Ubuntuとは?|たった3分で分かる|特徴やできることをわかりやすく解説

  • 2023.05.26
       
Ubuntuとは?|たった3分で分かる|特徴やできることをわかりやすく解説

Ubuntuとは?

Ubuntu とは「誰にでも使いやすいOS」をコンセプトに開発されたLinux 系のOS です。
Linux 系とはLinux をベースにして作られたOS のことで、Linux ディストリビュージョンを指します。オープンソースであるLinuxには多くのディストリビューションがありますが、なかでもUbuntuは、特に人気があります。

ディストリビューションとは、「配布物」という意味があるとおり、用途に合わせてカスタマイズしたものを一つのアプリケーション(ソフトウェア)としてパッケージ化したものです。外部に公開・配布することができます。

Linuxはオープンソースといって世界中に公開されている無料のソースコードです。
誰でも入手でき、中身も自由に書き換えられるため、多くのユーザが目的に合わせて編集・再配布したことで、今では多くのディストリビューションが存在しています。

Debianベースの派生ディストリビューション

Linuxのディストリビューションは大きく分けると、商用ディストリビューションとして有名なRedHat系、パッケージ管理の点で評価が高いDebian系、シンプルさが特徴で安定性、セキュリティ体制、速度で評価が高いSlackware系の3つに分けられます。
今回紹介するUbuntuは、Debianをベースに開発された派生ディストリビューションであり、Debian系に分類されます。

UbuntuとDebianの違い

UbuntuとDebianの違いについて、以下にまとめます。

Ubuntu
操作方法:マウス操作中心
デスクトップ環境:あり
リリース頻度:半年毎

Debian
操作方法:マウスも使えるが、キーボード操作中心
デスクトップ環境:あり・なしを選択可能
リリースのペース:約2年毎(不定期)

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Ubuntuの特徴

Ubuntuの最大の特徴は「誰にでも使いやすい」というところです。
ここからはその理由にもなっているUbuntuの特徴を挙げていきます。

GUIの導入

基本的にマウスを用いた画面操作のみで操作を完結でき、WindowsやMacに慣れた人でも扱いやすく、デスクトップ環境として人気が高いです。
Linuxは基本的にキーボードの操作がメインですが、Ubuntuはインストールから、日常作業といった操作のほとんどをマウス操作のみで完結させられるため、初心者にも扱いやすいといわれる理由の一つです。

日本語に対応している

日本語化はLinuxを使用する際に、ハードルになりますが、Ubuntuは日本語に対応しています。
Ubuntu Japanese Team が有志でUbuntuの日本語ローカライズと円滑なコミュニティの形成・維持をしており、Webサイト、Webフォーラム、メーリングリスト、IRCチャンネル、Wikiなどの運営やUbuntuに関する雑誌記事の執筆などがされています。
なかでも、「Ubuntu Desktop 日本語 Remix CD」は品質性が高く、日本語環境を手軽に入手できるようになりました。
日本語に関してはUbuntu Japanese Team が有志でローカライズしており、日本語環境も高いレベルで充実している。使っていて困ることはほとんどないだろう。

安定性・安全性

ファイアウォールの搭載によって全てのポートがデフォルトで完結し、設定のし忘れがあっても安心です。
また、セキュリティ性が高く、外部からの干渉を最大限抑え動作も安定しており、定期的な無償アップデートでも安定性を高く保っています。

カスタム性

オープンソースであるため、目的や用途に合わせてカスタマイズできます。
トップが高いOSであるためインターネットで検索すればカスタマイズ方法もたくさん出てくるため初心者でもカスタマイズが可能です。

プログラミング環境として優秀

MacやWindows向けのものを除いて、使いたい言語を導入できるなど、Ubuntuは開発環境にうってつけです。
またユーザ数が多くコミュニティも活発であるため、開発中につまずいてしまっても検索すれば解決策を見つけられるでしょう。

半年ごとのアップデート(常に最新)

リリースロードマップが明確で毎年4月と10月にリリースを行なうことになっています。半年ごとというリリースの頻度は、Linuxディストリビューションのなかでもトップクラスです。これはオープンソースで自由に発展していくLinuxの中では貴重なことです。

あまりにもリリース速度が早すぎるため、安定した環境を求めるユーザー向けに末尾に「LTS」と付くバージョンが提供されています。これは、長期サポート版であり5年間セキュリティーフィックスサポートが提供されています。

