SQLでデータベースを操作しているとき、テーブル内のデータを更新する必要が出てくることがしばしばあると思います。そんなときに役立つのが、テーブル内のデータを更新するクエリのUPDATE文です。本記事ではUPDATEの基本的な使い方からJOIN句で他のテーブルのデータを参照して更新する方法やCASE式で条件分岐させた結果によってレコードごとに更新を行う方法なども使う方法まで詳しく解説します。
UPDATE文とは
SQLのUPDATE文は、テーブル内のデータを更新するクエリです。UPDATE文を使うことで特定のデータのみを変更したり、複数の項目を変更したり、テーブル内にあるすべてのレコードを更新したりといったことができます。
【条件にあてはまるデータを更新する】
UPDATE テーブル名 SET カラム名=値 WHERE 条件;
特定のレコードのみを更新する場合は上記のようになります。
【更新する項目が複数ある場合】
複数カラムを更新する場合は以下のような記述になります。
UPDATE テーブル名 SET カラム名1=値1,カラム名2=値2,… WHERE 条件;
【全レコードを更新する場合】
テーブル内のすべてのレコードを更新する場合の記述は次のようになります。
UPDATE テーブル名 SET カラム名=値;
各項目について詳しく見ていきましょう。
- UPDATE テーブル名
更新するテーブルを指定します。
- SET カラム名=値
更新するカラム名とその値を指定します。複数のカラムを更新する場合は、カンマで区切ります。
- WHERE 条件
条件を指定し、条件に合致するレコードが更新の対象になります。WHERE句を省略する場合は、テーブル内の全レコードが更新対象となります。
WHERE句は、特定の条件下でのデータの絞り込みに使用されます。詳しくは、当ブログの【SQL入門】WHEREで検索条件を指定する方法を解説で、WHEREの基本を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
これらの要素を組み合わせることで、全レコードの更新、特定レコードの更新、複数列の更新などの操作を行うことができます。
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UPDATE文の使い方
【サンプルテーブル】
「UPDATE」文の具体的な使い方を解説していくにあたって、サンプルとして「テスト(test)」テーブルを用意しました。
「テスト(test)」テーブル
ID(id) | 氏名(name) | 性別(gender) | 点数(point) |
1001 | 秋山 | 男 | 80 |
1002 | 久保田 | 女 | 100 |
1003 | 佐々木 | 女 | 65 |
1004 | 佐藤 | 男 | 75 |
1005 | 鈴木 | 女 | 60 |
1006 | 田中 | 男 | 90 |
1007 | 土屋 | 女 | 55 |
指定レコードの更新
指定レコード更新は、「WHERE」句を用いて、条件に合致するレコードの、指定されたカラムのデータが新しい値に更新されます。
今回は鈴木さんの「点数(point)」カラムを「65」にします。
【実行コード】
UPDATE test SET point=65 WHERE id=1005;
【実行結果】
ID(id) | 氏名(name) | 性別(gender) | 点数(point) |
1001 | 秋山 | 男 | 80 |
1002 | 久保田 | 女 | 100 |
1003 | 佐々木 | 女 | 65 |
1004 | 佐藤 | 男 | 75 |
1005 | 鈴木 | 女 | 65 |
1006 | 田中 | 男 | 90 |
1007 | 土屋 | 女 | 55 |
指定レコードの複数カラム更新
一度のクエリでテーブルの複数列を同時に更新することもできます。
例えば、鈴木さんの「性別(gender)」カラムを「男」に、同時に「点数(point)」カラムを「70」に更新する場合、次のようなクエリになります。
【実行コード】
UPDATE test SET gender='男',point=70 WHERE id=1005;
【実行結果】
ID(id) | 氏名(name) | 性別(gender) | 点数(point) |
1001 | 秋山 | 男 | 80 |
1002 | 久保田 | 女 | 100 |
1003 | 佐々木 | 女 | 65 |
1004 | 佐藤 | 男 | 75 |
1005 | 鈴木 | 男 | 70 |
1006 | 田中 | 男 | 90 |
1007 | 土屋 | 女 | 55 |
全レコードの更新
全レコード更新はテーブル内のレコードを一度に更新します。以下のクエリは「点数(point)」カラムを100にするクエリとなります。
【実行コード】
UPDATE test SET point=100;
【実行結果】
ID(id) | 氏名(name) | 性別(gender) | 点数(point) |
1001 | 秋山 | 男 | 100 |
1002 | 久保田 | 女 | 100 |
1003 | 佐々木 | 女 | 100 |
1004 | 佐藤 | 男 | 100 |
1005 | 鈴木 | 女 | 100 |
1006 | 田中 | 男 | 100 |
1007 | 土屋 | 女 | 100 |
UPDATE文の応用
UPDATE文は他のSQLと組み合わせることができます。以下ではその方法をいくつか紹介します。
先ほどのサンプルテーブルを再度載せておきます。
「テスト(test)」テーブル
