【SQL入門】JOINでSQLのテーブルを結合する(INNER JOIN, OUTER JOIN)

  • 2025.07.03
       
【SQL入門】JOINでテーブル結合!種類と使い方を解説

SQLでは「JOIN」句を用いることで複数のテーブルを1つに結合することができます。この操作は集計や複数箇所に分散したデータをまとめるのに便利です。JOIN句には5種類あり、取得するデータの性質や用途に応じて使い分けます。本記事では、「JOIN」句の基本的な概念と、その具体的な使用方法について詳しく解説します。

JOIN句とは

SQLの「JOIN」句は、関連する複数のテーブルを関連付ける「テーブル結合」を行うクエリです。テーブル結合は1つのクエリで複数のテーブルに格納されたデータを扱いたい場合に便利です。主に、SELECT文と併用して複数のテーブルから関連するデータを効率的に抽出するのに用いられます。

ここからはサンプルテーブルを用いてそれぞれの種類と適した用途を説明します。

サンプルテーブル

「JOIN」句の使い方の説明には、サンプルとして「生徒」テーブルと「運動部」テーブルを用います。

「生徒(student)」テーブル

学籍番号(number)氏名(name)部活ID(club_id)
1菊池1
2鈴木3
3田中4
4山田1

「運動部(sport_club)」テーブル

ID(id)競技(sport)
1野球
2サッカー
3バスケットボール

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内部結合(INNER JOIN句)

「INNER JOIN」句は、それぞれのテーブルの指定したカラムで値が一致する場合にのみ、そのレコードを結合させるクエリです。この共通の値を持たないレコードは除外されます。ちなみに、単に「JOIN」と記述した場合も「INNER JOIN」句扱いになります。

図:内部結合(INNER JOIN句)のイメージ

結合条件は、等値結合 (=)のほかに、非等値結合(>、 <、 <>, !=、…)も使用可能です。

【使用イメージ】

SELECT カラム名 FROM テーブルA INNER JOIN テーブルB ON 結合条件;

テーブルAから取得するカラムを指定し、結合の条件を満たすデータがテーブルBにある場合は1つのテーブルとして表示します。

【実行コード】

SELECT student.name,sport_club.sport FROM student INNER JOIN sport_club ON student.club_id = sport_club.id;

「生徒」テーブルの「部活」カラムと「運動部」テーブルの「ID」カラムを紐づけ、結合条件を満たす場合に、「生徒」テーブルの「氏名」カラムと「運動部」テーブルの「競技」カラムを表示します。

【実行結果】

氏名
(name)
競技
(sport)
菊池野球
鈴木バスケットボール
山田野球

共通する値がない「生徒」テーブルの田中さん、「運動部」テーブルの「サッカー」が表示されていません。

※下記コードでも同じ結果になります。

SELECT student.name,sport_club.sport
 FROM student,club_member WHERE student.club_id = sport_club.id;

内部結合(INNER JOIN句)を使う場面

左外部結合(LEFT OUTER JOIN句)

「OUTER JOIN」句は、値が一致するレコードに加えて、一致しない場合でも結合します。

基準にするテーブルによって次の3種類に分けられます。

  • FROM句で指定したテーブル(左側)を基準にする「左外部結合(LEFT OUTER JOIN句)」
  • JOIN句で指定したテーブル(右側)を基準にする「右外部結合(RIGHT OUTER JOIN句)」
  • 両方のテーブルを基準にする「完全外部結合(FULL OUTER JOIN句)」※クエリ名は使用するRDBMSに依存

それぞれ説明していきます。

「LEFT OUTER JOIN」句は、結合条件を満たすレコードに加えて、結合条件に関わらず、テーブルAのレコードはすべて結合するクエリです。値が一致しない場合、テーブルBの該当箇所にはNULLが入ります。

図:左外部結合(LEFT OUTER JOIN句)のイメージ

【使用イメージ】

SELECT カラム名 FROM テーブルA LEFT OUTER JOIN テーブルB ON 結合条件;

【実行コード】

SELECT student.name,sport_club.sport FROM student LEFT OUTER JOIN sport_club ON student.club_id = sport_club.id;

カラム名の記述方法

カラム名は「テーブル名.カラム名」と記述すると可読性が上がるのでおすすめです。

エイリアス名の指定方法

「カラム名 AS エイリアス名」と記述することで全体の記述量を減らせたり、テーブルを見分けやすくなります。

【実行結果】

氏名
(name)
競技
(sport)
菊池野球
鈴木バスケットボール
田中NULL
山田野球

INNER JOIN句では除外された田中さんが表示されています。これは、LEFT OUTER JOIN句の場合「生徒」テーブルのレコードをすべて出力するためです。

右外部結合(RIGHT OUTER JOIN句)

「RIGHT OUTER JOIN」句は、結合条件を満たすレコードに加えて、結合条件に関わらず、右側のテーブルのレコードはすべて結合するクエリです。値が一致しない場合、左側のテーブルの該当箇所にはNULLが入ります。