Ubuntuの派生が多い

開発力も高く、サーバー用途向にUbuntu Server Editionも存在します。
基本的にはデスクトップ環境にUnityを採用していますが、デスクトップ環境を入れ変えた派生ディストリビューションも多く存在します。
デスクトップをMATEに置き換えた Ubuntu MATE、GNOMEを採用したUbuntu GNOME、KDEを採用したKubuntu、要求リソースが少ないXFCEを採用したXubuntuなどもUbuntuから派生したディストリビューションです。

インストール不要で動かせる

UbuntuはLiveDVDという形式で配布されており、インストールせずにUbuntuを動かすことができます。
DVDにLiveDVDイメージファイルを焼きつける、もしくはLiveUSBをブートすれば、その場でDVDまたはUSBスティックからOSが起動するという手軽さが魅力の一つです。
インストールする時もインストールアイコンをクリックし指示に従うだけでUbuntuがインストールされ、インストール直後から快適な日本語環境が提供されます。

これらを一から自力で構築する作業は操作に慣れていない人にとっては難しい作業になるでしょう。
しかし、Ubuntuはこれをデフォルトで、しかも高品質で提供してくれています。
このように使いやすいデスクトップ環境がインストールした直後から利用できるため、「初心者にやさしい」と言われているのです。

Ubuntuができること

CUI操作(コマンド操作)できる

Linux は基本的に CUI操作で、キーボードのみで操作できます。
マウス操作に慣れている方は敬遠してしまいがちですが、慣れてしまえば GUI操作よりもスムーズに操作でき、作業効率が上がります。
また、CUI操作によって処理の自動化や操作の記録をしやすいなどといった利点もあります。

GUI操作(マウス操作)ができる

LinuxでCUI操作が基本であるのは、メリットでもありますが、初心者がつまずくポイントでもあります。
これまでWindowsやMacで GUI操作をしてきた人には、コマンドライン上で操作することは、ハードルが高いでしょう。
しかし、Ubuntu は GUI操作に対応しているので、Windows や Macのように操作でき、初心者でも扱いやすいです。

開発環境として使える

好きなようにCUIで導入できる Ubuntu は開発者向けのOSとして人気があります。
また Windows や Mac などの PC の仮想環境としても使えます。
複数のハードウェアを準備するコストの削減やチーム開発をスムーズにできるといった利点があります。

カスタマイズできる

Ubuntuはデスクトップ環境をカスタマイズでき、「デスクトップ Linuxディストリビューション」として高い人気があります。
そのなかでも多く使用されているのは Mac寄りにカスタマイズできる GNOMEとWindows寄りにカスタマイズできるKDEです。
また LXDE は軽量化が重視されており、メモリが少なく、古いPCで使用したりする場合におすすめのデスクトップ環境です。

フリーソフトが利用できる

「Ubuntu Software」には Ubuntuで使用できるフリーソフトが豊富にあり、ダウンロードすることで利用できます。
無料で豊富なソフトウェアが揃っているので、自分好みの設定を作るのに役立ちます。

IoTに活用できる

ロボットやドローンといったものを操作するには IoT の技術が必要ですが、その OS としても活用できます。

サーバとして利用できる

Ubuntu には GUI が排除されたことで、より軽く動作する「Ubuntu Server」というものがあります。
通常の Ubuntu よりもクライアント接続や安全性が重視されているため、メールサーバ、ファイルサーバ、ウェブサーバとして使用できます。

ただ、Ubuntu は、Adobe製品等の専門的なソフトウェアに対応しておらず、そのようなソフトを使用したい場合は Linux向けの代替ツールを探す必要があります。

こんな人にUbuntuがおすすめ

浮かせているPCを活用したい人
使わないPCがあり、活用したいと考えている人はUbuntuをいじってみるのはいかがでしょうか。Ubuntu、ないしLinuxはシンプルなOSで動作が軽いので、古いものや低スペックなPCでもサクサク動きます。

OSの勉強を始めたい人
オープンソースであるため、他の人が配布しているソースコードを参考にして自身で書き換えられるのでOSの勉強になります。1から自分で勉強するよりもLinuxベースになっているUbuntuを使うことで効率よく作業を進められます。

Ubuntuが大幅なバージョンアップ!

