に分類され、合格率は12~15%で推移しています。
対応職種・示せるスキル
システム開発における上流工程に関する知識や技能を認定する国家試験で、システムエンジニアやプログラマのなかでも上級職であるシステムアーキテクトやそれを目指す人向けの資格です。
AWS認定資格
難易度
難易度としてはベーシック、アソシエイト、プロフェッショナルがあり、合格率は非公表となっています。
対応職種・示せるスキル
AWS認定資格は、Amazon社が実施するベンダー資格です。AWSを利活用するための知識や技能を認定する資格で、ビジネスシーンで活用できると人気を集めています。
クラウド開発を行うエンジニア向けの資格ですが、AWSに関する知識を身につけたいという人にもおすすめの資格です。
シスコ技術者認定資格
難易度
難易度としてはエントリー、アソシエイト、プロフェショナル、エキスパート、アーキテクトがあり、合格率は非公表となっています。
対応職種・示せるスキル
シスコ技術者認定資格は世界最大のコンピュータネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズ社が実施する、ネットワークエンジニアの知識や技能の習熟度を測るベンダー資格です。
ネットワークエンジニアやそれを目指す人に最適な資格です。
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マネージャ向けのIT資格は?
技術者としてではなく管理責任者として現場をまとめるマネジメント業務をメインに担当する人におすすめの資格です。実際に技術的な業務を行うことはほとんどありませんが、あらゆる場面で柔軟な対応力が求められるマネージャにとって、ITに関する幅広い知識や豊富な経験が必要となる場面も多いです。
システム監査技術者試験
難易度
システム監査技術者試験は情報処理技術者試験のなかでも最高難易度を誇り、レベル区分でも最上位であるレベル4に分類され、合格率は10%代半ばで推移しています。
対応職種・示せるスキル
情報システムや組込みシステムに関するリスクの分析・評価、改善のサポートを行うシステム監査技術者に必要な知識や技能を証明する国家試験で、システム監査技術者を目指す人に最適な資格です。
ITストラテジスト試験
難易度
ITストラテジスト試験は、IPAの実施する情報処理技術者試験のなかでも最難関といわれる国家試験で合格率は14~15%で推移しています。
対応職種・示せるスキル
IT戦略の策定・提案・推進を主導するのに必要な知識や技能を証明できる国家試験で、CIO (最高情報責任者)やCTO(最高技術責任者)、ITコンサルタントを目指す方に最適な資格です。
ITサービスマネージャ試験
難易度
ITサービスマネージャ試験は情報処理技術者試験のなかでも最高難易度を誇り、レベル区分でも最上位であるレベル4に分類され、合格率は10%代前半で推移しています。
対応職種・示せるスキル
主にシステムの運用・保守を担当するシステムエンジニアに必要となる知識や技能を証明する国家試験で、システムの運用・保守の責任者を目指す人はぜひ取っておきたい資格です。昨今、開発に携わるエンジニアのなかでも運用・保守に関する知識があると、より効率的に進められると考えて受験する人が増えています。
プロジェクトマネージャ試験
難易度
プロジェクトマネージャ試験は情報処理技術者試験のなかでも最高難易度を誇り、レベル区分でも最上位であるレベル4に分類され、合格率は14~15%で推移しています。
対応職種・示せるスキル
高度IT人材としての広く深い知識やテクニカルスキルだけでなく、責任者としてのマネジメント能力が問われる国家試験で、プロジェクトマネージャを目指す人に最適です。
IT資格の勉強方法は?
過去問や予想問題を中心にインプットとアウトプットを反復的に繰り返すことが重要です。
まず参考書。問題集を用いて基礎知識をインプットしましょう。全体像を掴むと学習がスムーズに進みます。
基礎知識が固まってきたら、次はアウトプットを行います。アウトプットでは問題集や過去問を解いていきましょう。演習を通して問題の傾向や形式を把握し、問題に慣れるだけでなく、自身の弱点にも気づくことができます。
また、実技試験や技術的な問題が出題される場合は実際に実機に触れてみるのもよいでしょう。
ただ、ITスキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。
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