図:右外部結合(RIGHT OUTER JOIN句)のイメージ

【使用イメージ】

SELECT カラム名 FROM テーブルA RIGHT OUTER JOIN テーブルB ON 結合条件;

【実行コード】

SELECT student.name,sport_club.sport FROM student RIGHT OUTER JOIN sport_club ON student.club_id = sport_club.id;

【実行結果】

氏名
(name)
競技
(sport)
菊池野球
NULLサッカー
鈴木バスケットボール
山田野球

INNER JOIN句では除外されたサッカー部が表示されています。これは、RIGHT OUTER JOIN句の場合「運動部」テーブルのレコードをすべて出力するためです。

完全外部結合(FULL OUTER JOIN句)

「FULL OUTER JOIN」句は、結合条件を満たすレコードに加えて、結合条件に関わらず、どちらか一方にしか存在しないデータも出力するクエリです。値が一致しない場合、左側のテーブルの該当箇所にはNULLが入ります。2つのテーブルのデータを網羅的に結合できます。

図:完全外部結合(FULL OUTER JOIN句)のイメージ

【使用イメージ】

SELECT カラム名 FROM テーブルA FULL OUTER JOIN テーブルB ON 結合条件;

【実行コード】

SELECT student.name,sport_club.sport FROM student FULL OUTER JOIN sport_club ON student.club_id = sport_club.id;

【実行結果】

氏名
(name)
競技
(sport)
菊池野球
NULLサッカー
鈴木バスケットボール
田中NULL
山田野球

外部結合(OUTER JOIN句)を使う場面

外部結合(OUTER JOIN句)は一致しないレコードも取得できるため、データ補完や欠損データの特定、関連するデータの統合などに使用されます。

交差結合(CROSS JOIN句)

「CROSS JOIN」句は、2つのテーブルのすべての組み合わせを網羅的に生成するクエリで、交差結合は直積結合とも呼ばれます。ただ、実用性がなく、「CROSS JOIN」句を使用することは滅多にありません。

【使用イメージ】

SELECT カラム名 FROM テーブルA CROSS JOIN テーブルB;

【実行コード】

SELECT * FROM student CROSS JOIN sport_club;

2つのテーブルのレコード分すべて掛け合わせているため、4 * 3で計12行になります。

【実行結果】

学籍番号
(number)
氏名
(name)
部活ID
(club_id)
ID
(id)
競技
(sport)
1菊池11野球
1菊池12サッカー
1菊池13バスケットボール
2鈴木31野球
2鈴木32サッカー
2鈴木33バスケットボール
3田中41野球
3田中42サッカー
3田中43バスケットボール
4山田11野球
4山田12サッカー
4山田13バスケットボール

※下記コードでも同じ結果になります。

SELECT *
 FROM student,sport_club;

3つ以上のテーブルを結合する場合

3つ以上のテーブルを結合させる場合は順番と結合条件に注意する必要があります。

【使用イメージ】

SELECT カラム名 FROM テーブルA JOIN テーブルB ON 結合条件1 JOIN テーブルC ON 結合条件2;

順番にテーブルを結合します。

「体育館利用」テーブルを用いて、体育館を利用する運動部の生徒を抽出します。

「体育館利用(gym_use)」テーブル

部活ID(club_id)利用時間帯(time_zone)
3午前
4午後

【実行コード】

SELECT student.name FROM student INNER JOIN sport_club ON student.club_id = sport_club.id INNER JOIN gym_use ON student.club_id = gym_use.club_id;

【実行結果】

氏名
(name)
鈴木

上記の例では1つ目のJOIN句で運動部の生徒を抽出し、2つ目のJOIN句で体育館を利用する部活に属する生徒を抽出しています。

JOIN句の応用例

ここまでに紹介してきたJOIN句の使用例の他にも、いくつか応用的な使い方を紹介しましょう。

セルフ結合

同一のテーブルを別名で二度参照して、階層構造やデータ間の関連性などを抽出する方法です。

データの構造を取得できるので、たとえば社員情報から上司・部下といった関係の情報を取得することもできます。

サンプルのテーブルを使って、同じ部活に所属している人の情報を取得してみましょう。

【実行クエリ】

SELECT s1.name AS 本人,
       s2.name AS 同じ部活の人
FROM   student s1
JOIN   student s2
  ON   s1.club_id = s2.club_id
WHERE  s1.number != s2.number;

【実行結果】

本人同じ部活の人
山田菊池
菊池山田

USINGで共通のカラムを結合する

共通のカラム名があるときに使えるJOIN句の用法です。

【実行クエリ】

SELECT s.name AS 学生名, c.name AS 部活名
FROM   student s
JOIN   club c USING (club_id);

【実行結果】

学生名部活名
菊池野球
鈴木バスケットボール
山田野球

この記法を用いると、JOINの結合条件の部分を “ON a.column = b.column” のようにしなくとも、省略した形でクエリを組み立てることができます。共通するカラム名は明示されているので、可読性の点でも安心です。

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