旧版の「Ubuntu 20.04 LTS」のリリースから 2年ぶりとなる 2022年 4月 21日(日本時間の 22日午前 2時)に「Ubuntu 22.04 LTS」がリリースされました。「Ubuntu 22.04 LTS」の LTSは長期サポート版を表し、サポート期間は 2027年までの 5年間となります。このリリースと同時に公式派生版である「フレーバー」とサーバ版の「Ubuntu Server 22.04 LTS」も併せてリリースされました。

主な変更点は次のようなものになります。

  • コードネーム「Jammy Jellyfish(邪魔にならないクラゲ)」に沿って壁紙もクラゲに変更された
  • デスクトップ環境は、同じ「GNOME」を採用しているが機能が強化し、操作性も向上した               (例:スクリーンショット機能の搭載)
  • 外観の設定項目が充実した
  • リモートデスクトップの RDPサポートが行われた
  • Snap版 Firefox がデフォルトになった
  • 「Waylandセッション」がデフォルトになった
  • 「リモートデスクトップ」ツールが「VNC」ベースから「RDP」になったことで、Windows PC からのリモートデスクトップ接続が容易になった

【続報】有料サブスク「Ubuntu Pro」が一般提供開始、個人利用は5台まで無料に

Canonical公式発表」<Ubuntu Pro enters general availability|Canonical>

英Canonicalは2023年1月26日(現地時間)、Linuxディストリビューション「Ubuntu」の有料サブスクリプション「Ubuntu Pro」の一般提供を開始すると発表しました。

2022年10月にベータ版(*1)の提供が開始されたもので、これをリアルタイムでのCVE(脆弱性やインシデントのリスト化)やパッチ(バグ修正、機能追加)により、情報システムのセキュリティ面を大規模に強化したものになります。
(*1) 正式版をリリースする前にユーザに試してもらうサンプルのソフトウェアを指す。

「Ubuntu Pro」は10年間のセキュリティアップデートやセキュリティ規定に準拠したコンプライアンス管理ツール、オプションとしてテクニカルサポートなどが利用できる有料サブスクリプションで、「16.04 LTS」以降の「Ubuntu LTS」(長期サポート版)すべてで利用できます。

価格はワークステーションで年間25米ドル、サーバで年間500米ドルとなっており、個人および小規模の商用利用では最大5台のコンピュータまで無料で利用可能。公式Ubuntuコミュニティのメンバーであれば最大50台のコンピュータまで利用できます。
AWSやAzure、GCPのマーケットプレイスでも取得でき、その場合は時間単位でコンピューティングコストの約3.5%の価格設定で利用できます。

【続報】公式フレーバー「Ubuntu Budgie 23.04」リリース

そもそも公式フレーバーとは、UbuntuベースのLinuxディストリビューションのことです。公式派生版と言い換えられます。KubuntuやXubuntuなどもこれにあたります。

そんな公式フレーバーに、「Ubuntu Budgie」が登用され、人気を博しているOSです。Ubuntu Budgieは、全体的にシンプルで使いやすい仕様のOSです。
ここからはUbuntu Budgieの特徴について紹介します。

使いやすいデスクトップ環境
PantheonやGNOME、KDE、Cinnamonなど、複数の要素を踏襲し、オリジナル要素も入っており、使いやすさを追求したシンプルなデスクトップになっています。Ubuntu入門には最適といわれています。

このように、「わかりやすい」「操作性がいい」つまり、UIがいいといわれるUbuntu Budgieですが、具体的な例を出します。

・デフォルトのデスクトップには、左上にデスクトップメニュー、右上にシステムトレイと通知セクション、下側にドックが配置されている
・画面右上の左向きの矢印アイコンをクリックすると右端のサイドバーではカレンダーとメディア制御パネル、通知が表示される
・左上のデスクトップメニューのアイコンをクリックすると、インストールされているアプリケーションがすべて表示される(表示方法変更可能)
・スナップ機能(ウィンドウの位置やサイズを自動で最適化する機能)

Ubuntu Budgieにあらかじめインストールされている主なアプリケーション

Firefox
LibreOffice
Thunderbird
Lollypop
Goodvibes
gPodder

追加で使いたいアプリがあれば、「Software」アプリを開きインストールしましょう。

Ubuntu Budgieを利用したい人はこちらからダウンロードしてください。

最後に

Ubuntu はとにかく使いやすさに特化した OS で初心者でも扱いやすいです。
昨今、急激にソフトウェアのクラウド化・オープンソース化が進んだことでインストールする必要がなく、ソフトが使えないという事態も減少しました。このような背景もあり、まさに「誰でも使いやすい OS」となりつつあります。
特に開発環境として優秀であるため、エンジニアを目指す方やプログラミングを始めたい方は Ubuntu を使ってみてはいかがでしょうか?

     

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