「基本情報技術者試験を受けたいけれど、何から勉強すればいいかわからない」 「制度が変わって『科目B』が難しくなったって本当?」
ITエンジニアの登竜門として知られる国家資格「基本情報技術者試験」。2023年4月に大幅な制度改定が行われ、受験時期の通年化や試験形式の変更(科目A・科目Bへの移行)が導入されました。
本記事では、最新の試験概要や合格率の推移、初学者最大の壁である「科目B(アルゴリズム・擬似言語)」の具体的な攻略法までわかりやすく解説します。
基本情報技術者試験とは?概要と取得するメリット
「基本情報技術者試験(FE)」とは、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家資格「情報処理技術者試験」の一つです。
IT分野の基礎知識・技能を網羅的に習得できるため、「ITエンジニアへの第一歩」として毎年多くの就活生や若手エンジニアが受験しています。
基本情報技術者試験を取得するメリット
- IT全般の体系的な知識が身につく: プログラミングだけでなく、ネットワーク、データベース、セキュリティ、経営戦略まで幅広くカバーできます。
- 就職・転職活動でのアピール力: IT未経験者や新卒エンジニアが「基礎学習のモチベーションと一定のスキルを持っている」証明になります。
- 上位資格へのステップアップ: 『応用情報技術者試験』や専門分野(データベース、セキュリティ等)の高度資格へ繋がる土台となります。
新制度(科目A・科目B)と旧制度の違いまとめ
2023年4月の改定により、受検者の利便性と実用性を重視した試験システムへ進化しました。
| 比較項目 | 旧制度(~2023年3月) | 新制度(2023年4月~現在) |
|---|---|---|
| 実施時期 | 年2回(上期・下期) | 通年実施(好きな日時でCBT受験…PCで受験) |
| 試験構成 | 午前試験 / 午後試験 | 科目A試験 / 科目B試験 |
| 出題形式 | 午前: 小問80問 / 午後: 大問5問 | 科目A: 小問60問 / 科目B: 小問20問 |
| 言語指定 | C, Java, Python, 表計算などから選択 | 擬似言語に統一(共通思考力を問う) |
| 採点方式 | 素点方式 | IRT方式(項目応答理論) |
【最新】基本情報技術者試験の難易度と合格率
新制度移行後の合格率はどう変わった?
制度改定後の合格率は40%〜50%台で推移しています。(参照:IPAによる統計情報)
旧制度の合格率が「20%〜30%程度」だったことと比べると、一見「難易度が下がった」ように見えます。しかし、これは以下のような要因が大きく関係しています。
- 長文読解(大問)がなくなり小問形式になったこと
- 通年受験が可能になり、万全の準備で臨めるようになったこと
- CBT方式により、何度でも再挑戦しやすくなったこと
難易度が劇的に低くなったわけではなく、「実力がある人が正当に合格しやすい環境が整った」と言えます。
合格に必要な勉強時間の目安
合格に必要な勉強時間の目安は、受検者のバックグラウンドによって異なります。
- 完全初学者(非IT系・未経験): 100〜150時間程度(1日2時間の学習で約2〜3ヶ月)
- IT学習経験者・実務経験者: 40〜60時間程度(約1ヶ月)
特に初学者の場合、学習時間の約6〜7割を「科目B(特にアルゴリズム)」に割く計画を立てるのが合格への近道です。
【難所】科目B(アルゴリズム・擬似言語)の攻略・対策法
新制度になり、多くの受検者が苦戦するのが「科目B試験」です。特に「アルゴリズムとプログラミング」分野は徹底した準備が必要です。
科目Bの出題傾向と構成
- アルゴリズムとプログラミング: 16問(全体の8割)
- 情報セキュリティ: 4問(全体の2割)
- 試験時間: 100分(1問あたり約5分で解くスピード感が必要)
擬似言語をマスターする「トレース」勉強法
科目Bでは特定の言語(PythonやJavaなど)ではなく、試験専用の「擬似言語」が出題されます。知識の暗記だけでは通用せず、「処理の流れを追う力(トレース力)」が問われます。
