人工知能(AI)とは?定義や歴史、できることを解説

  • 2022.08.29
       
人工知能(AI)とは?定義や歴史、できることを解説

本記事では、データの規模が大きくなるにつれて需要が高まっている AI  (人工知能) について解説します。

人工知能とは?

人工知能 (AI) とは、「Artificial Intelligence」の略称で、簡単に言うと、人間と似た知能を持った技術のことです。
ただ、学術的な観点では人工知能 (AI) 」の定義はさまざまで、コンピュータサイエンスや認知科学、医学、心理学といった研究領域や研究者によってもその定義は異なります。その一部を紹介します。

研究者 所属 定義
中島 秀之 札幌市立大学学長 人工的につくられた、知能を持つ実体。あるいはそれをつくろうとすることによって知能自体を研究する分野である
西田 豊明 東京大学大学院
報理工学系研究科教授
「知能を持つメカ」ないしは「心を持つメカ」である
溝口 理一郎 北陸先端科学技術
大学院大学教授
人工的につくった知的な振る舞いをするもの(システム)である
長尾 真 京都大学名誉教授 人間の頭脳活動を極限までシミュレートするシステムである
堀 浩一 東京大学大学院
工学系研究科教授
人工的につくる新しい知能の世界である
浅田 稔 大阪大学名誉教授 知能の定義が明確でないので、人工知能を明確に定義できない
松原 仁 東京大学教授
公立はこだて未来大学特任教授
究極には人間と区別がつかない人工的な知能のこと
武田 英明 国立情報学研究所教授 人工的につくられた、知能を持つ実体。あるいはそれをつくろうとすることによって知能自体を研究する分野である(中島氏と同じ)
池上 高志 東京大学大学院教授 自然にわれわれがペットや人に接触するような、情動と冗談に満ちた相互作用を、物理法則に関係なく、あるいは逆らって、人工的につくり出せるシステム
山口 高平 慶應義塾大学教授 人の知的な振る舞いを模倣・支援・超越するための構成的システム
栗原 聡 慶應義塾大学教授 工学的につくられる知能であるが、その知能のレベルは人を超えているものを想像している
山川 宏 電気通信大学大学院客員教授 計算機知能のうちで、人間が直接・間接に設計する場合を人工知能と呼んでよいのではないかと思う
松尾 豊 東京大学大学院教授 人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術

出典:松尾 豊「人工知能は人間を超えるか」P45(在籍情報を一部改変)

人工知能の分類

人工知能は汎用性AIと特化型AI の 2つに分類することができます。
AI のイメージというと「人間のように考えるコンピュータ」ですが、これは汎用性AI に分類されます。一方で、「人間の能力の一部を代替するシステム」は特化型AI に分類されます。どちらも人工知能ですが、その機能はまったく異なります。

汎用型AIとは
汎用性AI とは、特定の課題だけに対応するのではなく、想定外の出来事が起きても、経験則から総合的に判断し、問題を解決する人間のように、高い問題処理能力を持つ人工知能を指します。

特化型AIとは
特化型AI は、画像認識や音声認識、自然言語処理など限られた領域の課題に特化した人工知能を指し、特定の役割を担います。特定領域では人間以上の能力を発揮する人工知能は多く存在します。

現時点では、あらゆる知的作業を臨機応変に対応できる自律した汎用型AIはなく、現存するすべての人工知能は特化型AI に分類されます。

これに加え、アメリカの哲学者であるジョン・サールの提唱する「強いAI」と「弱いAI」という分類もあります。

強いAIとは
強いAI とは、人間のように自意識や感情といった「心」を持つ人工知能を指します。ドラえもんや C-3PO などはこれに分類されます。

弱いAIとは
弱いAI は、心を持たず、限られた知性で特定のタスクのみを処理する人工知能を指します。
現存する人工知能はすべてこれに該当します。

「特化型AI」と「汎用型AI」が処理能力の視点で分類しているのに対し、「強いAI」と「弱いAI」は、知性の有無という観点で分類されてているのがわかりますね。

人工知能の歴史

人工知能を最新の技術だと感じる人もいると思いますが、実はその歴史は長く、1950年ごろから存在しており、「ブーム」と「低迷期」を繰り返してきました。
人工知能の歴史は大きく分けると 3つに分けられます。