ID(id) | 氏名(name) | 性別(gender) | 点数(point) |
1001 | 秋山 | 男 | 80 |
1002 | 久保田 | 女 | 100 |
1003 | 佐々木 | 女 | 65 |
1004 | 佐藤 | 男 | 75 |
1005 | 鈴木 | 女 | 60 |
1006 | 田中 | 男 | 90 |
1007 | 土屋 | 女 | 55 |
これに加えてもう一つ新たなテーブルを追加します。
「性別(new_gender)」テーブル
旧性別(ex_gender) | 性別番号(gender_number) |
男 | 1 |
女 | 2 |
計算した結果で更新する
例として、上記テーブルにおいて、全ての「点数(point)」カラムの値を10点引く形で更新するケースを考えてみましょう。この場合のUPDATE文は以下のようになります。
【実行コード】
UPDATE test SET point=point-10;
【実行結果】
ID(id) | 氏名(name) | 性別(gender) | 点数(point) |
1001 | 秋山 | 男 | 70 |
1002 | 久保田 | 女 | 90 |
1003 | 佐々木 | 女 | 55 |
1004 | 佐藤 | 男 | 65 |
1005 | 鈴木 | 女 | 50 |
1006 | 田中 | 男 | 80 |
1007 | 土屋 | 女 | 45 |
このSQL文を実行することで、全ての生徒のテストの点数が10点低く更新されます。
JOINを用いたデータ更新
UPDATE文では、JOIN句を用いて他のテーブルのデータを参照しながら、データの更新ができます。これにより、異なるテーブルに格納されているデータを組み合わせて、より柔軟なデータ更新が行えます。
個人情報の観点で「テスト(test)」テーブルの「性別(gender)」カラムのうち、「男」を「1」、「女」を「2」に変更することにしました。そこで、追加されたサンプルテーブル「性別(new_gender)」テーブルを利用し、「テスト(test)」テーブルの「性別(gender)」カラムを更新します。以下がそのクエリです。
【実行コード】
UPDATE test JOIN new_gender ON test.gender=new_gender.ex_gender SET test.gender=new_gender.gender_number;
このクエリでは、「テスト(test)」テーブルと「性別(new_gender)」テーブルを「性別(gender)」カラムで紐づけ、「性別(new_gender)」テーブルの「性別番号(gender_number)」カラムの値で「テスト(test)」テーブルの「性別(gender)」カラムを直接更新します。
JOINについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、良ければ参考にしてください。
【実行結果】
ID(id) | 氏名(name) | 性別(gender) | 点数(point) |
1001 | 秋山 | 1 | 80 |
1002 | 久保田 | 2 | 100 |
1003 | 佐々木 | 2 | 65 |
1004 | 佐藤 | 1 | 75 |
1005 | 鈴木 | 2 | 60 |
1006 | 田中 | 1 | 90 |
1007 | 土屋 | 2 | 55 |
ちなみに、副問い合わせで記述する場合は以下のようなコードになります。
【実行コード】
UPDATE test SET test.gender=(SELECT new_gender.gender_number FROM new_gender WHERE test.gender=new_gender.ex_gender);
CASEと組み合わせて条件分岐でデータを更新する
UPDATE文では、条件によって結果を分岐させるCASE式を組み合わせることで、レコードごとに異なるデータの更新が可能です。
※説明するうえで、現実的ではない例えになります。
「性別(gender)」カラムの値に応じて「点数(point)」カラムの値を条件分岐させて更新する例を考えます。
【実行コード】
UPDATE test SET test.point=CASE test.gender
WHEN '男' THEN point+5 -- 男子生徒は5点加点
WHEN '女' THEN point-5 -- 女子生徒は5点減点
ELSE gender -- それ以外のルートは価格変更なし
END;
このクエリを実行すると、「性別(gender)」の値に応じて「点数(point)」が異なる計算式で更新されます。更新結果は以下の通りです。
【実行結果】
ID(id) | 氏名(name) | 性別(gender) | 点数(point) |
1001 | 秋山 | 男 | 85 |
1002 | 久保田 | 女 | 95 |
1003 | 佐々木 | 女 | 60 |
1004 | 佐藤 | 男 | 80 |
1005 | 鈴木 | 女 | 55 |
1006 | 田中 | 男 | 95 |
1007 | 土屋 | 女 | 50 |
CASE式を使った条件分岐についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、よければ参考にしてください。
まとめ
今回はUPDATEを紹介しました。SQLの中でも重要な機能となるので、ここでしっかり理解を深め、より良いSQL文を書けるようにしましょう。
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