【SQL】NULLの扱い方をサンプルコードで分かりやすく解説

  • 2024.02.05
       
【SQL】NULLの扱い方をサンプルコードでわかりやすく解説

NULLの判定には「IS NULL」や「IS NOT NULL」を使用しますが、その扱いには注意が必要です。本記事ではデータベースにおける「NULL」値について解説します。ぜひ今後のSQL学習の参考にしてください。

そもそも「NULL」とは?

NULL値とは、値と言っていますが、わかりやすく言うと、「データが存在しない」という概念です。データベースにおいては、フィールドに値が入力されていない場合に「値がNULLである」といいます。NULL値は、ゼロ値や空文字とは異なります。

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サンプルコード

説明には、サンプルとして「test」テーブルを用意しました。

「test」テーブル

ID(id)氏名(name)点数(point)
1秋山80
2久保田100
3佐々木NULL
4佐藤70
5鈴木NULL
6田中90
7土屋60

IS NULL演算子

NULL判定を行う演算子で、主に「WHERE」内で使用されます。大半のデータベースで使える演算子です。

「IS NULL」演算子でNULLを抽出する

「IS NULL」演算子を用いてNULL値を抽出できます。

【使用イメージ】

SELECT カラム名 FROM テーブル名 WHERE カラム名 IS NULL;

テストを受けていない生徒を抽出します。

【SQL実行コード】

SELECT * FROM test WHERE point IS NULL;

【実行結果】

idnamepoint
3佐々木NULL
5鈴木NULL

「IS NOT NULL」演算子でNULL以外を抽出する

「IS NOT NULL」演算子を用いてNULL値以外を抽出できます。

【使用イメージ】

SELECT カラム名 FROM テーブル名 WHERE カラム名 IS NOT NULL;

テストを受けた生徒を抽出します。

【SQL実行コード】

SELECT * FROM test WHERE point IS NULL;

【実行結果】

idnamepoint
1秋山80
2久保田100
4佐藤70
6田中90
7土屋60

NULLは等号・等号否定・不等号の対象にならない

データを抽出する際、「カラム名 != ‘検索値’」としてもNULL値を含むレコードは抽出されません。また、「カラム名 = NULL」ではNULLを含むデータを抽出できません。これは、NULLは等号(=)、等号否定(!=)、不等号(<、>、≦、≧)の対象にならないからです。実際に見てみましょう。

◆等号は使えない

【SQL実行コード】

SELECT * FROM test WHERE point = NULL;

【実行結果】

(NULLを含むレコードも抽出できない)

抽出データなし

◆等号否定は使えない①

【SQL実行コード】

SELECT * FROM test WHERE point != NULL;

【実行結果】

(NULLを含むレコードも抽出されてしまう)

idnamepoint
1秋山80
2久保田100
3佐々木NULL
4佐藤70
5鈴木NULL
6田中90
7土屋60

◆等号否定は使えない②

【SQL実行コード】

SELECT * FROM test WHERE point != 80;

【実行結果】

(NULLを含むレコードが抽出できない)

idnamepoint
2久保田100
4佐藤70
6田中90
7土屋60

データベースでNULLを検索するには、「IS NULL」演算子を、NULLを含まないレコードを検索するには「IS NOT NULL」演算子を使用する必要があります。

NULLと空文字の違い

冒頭でも説明した通り、NULLと空文字は別物です。

NULLが「中身が存在しない」のに対し、空文字は「長さ0の文字列、すなわち、空のデータが存在する」と表現します。

空文字のみ抽出する

SELECT * FROM テーブル名 WHERE カラム名 = '';

NULLのみ抽出する

SELECT * FROM テーブル名 WHERE カラム名 IS NULL;

空文字とNULL値以外を抽出する(str != ”;の挙動に注意)

SELECT * FROM テーブル名 WHERE カラム名 != '';

NULL値以外を抽出する

SELECT * FROM テーブル名 WHERE カラム名 IS NOT NULL;

「ISNULL」関数

「ISNULL」関数はNULLを任意の文字列に置換する関数です。SQL Server・Accessで使用できます。ほかの主要データベースでは同じ機能を持つ関数名があるので併せて紹介します。

【使用イメージ】

ISNULL([指定するカラム], [置換したい文字列])

第一引数に「NULLをチェックするカラム名」、第二引数に「NULLだった場合に置換する文字列」を入力します。

テストテーブルの点数がNULLの場合に「未受験」に表示したい場合は次のように記述します。

【SQL実行コード】

SELECT ISNULL(point,'未受験') FROM test;

環境ごとの類似関数

データベースによって類似関数があります。

◆Mysql・SQLite

SELECT IFNULL(point,'未受験') FROM test;

◆PostgreSQL

SELECT COALESCE(point,'未受験') FROM test;

◆Oracle

SELECT NVL(point,'未受験') FROM test;

「INSERT」文でNULL値を登録する

テーブルにデータを追加する「INSERT」文で、特定のカラムにNULLを登録してみましょう。

「中村」という生徒を追加します。

【SQL実行コード】

INSERT INTO ITEM
 (id,name,point)
VALUES
 ('8','中村',NULL);

「SELECT」文でデータを参照します。

【実行結果】

idnamepoint
1秋山80
2久保田100
3佐々木NULL
4佐藤70
5鈴木NULL
6田中90
7土屋60
8中村NULL

「UPDATE」文でNULL値に更新する

テーブルのデータを変更する「UPDATE」文で、NULL値に変更してみましょう。

「秋山」さんのデータを更新します。

【SQL実行コード】

UPDATE
 ITEM
 SET
 CATEGORY = NULL
 WHERE id =1;

「SELECT」文でデータを参照します。

【実行結果】

idnamepoint
1秋山NULL
2久保田100
3佐々木NULL
4佐藤70
5鈴木NULL
6田中90
7土屋60
8中村NULL

「NOT NULL」で制約する

「NOT NULL」を用いることで中身にNULL値を指定できないようにできます。

【SQL実行コード】

CREATE TABLE テーブル名(カラム名 NOT NULL, ...);

この制約のあるカラムにNULL値を含むレコードや中身を未指定のカラムを追加しようとすると、「Error: NOT NULL constraint failed: user.name」というエラー表示になります。

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