第一次人工知能ブーム
1956年にアメリカのダートマス大学で開催されたダートマス会議で、計算機科学者・認知科学者であるジョン・マッカーシー教授が人間のように考える機械を「人工知能」と名付けたのがはじまりです。そこから 1960年代まで第一次人工知能ブームが続きました。この時代の人工知能は「推論」や「探索」と呼ばれる技術を用いることで、パズルや迷路といった簡単なゲームにおいて、どうすれば効率的に早くゴールまでたどり着けるかといったことができました。しかし、この段階ではまだ明確なルールがなければ処理できず、「推定」や「探索」といった複雑な問題には対処できないでいたため実用化に向かず、その後はブームも下火になっていきました。

第二次人工知能ブーム
1980年代に入り、人工知能に専門的な知識を与えることで新たなデータの判断を行わせる「エキスパートシステム」の研究が進みました。機械学習を取り入れたことで、複雑な処理が可能になり、多くの企業が導入を始めるなど再びブームが起こりました。ただ、サンプルとなるデータや特徴を人の手で入力しなければいけないという大変さもあり、再びブームが失速しました。

第三次人工知能ブーム
第三次人工知能ブームは 2000年代から現代まで続いています。
ビッグデータを用いることで人工知能が急速に発達していきました。判断や識別が難しいものに対しても予測しやすくなったことで、さまざまな技術に応用されるようになりました。
さらに、2006年に「ディープラーニング」が登場したことで、機械学習だけでは膨大なデータに対応するのが難しかったですが、ディープラーニングの登場によって大規模なデータの処理も可能でより精度の高い結果を出すことができるようになりました。
人間がルールを設定しなくてもコンピュータが自律的に特徴量やルールを学習し判断する

特徴量
機械学習における特徴量とは、学習の入力に用いる測定可能な特性を指します。たとえば、赤いバッグと青いバッグを識別する場合、「色」が特徴量となります。人間はものを識別する際、無意識に適切な特徴量を選択し、利用しますが、ディープラーニングを除いた従来の機械学習では、識別に利用する特徴量を人間が定めていました。これまで人の顔などの複雑な特徴量の識別において人工知能に適切な特徴量を教えるのは困難でしたが、ディープラーニングの登場により、人工知能研究においてブームが巻き起こりました。

人工知能にできること・できないこと

現時点での人工知能ができること・できないことについて解説します。

できること

レコメンデーション機能
「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といったおすすめ機能です。

迷惑メールフィルタ (ベイジアンネットワーク)
Gmail などにも搭載された機能で、迷惑メールの傾向を分析し自動的に迷惑メールフォルダに振り分けてくれます。

物体認識
物体認識とは、周囲にある物体を人工知能で認識する技術です。お掃除ロボットのルンバもその一つで、光学センサから受け取ったデータから家具の位置や間取りを推定する人工知能が搭載されています。

音声認識
音声データから特徴や発された内容を認識する機能で Apple製品に搭載されている Siri もその一つです。

チャットボット
テキストから自動的に会話を行うロボットです。

自動運転
人の手ではなく、機械が自立的に乗り物や移動体を操縦する機能です。

画像認識
人工知能で画像データからパターンを検出し、認識する技術です。顔写真から年齢や性別を判断したり、感情を推定したりできます。Panasonic社の提供する「顔認証ゲート」が挙げられます。カメラで撮影した顔写真と ICパスポート内に記録された顔画像のデータを照合することで顔認証を行う認証ゲートで日本各地の空港で導入されています。

できないこと

現時点において、できることとは反対に「プログラムや数式で表せないこと」はできません。

感情を持つこと
現時点では人工知能が自発的に喜ぶ、感動する、怒る、落ち込むといった感情を抱くことはできません。

創造力が必要なこと
人工知能が行う「作画」や「作曲」は、これまで生み出された膨大な量の作品を学習し、登頂を掴むことで似たような作品を作っています。しかし、これでは、「0から1を創る」「全く新しいものを創る」といった本当の意味での「創造力」ではないのです。

高度なコミュニケーション力が必要なこと
たとえば、チャットボットは人間の言葉を理解してそつなくやり取りしているように見えますが、実は言葉のもつ意味を一切理解していません。ただ、膨大な会話パターンを学習し、関連性の深そうなワードを返しているだけなのです。現段階では、人間と高度なコミュニケーションを必要がある仕事は厳しいでしょう。

     

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