「GROUP BY」句とは?
SQLの「GROUP BY」句とは、任意のカラムの値に基づいてレコードをグループ化するのに用いられるクエリです。集計関数(SUMやCOUNTなど)と併用することで「クラスごとの人数を調べる」というように、グループごとの合計値やレコード数を求めることができます。また、「WHERE」句や「HAVING」句を併用して条件付きのグループ化を行ったり、「ORDER BY」句との併用でグループ化したグループの順番を並び変えるといった応用的な使い方もあります。特に、膨大なデータ量を扱う場合によく用いられるのでぜひ覚えておきたいクエリです。
「GROUP BY」句の基本構文
【使用イメージ】
SELECT 表示させるカラム名 FROM テーブル名 GROUP BY グループ化するカラム名;
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【サンプルテーブル】
「GROUP BY」句の具体的な使い方を解説していくにあたって、サンプルとして「テスト」テーブルを用意しました。
「テスト」テーブル
id | 氏名 | 性別 | 点数 |
1001 | 秋山 | 男 | 80 |
1002 | 久保田 | 女 | 100 |
1003 | 佐々木 | 女 | 65 |
1004 | 佐藤 | 男 | 75 |
1005 | 鈴木 | 女 | 60 |
1006 | 田中 | 男 | 90 |
1007 | 土屋 | 女 | 55 |
集計関数「COUNT」でグループごとのレコード数を取得する
集計関数とは
集計関数とは、その項目の合計値や平均値を求めたり、あるいはCOUNT関数のようにデータ件数を取得するなど、その名の通り集計を行う関数のことです。これらを利用することで都度計算する必要がなくなり、データ分析などに使うと便利です。後ほど詳しく紹介しますが、集計関数とそれぞれ用途を以下に示しました。
集計関数 | 用途 |
COUNT | 項目のデータ件数を取得する |
SUM | 項目のデータ合計値を取得する |
AVG | 項目のデータ平均値を取得する |
MAX | 項目のデータ最大値を取得する |
MIN | 項目のデータ最小値を取得する |
データ件数を取得する「COUNT」関数を併用し、以下の実行コードでテストを受けた生徒の男女別の人数を求めます。
【実行コード】
SELECT 性別, COUNT(性別) FROM テスト GROUP BY 性別;
【実行結果】
性別 | COUNT(性別) |
男 | 3 |
女 | 4 |
「性別」でグループ化を行い、性別とその数を抽出しています。
このように、「GROUP BY」句と「COUNT」関数を併用すればグループごとのレコード数を集計できます。
ほかにも、「SUM」関数を併用すればグループごとの合計値、「AVG」関数を併用すればグループごとの平均値が求められるので、ほかの関数を試してみるのもいいですね!
「GROUP BY」句を使う上での注意点
列名の指定を統一する
SELECT 表示させるカラム名 FROM テーブル名 GROUP BY グループ化するカラム名;
上記のように、対象の「カラム名」と「グループ化を行うカラム名」が同じ列(カラム)である必要があります。GROUP BY句で指定カラムを「集約キー」や「グループ化列」といいます。
× SELECT 氏名 FROM テスト GROUP BY 性別;
NULLも1つのグループとして扱われる
指定したカラムに「NULL」値が含まれている場合、「NULL値グループ」といったように、NULLも1つのグループとして集計されます。
条件を付けてグループごとのレコード数を取得する
「WHERE」句と「HAVING」句の違い
条件を付けるクエリに「WHERE」句と「HAVING」句がありますが、「GROUP BY」句と併用する場合、両者には以下の違いがあることを知っておく必要があります。
「WHERE」句:「GROUP BY」句の実行前に条件が適応される
「HAVING」句:「GROUP BY」句の実行後に条件が適応される
グループ化の前に任意の条件を満たさないレコードを省く場合は「WHERE」句を使い、グループ化後に任意の条件を満たさないグループを省く場合に「HAVING」句を使います。
「GROUP BY」句と「WHERE」句を併用してグループ化前に絞る
先ほどの「テスト」テーブルを用いて、生徒のうち、テストの点数が60点未満の生徒を除いた男女別の人数を表示させましょう。
「テスト」テーブル
id | 氏名 | 性別 | 点数 |
1001 | 秋山 | 男 | 80 |
1002 | 久保田 | 女 | 100 |
1003 | 佐々木 | 女 | 65 |
1004 | 佐藤 | 男 | 75 |
1005 | 鈴木 | 女 | 60 |
1006 | 田中 | 男 | 90 |
1007 | 土屋 | 女 | 55 |
【実行コード】
SELECT 性別, COUNT(性別) AS 人数 FROM テスト WHERE 点数>=60 GROUP BY 性別;
【実行結果】
性別 | 人数 |
男 | 3 |
女 | 3 |
60点未満の土屋さんが除かれたことで、60点以上の生徒は男子が3名、女子が3名となりました。
「GROUP BY」句と「HAVING」句を併用してグループ化後に絞る
続いて、「テスト」テーブルのうち、人数が3人以下のグループのみ表示させましょう。
【実行コード】
SELECT 性別, COUNT(性別) AS 人数 FROM テスト GROUP BY 性別 HAVING 4>人数;
【実行結果】
性別 | 人数 |
男 | 3 |
4人以上のグループが除かれたことで、男子生徒のみが表示されました。
「ORDER BY」句でグループ化したグループを並び替える
「ORDER BY」句とは
「ORDER BY」句とは、任意のカラム(列)に基づいて結果をソート(並び替え)するクエリです。これにより、データの整理や分析を行いやすくなります。
例として、性別ごとにグループ化したグループを降順で並び替えます。
【実行コード】
SELECT 性別, COUNT(性別) AS 人数 FROM テスト GROUP BY 性別 ORDER BY 人数 DESK;
【実行結果】
性別 | COUNT(性別) |
女 | 4 |
男 | 3 |
「ORDER BY」句を併用することで人数の多いチームから少ないチームに並び替えることができました。ちなみに、昇順(値が小さいものから大きいものへ)の場合は「ASK」を使用します。
SQLの勉強方法は?
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そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。
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Author:鷺坂りな @TechMania編集部 投稿一覧
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