ビッグデータとは?基礎知識から活用例まで解説

  • 2022.03.25
       
ビッグデータとは?基礎知識から活用例まで解説

ビッグデータとは、様々な種類や形式のデータを含んだ膨大なデータ群のことでデータの量(volume)、データの種類(variety)、データの処理速度(velocity)の3つの「V」からなる要素で成り立っています。ビッグデータの登場によって、今まででは十分に活用できていなかった非構造化データやリアルタイム性のあるデータを蓄積できるようになりました。

非構造化データとは

構造化データ(Excelのような「列」「行」からなるテーブル形式のデータ)とは異なり、音声・画像・動画・テキスト・Webページなどといった一定の組織化された原則を持たないデータ。
また、ビッグデータはDX推進にとっての重要なエッセンスとしても注目されており、IoTやAIなど、他の先進技術とも深い関わりがあります。

ビッグデータとは?

ビッグデータの3つの「V

・Volume(データの量)

ビッグデータの特徴の1つは、その容量の大きさにあります。ビッグデータでは、低密度の大量の非構造化データを処理する必要があり、現状では組織によって数テラバイトから数ペタバイト程度、なかには数百ペタバイトといったデータ量になる場合もあります。

・Variety(データの種類)

ビッグデータは構造化データのほかにも、音声、画像、動画、テキスト、位置情報、センサー情報等の様々な種類の非構造化データも存在します。今後は、単に蓄積するだけでなく、これを分析し、そこから有用な知見を得ようとする取り組みが始まっています。

・Velocity(データの処理速度)

処理速度とは、データの受信に対して起こすアクションのスピードです。

昨今の変化の著しい市場環境では、データに対してリアルタイムに対応することが求められています。
ちなみに、ここ数年間でさらに2つの「V」、Value(データの価値)とVeracity(データの正確さ)が登場しました。データには本質的な価値がありますが、その価値が発見されなければ、データを解析する意味がありません。また、データが正確であればデータへの信頼性が高まるため、ビジネス上で正確な意思決定を行う際の重要な要素の一つです。

このように、技術進歩により、膨大で多様なデータをいっぺんに扱えるようになっただけでなく、かつては保管や活用が困難であったリアルタイム性のあるデータも瞬時に解析できるようになるなど、ビッグデータが活用されるようになりました。

ビッグデータが普及した背景

ビッグデータが普及した背景には、コンピューターの普及に伴い、インターネットが急速に発達したことによるものが大きいですが、これまでに大きな「3つの変革」がありました。第一の変革は「データのデジタル化」、第二の変革は「インターネットの急激な発展」です。そして第三の変革が「ビッグデータの活用」です。

この第三の変革に大きく影響したのが、「Hadoop(ハドゥープ)」と呼ばれる技術です。これは膨大な量のデータを複数のマシンに分散することで瞬時に処理できるオープンソースのプラットフォームです。これによってペタバイト(1ペタバイト=1テラバイトの1000倍)レベルの非構造化データの超高速処理ができるようになったことで、低コストで膨大な情報の分析も可能になりました。

ビッグデータのメリット

ビッグデータの活用が広まりにより、かつては集められなかったデータを扱えて、データ同士の掛け合わせもできるようになりました。新たな視点から有益なデータが創出され、より包括的な答えが得られることで、新しいシステムやビジネスが次々に生み出されるようになりました。

ビッグデータの活用でできること

ここからは、ビッグデータの役割を「データに基づいた意思決定」「予測」の2つに分けて解説していきます。

データに基づいた意思決定

ビッグデータの活用によって、膨大で多様なデータから課題を解決するのに必要なものを取り出し、ビジネスにおける重要な意思決定ができるようになりました。こういった、ビッグデータを収集、蓄積、可視化を基にビジネス上の意思決定に用いることを「データドリブン」といいます。
データは客観的な根拠になるため、それを基に策を施せるので、周囲からの理解も得やすく、検証結果もデータに基づいてできるので、細かくPDCAを回しやすいという利点もあるため、マーケティングから商品開発まで幅広い分野で活用されています。

予測

ビッグデータを活用することによって、蓄積してきた膨大な実績データから傾向をとらえ、精度の高い予測もできるようになりました。例えば、商品やサービスの需要を予測すれば、在庫や製造量を過不足なく管理できるため、コストの削減や業務効率化につながります。
これだけでなく、事故や犯罪の予測や健康管理等、幅広い分野で活用されています。

