ITリテラシーとは?4つの意味とメリット、高め方を解説

  • 2023.01.27
       
ITリテラシーとは?4つの意味とメリット、高め方を解説

近年、誰もがIT技術を利用するようになり、ITリテラシーの重要性が高まっています。
IT技術を有効に活用することで業務の効率化に成功した事例も数多く存在します。ただ、その一方で、IT技術を使いこなせず、情報流出や炎上などのトラブルを起こしてしまい、企業に損害を与えてしまったという事例も後を絶ちません。
IT技術を有効活用し、トラブルを回避するためには、ITリテラシーが不可欠です。
本記事では、そんなITリテラシーについて、基礎知識から習得方法までを解説します。

1. ITリテラシーとは

ITリテラシーとは、「ITに関する知識を適切に理解して活用する能力」を指します。
リテラシーは「読み書きする能力」を意味する「literacy」からきており、各分野の言葉と合わせて、「特定の分野を使いこなせる能力」として使われることが多く、「ITリテラシー」のほかにも「金融リテラシー」、「文化リテラシー」などもあります。
独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) では、ITリテラシーについて次のように定義しています。

「ITリテラシースタンダード(ITLS)は、将来の成長や競争力強化に向けたビジネスの改善・刷新と効果的なIT活用・投資を進めるための、主に事業部門やスタッフ部門などで勤務するビジネスパーソン(非IT技術者)に求められるIT知識や技能、情報活用能力とその領域を示すものである。」
参照:「ITLSの概要

2. ITリテラシーの種類

最近、若い世代は物心ついた時からインターネットが身近な存在で触れてきたことで「デジタルネイティブ世代」とも呼ばれますが、だからといって彼らにITリテラシーが備わっているとは限りません。そのため、世代関係なく、すべての従業員のITリテラシーを高めていくことが企業側の課題となっています。
ITリテラシーには大きく分けて4つの意味があります。

コンピュータリテラシー
コンピュータリテラシーは、「コンピュータを正しく操作できる能力」を指します。
これは、コンピュータの仕組みを理解し、正しく使いこなせることや、インターネットで調べ物をするときに、必要な情報にたどりつくための検索方法を知っていることなどです。
これは、仕事にも必要になるスキルですが、その程度は企業や個人の業務内容によっても、最低限のコンピュータ操作スキルやOfficeソフトの操作スキル、プログラミングスキルと、必要なコンピュータリテラシーは変わってきます。

メディアリテラシー(情報基礎リテラシー)
メディアリテラシーとは、「情報媒体から得られる情報の中から、正しい情報を精査できる能力」のことです。
インターネット上にはフェイクニュースやソースがあやふやな情報が多く存在しますが、自身で情報のソースを調べるなどして、情報を鵜吞みにせず、正しい情報か見極める能力が求められています。

ネットリテラシー(ネットワークリテラシー)
ネットリテラシーは「インターネット上で正しい振る舞いができる能力」を指します。
これは、インターネット利用における「モラル」とも言い換えられ、SNSで不用意な発言をしたり、だれかを傷つける情報やプライバシーを侵害するような情報の発信をしないことを指します。
また、メディアリテラシーに重なる部分はありますが、出回っている情報を鵜呑みして拡散するのもモラルがない事なので気を付けましょう。

情報セキュリティリテラシー
情報セキュリティリテラシーは、「セキュリティリスクを考慮したうえでITツールを利用できる能力」を指します。
プライバシー保護やセキュリティ対策は、問題発生を未然に防ぐためにも重要で、これは企業だけでなく個人でも徹底する必要があります。

3. ITリテラシー不足が招く問題

ITリテラシーが低いと業務のデジタル化が進まない
ITリテラシーが低い組織では、DX化はもちろんのこと業務のデジタル化さえ進みません。
一部のアナログにこだわる従業員がデジタル化を拒むケースも多くありますが、これではDX化やデジタル化の実現は困難で、業務効率も上がりません。

機密情報流出のリスクが高まる
ITリテラシーが低いと、組織を危機にさらす可能性があります。
たとえば、スパムメールと気づかずに添付ファイルやURLをクリックしてしまい、会社の機密情報が漏洩してしまった、なんていうニュースを聞いたことはないですか?
こういったリスクを軽減するためにも、社員一人一人に日ごろからセキュリティ面での注意喚起を行うことが重要です。

4. ITリテラシーを高めるメリット

業務効率化で生産性が上がる
ハードウェア、ソフトウェアに対して適切なセットアップやカスタマイズすることで最適化が図れて、自然と業務効率が上がります。
ITリテラシーがなければ、せっかく優れたITシステムを導入しても、それらを使いこなせず、業務効率も上がりません。業務効率を上げて生産性を上げるためにも新たな技術やサービスを活用できるITリテラシーを高める必要があるのです。

正確な情報を素早く得られる
インターネットを使いこなせるか否かで、同じ時間でも得られる情報量や質が変わり、これは、業務の質にも影響します。正確な情報を素早く集めることで企業に大きな利益をもたらします。
特に、最近ではSNSを活用したマーケティングを行う企業が増えています。
そのため、ITリテラシーがなければ、誤った情報に惑わされず、正確に市場の動向を正しく把握し、それを基に戦略を立てるといったことはできません。このように、ITリテラシーがあるかどうかでマーケティングに差が出てくるでしょう。