- 変数の変化をノートに書き出す(手トレース): 頭の中だけで計算せず、ループ処理(
whileやfor)や条件分岐(if)の段階ごとに、変数の中に何の数字が入っているかメモしながら解く癖をつけましょう。 - 基本アルゴリズムのパターンを頭に入れる: 「配列の探索(線形探索・二分探索)」「整列(バブルソート・選択ソート)」「データ構造(スタック・キュー)」などの典型的なパターンはあらかじめ理解しておきます。
- 実際のコードを書いて動かしてみる: 文字の追跡だけで理解しづらい場合は、PythonやJavaScriptなどのプログラミング言語を使って簡単な処理を動かしてみることで、アルゴリズムの思考力が格段に向上します。
💡 独学でのアルゴリズム習得に不安がある方へ 「擬似言語の読み方がどうしてもわからない」「プログラミングの基礎から実践的に学びたい」という方は、現役エンジニアから直接指導を受けられるプログラミングスクールや講座の活用もおすすめです。
セキュリティ問題(4問)で確実に満点を狙うコツ
科目Bの全20問のうち、4問出題される「情報セキュリティ」は比較的得点しやすい傾向にあります。 マルウェアの種類、アクセス制御、暗号化技術などの標準的なセキュリティ用語と概念を把握し、この4問で確実に満点を取って得点ベースを底上げしましょう。
科目A(知識問題)の短期間合格ロードマップ
科目A試験(旧午前試験)は、60問の四肢択一式で知識量が問われます。
過去問演習(過去問サイトの活用)が最強である理由
科目Aの攻略法は、「参考書で全体像を素早く把握+Webでの過去問演習」に尽きます。
- Webサイト「基本情報技術者試験 過去問道場」などを徹底活用する
- スキマ時間にスマホで1日20〜30問解く
- 間違えた問題の解説を読んで知識を補強する
科目Aは過去に出題された問題と似たテーマ・文脈の問題が多く再出題されるため、過去問演習を何周も繰り返すことが最も効率的な対策です。
「科目A免除制度」を活用すべき人の特徴
IPAが認めた認定講座(目的に応じた研修など)を受講して修了試験に合格すると、本試験での「科目A試験」が1年間免除されます。
- 一発で確実に合格したい人
- 科目Bのアルゴリズム対策だけに集中したい人 学習期間に余裕がある方は、この免除制度の利用を検討するのも有効な戦略です。
サンプル問題
試験内容の変更に伴い、サンプル問題が公開されています。内容を確認しておきましょう。
▼サンプル問題(2022年4月25日公開)
▼サンプル問題(2022年12月26日公開)
公開問題
▼公開問題(2023年7月6日公開)
令和5年度 基本情報技術者試験 科目A 公開問題(60問)解答例
令和5年度 基本情報技術者試験 科目B 公開問題(20問)解答例
申込に関するQ&A
受験の申込方法は?
①マイページアカウントの作成
基本情報技術者試験の受験者ポータルサイト で利用者ID(マイページアカウント)を作成
②マイページにログインする
マイページアカウント作成後はこちらで手続きを行います。
③受験申込
区分選択/会場・日時の選択し、住所を入力します。申込日の3日後から申込当月の3ヶ月先まで選択可能です。
※インターネット受付のみ
受験料・支払方法は?
受験料:7,500 円(税込)
支払い方法:クレジットカード/Pay-easy(銀行ATM / コンビニ支払)/バウチャーチケット(info)
試験会場はどこ?
全国のCBTテストセンターで実施されます。申込時に受験日時と試験会場を選択します。
受験可能日時は?
試験会場によって前後しますが、最大で以下の時間内で実施されています。
試験開始時刻~試験終了時刻:10:00~21:00
※2023年11月1日以降は試験開始時刻~試験終了時刻が「09:00~21:00」に変更されます。
各試験会場の試験日時ついては、申込時に確認する必要があります。
申し込み後の変更(受験日時・受験会場)はいつまでできる?
申込内容の変更は試験日の3日前まで可能です。
(例:試験日が9月10日の場合は9月7日)
何日後まで試験の変更日を指定できる?