ビッグデータの活用方法

ビッグデータを実際にビジネスに活かすには、以下のようなデータドリブン導入プロセスが必要です。

データの収集·蓄積

データの活用を始めるには、データを収集し蓄積する基盤が必須です。企業の業務システムや基幹システム、Webサーバー、外部サービスなどから収集するのが一般的です。

データの可視化

収集したデータを分析する前に、膨大なデータのなかにどういった内容を含んでいるかを客観的に把握できるよう情報を整理し、可視化することでわかりやすくする工程です。

データの分析·解析

加工したデータに基づいて、解決したい問題に応じて分析·解析します。ここでは、定量的なデータのほかにも変化や傾向などの定性的なデータも導き出します。

以上の3つのプロセスを経て、データから得られた知見を課題解決に活用できるようになります。

ビッグデータの活用例

ここからは、実際にどのような場面でビッグデータが使われているのか、活用例をいくつかご紹介します。

ICチップ付きの交通カード

駅の改札でタッチ&ゴーをするSuicaやPASMOなどといったICチップ付きの交通カードですが、これは利用客が電車に乗る際の支払いに使われるだけではなく、タッチした際の情報が鉄道会社に送られ、旅行業などの自社内システムで利用されています。また、これらのカードを使って買い物をすると、「誰が」「何を」「何回買った」のかといったデータが自動的に蓄積されています。

防犯カメラ

実は膨大なビッグデータを集める手段なのです。かつては単に映像を記録するためだけに利用されていましたが、今では「手に取ったが戻されてしまったもの」「かごに入れたが戻されてしまったもの」など、購入されなかった商品のデータ分析などにも使用されています。
これらのデータは、顧客の行動データを解析することでさらなるマーケティングに役立てられます。

Nシステム

Nシステムとは自動車ナンバー自動読取装置です。警察が監視用に設置したシステムで、走行中の車のナンバーを読み取りつつ、手配車両のナンバーと照合しています。このシステムは犯罪捜査だけでなく、渋滞予測やドライバーへの警告等にも使われています。

選挙速報

最近では、選挙結果を予測において、投票所から出てくる人に誰に投票したかを聞く出口調査よりもかなり前に予測できるようになっています。Yahoo! JAPANのビッグデータレポートチームは、2013年の参議院議員選挙の結果を、「Yahoo!検索」のデータや過去の得票数の結果などから予測し、驚異的な精度の選挙予測を行いました。

このほかにも、Google検索のサジェスト機能やNetflixのレコメンド機能など、様々な業界やサービスで活用されています。

IoTやAIとの関係性

ビッグデータはDX推進にとって重要な要因の1つだと注目されています。また、同様にDXを支えているIoTやAIなどの先進技術とも大きな関係があります。

ここからは、それぞれの技術との関係性と役割について詳しく解説していきます。

IoT×ビッグデータ

IoTとは「Internet of Things(=モノのインターネット)」の略で、単独ではアナログなモノにセンサーやカメラ、無線通信を搭載することでその状態や動きを感知し、データを取得する役割があります。そこから得た情報はインターネットを経由てて人やモノに伝送されます。

昨今では、スマートスピーカーやスマートホーム、自動運転車など、IoT技術を搭載した製品があります。
IoT技術によって、人々の生活に関わる様々なデータを瞬時にリアルタイムで取得できます。取得されたデータはビッグデータに収集・蓄積され、サービスや製品、マーケティングなど、幅広い領域で活用されています。

AI×ビッグデータ

IoT機器が取得したビッグデータの分析・解析にはAIが用いられます。そして、その結果から新たなAIモデルが誕生し、サービスや製品に活用されます。
IoT機器に新たなAIモデルが搭載されれば、従来より機能性を向上させられます。
IoT→ビッグデータ→AIという循環を繰り返していくことで、より優れたデータやAIモデルが誕生し続けるのです。

最後に

ビッグデータを活用によって得られる情報が増えればデータへの信頼性が高まり、ビジネスや社会における課題解決へのアプローチが大きく変わり、ビジネスの成功を左右する大事な要素になるでしょう。ただ、匿名データを公開データなどと突き合わせることで個人が特定できてしまう恐れがあるなど、デリケートな側面もあり、扱いには注意が必要です。
ビッグデータは今後、IoTやAIの発展とともに進化を遂げ、私たちに新しい世界を見せてくれるでしょう。

     

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