セキュリティ事故を未然に防げる
セキュリティ事故が起こると、金銭的な損害だけでなく、企業の信頼も損なってしまうなど、甚大な被害が出る恐れがあります。
そのため、セキュリティ事故を回避したり、万が一問題が発生した場合でも、被害を最小限に抑えられるよう、セキュリティに関する知識は最低限持っておかなくてはなりません。
ITリテラシーを高めることで、情報の扱い方が理解できるため、迅速で適切な処置がとれ、情報漏洩などのセキュリティ上のリスクも下がり、結果的に組織全体のセキュリティ強化につながります。

インターネット上での炎上を防ぐ
炎上は、SNSの特性やインターネットに関する適切な知識がないために、不適切な発信をしてしまうことで招かれます。これは、たとえ、個人の炎上でも、勤務先などが特定され、企業にも被害が広がるといったことも往々にしてあります。そのため、企業全体でのITリテラシーの向上が必要なのです。
ITリテラシーを高めることで、SNSを適切に運用でき、炎上によって企業の信頼を落とさずに済むでしょう。

一部従業員の負担を軽減できる
社内全体のITリテラシーが向上しないままデジタル化を図っても、ITリテラシーが低い従業員は社内のヘルプデスクに問い合わせたり、他の従業員を頼ることになるため、結果的に一部の従業員の負担が重くなってしまいます。これでは、本来行うはずの業務ができなくなるといったこともあります。このような負担を軽減するためにも社内全体でリテラシーを向上させる必要があります。

5. ITリテラシーを高める方法

ITリテラシー強化のためには具体的な対策を取る必要があります。

現状を可視化する
その人の業務内容によって必要なITリテラシーの範囲は異なるため、パソコン操作や周辺機器に関する知識など、業務を滞りなく行えるほどの知識やスキルがあるのかを可視化します。現状を明らかにすることで、課題に気づけて、目標が立てられます。

社内外研修の開催
社内外で全従業員を対象にした研修、講義の場を設けことも有効な手段となります。ITリテラシーに関するウェビナーも多く開催されているため、社内研修だけでなく社外のプログラムを活用することも可能です。部門や業務内容ごとに必要なカリキュラムを組みましょう。
このような研修を定期的に設けることが大切ですが、ほかにも、社内外でITリテラシー関連の問題があった場合は、その都度注意喚起も行いましょう。

IT環境を整備する
PC、スマートフォンなどの機器や、クラウドなどのサービスを利用しやすいよう設備や環境を整える必要があります。このとき、スペックが高ければいいというわけではなく、個々の業務内容にそって機器やサービスを選択することが重要です。
たしかに、導入コストは負担が大きいですが、有効活用すれば生産性の向上やセキュリティリスクの軽減にもつながるなど、投資コスト以上の効果を生み出すでしょう。
このように、組織全体の抜本的なITリテラシーの引き上げには、設備投資が不可欠だといえます。

ITに触れる機会を作る
IT環境を整えても、それらを使いこなせなければ、その効果は半減してしまいます。
ITリテラシーは、座学だけでは身につかず、実際にITに触れることで身につくことということも大いにあるため、企業側は従業員が実際にITに触れる機会を作ることも重要です。
そして、実は、ITリテラシーが向上しない一番の要因は、「デジタル化への苦手意識・拒絶、消極的な姿勢」にあります。
デジタル環境に積極的に触れることでデジタルに対する受容力がつき、本質的なITリテラシーの向上につながります。

資格取得を奨励する
IT関連の資格取得をサポートすることも組織的なITリテラシーの向上に有効です。個人の受験費用や学習費用を企業側で負担したり、資格保有者に資格手当てを支給したりすることで、社員の資格取得に対するモチベーションも上がるでしょう。この資格勉強の過程で、ITに関する基礎的な知識を付けることにつながります。
このように、社員が積極的に取り組みたくなるような仕組み作りが重要です。
代表的なものを挙げると以下のようなものがあります。このように、さまざまな資格がありますが、個々の業務内容に合わせて、最適な資格であることが重要です。

  • ITパスポート
    ITパスポート試験は、ITに関する基礎的な知識を証明する国家資格です。最新のIT技術や経営関連など、幅広い分野を総合的に問われます。
  • P検定
    P検定は、ビジネスシーンで必要となるICTを活用した問題解決力を問う資格です。知識や技能だけでなく、活用方法も評価基準になっているため、より実践的なスキルが身につきます。
  • 日商PC検定
    日商PC検定は、日本商工会議所の実施する、ビジネスの場で必要となる基本的な知識や技能を認定する試験です。試験学習を通して文書作成やデータ活用、プレゼン資料の作成といった実践的なITリテラシーを会得できるでしょう。
  • 情報セキュリティマネジメント検定
    情報セキュリティマネジメント試験は、セキュリティ人材の育成を目的とする試験で、試験勉強を通してセキュリティマネジメントに関する実践的な知識や技能を身につけられるでしょう。
  • IC3
    IC3は「Internet and Computing Core Certification」の略で、ITに関する基礎的な知識と技能を認定する国際資格です。この資格を取得することで、PC業務での効率化など、実務にも役立つでしょう。

6. ITリテラシー強化で情報に強い企業へ

ITリテラシーの欠如は個人の問題に留まらず、企業全体の生産性低下やセキュリティリスクを招き、大きな脅威となりえます。そのため、組織全体でITリテラシーを高めることで、企業価値を高めていくことが大切です。

そのためにも、企業側は社員がITリテラシーの向上に積極的になり、そのハードルを下げられるような取り組みを行う必要があります。
単にITに関する表面上の知識をつけるのではなく、それを有効活用するための環境整備や適切な社員教育が求められます。

7. 知っておきたいIT用語

     

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