支払い方法によって異なります。
・クレジットカード/コンビニエンスストア/Pay-easyの場合
⇒初回の申込日から1年後(同じ日付)までです。
・バウチャーの場合
⇒バウチャー発行日から1年後(同じ日付)までです。
免除制度に関するQ&A
新制度でも免除制度は使えるの?
IPAが認定する講座を受講し、1年間午前試験が免除される「午前試験免除制度」は、「科目A試験免除制度」として継続されます。免除期間や制度内容にも特に変更はありません。また、既存の講座認定や修了試験合格も引き続き有効です。
改定前は試験が年に2回しかなかったのでこの恩恵も多くて2回しか受けられませんでしたが、新制度で通年実施となったことで、最大11回この恩恵を受けられるようになりました。(多分そんな人はいません)
免除制度を利用することで、科目B試験の勉強に集中できますし、通常同日に受けなくてはならない2つの試験をいっぺんに受けなくてよくなるのでぜひ利用したい制度です。
免除試験は本試験と同じ?
免除試験は、冬期(12月/1月)と、夏期(6月/7月)に行われます。本試験の科目A分野と同じく、 90分60問の4肢択一問題となっていますが、本試験とは異なり、マークシート式の筆記試験となっています。また、合格基準も6割と本試験と同じですが、IRT方式ではなく、素点方式となっています。
申し込んだけどやっぱり免除制度を利用したい…変更できる?
残念ながら申込後の変更はできません。キャンセル・返金ができず、受験日程と受験会場の変更のみ変更可能です。
×「 科目A・科目B」→「科目A免除(修了認定者)」
×「科目A免除(修了認定者)」→「 科目A・科目B」
受験日当日に関するQ&A
試験当日の持ち物は?
持参物は忘れないようにしましょう。
・顔写真付き身分証明書
・各種証明書※利用する場合
試験会場へ入場時間は?
受験時間の30分前から5分前まで入場可能です。
遅刻は認められず、遅刻した場合も返金されません。
休憩時間は?
科目A試験と科目B試験は同日受験となっており、両試験の間に10分間の休憩時間が設けられています。
試験後に関するQ&A
何点取れたかはいつわかる?
試験終了後、画面に評価点が表示されるます。また、試験終了後2~3時間後にマイページから確認できます。
科目A試験/科目B試験どちらとも1000点満点中600点以上で合格となっています。
なお、出題された問題に関しては非公開となっていて見れません。
合否はいつわかる?
合格発表は受験月の翌月中旬頃になります。合格者の受験番号がIPA公式サイトで発表されます。また、IPAのマイページからでも確認できます。
合格者には、経済産業大臣から「情報処理技術者試験合格証書」が交付されます。詳しい発送時期は、同じくIPA公式サイトで掲載されます。
リテイクポリシーに関するQ&A
試験に落ちた…次の申込ができる日時は?
前回受験申込をした試験の終了時刻を過ぎると次回の申込が可能になります。
※システムの都合上、試験終了後数時間~1日程度かかる場合があります。
鉄は熱いうちに…受験から何日で次再受験できる?
前回の受験日の翌日から起算して30日後から受験日として指定できます。
※前回の試験を受験せずに欠席した場合はこの再受験規定(リテイクポリシー)は適応されません。
まとめ
基本情報技術者試験は、ITエンジニアにとってまず取得しておきたい資格です。難易度としてはそれほど高くありませんが、出題される範囲も広く、決して簡単な試験ではありません。しかし、この資格を取得すればIT知識の基礎が身につくだけでなく、さまざまなメリットが得られるでしょう。
従来は年に2回しかなかった基本情報技術者試験が通年化されたことで、自分の都合に合わせて受けられるようになり、受験のハードルが下がりました。変更点が多く、従来の方式に慣れている人は戸惑うこともあるかもしれません。試験の改変により、試験時間も出題数も減り、体力的な負担は軽減されますが、1問当たりの所要時間は短くなります。変更点に留意してしっかり試験対策をし、合格を目指しましょう!
基本情報技術者試験の勉強方法
書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやQAサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に本番を意識して模擬試験や過去問を受けるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。独学でも突破不可能な試験ではありません。
ただ、基本情報技術者試験に限らず、IT知識・スキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。
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