CSSのline-heightとは?使い方をサンプルコードで解説

  • 2024.08.15
       
CSSのline-heightとは?使い方をサンプルコードで解説

行間が詰まりすぎていたり、空きすぎたりしているとWebページが見にくくなります。そんな時、CSSのline-heightプロパティで行間を調節することで、Webページを見やすくすることができます。本記事では、行間を指定するCSSプロパティ「line-height」について解説します。

line-heightとは

line-heightとは、行の高さの最小値を指定するCSSプロパティです。行の高さは、フォントの高さを含めた高さであり、その余りが余白として上下に配分され、行間が決まります。line-heightプロパティで行の高さを指定することで行間を調整でき、デザイン性やユーザビリティが高まります。

もっとわかりやすく言いましょう。下図のように、文字の大きさ(font-size)を変えずにline-heightプロパティで行の高さを変更することで、行間を調節できるというわけです。行の高さが大きくなると行間も広がり、行の高さが低いと狭まります。

上図の水色部分がfont-sizeの範囲、緑色線がline-heightの範囲です。line-heightに0を指定するとfont-sizeとline-heightの範囲が同じようになり、行間がなくなります。値を大きくするほどfont-sizeの範囲とline-heightの範囲に差ができ、結果として行間が広くなります。

ちなみに、可読性の観点から、Webデザインにおける行間は1.5から2.0が適切とされています。

line-heightの使い方

基本構文

line-height:値;

指定可能な値

指定可能な値で主なものを次に示します。

  • 初期値でもある「nomal」
  • 20px、30emなどの「数値+単位」で指定する
  • 10、20などの「数値」で指定する
  • 50%などの「%」で指定する

normal

「normal」は、line-heightプロパティの初期値でもあります。nomalはユーザの利用環境に依存し、Webブラウザ側で自動的に行の高さ(行間)が設定されます。ほとんどの場合「1.2」という既存値を用いられます。

【HTML実行コード】

<p>テキスト</p>

【CSS実行コード】

p{
 background-color:#F2F8EE;
 font-size:30px;
 line-height:nomal;
}

【実行結果】

「数値+単位」で指定する

20px、30emなどの「数値+単位」で指定する方法です。

指定可能な単位とそれぞれの違い

pxスクリーンの1ドットを1pxとする
利用環境に依存しない絶対単位
em文字の高さを基準とする相対単位
%親要素のプロパティの値に対する割合
●px(ピクセル)

pxは絶対値であるため、文字の大きさに関わらず行の高さは一定になります。

たとえば、line-heightプロパティの値を「40px」に設定してfont-sizeプロパティを「30px」にすると、行間は

(40px(行の高さ) – 30px(フォントの大きさ))÷ 2 = 5px

となり、文字の上下に5pxずつ行間が生まれます。

【HTML実行コード】

<p>テキスト</p>

【CSS実行コード】

p{
 background-color:#F2F8EE;
 font-size:30px;
 line-height:40px;
}

【実行結果】

ただし、pxで指定すると、フォントサイズが変更された際に行の高さも併せて調整する必要があるので、おすすめしません。

●em(エム)

emは文字の高さを基準とする相対単位であるため、フォントサイズによって変動します。

たとえば、line-heightプロパティの値を「2em」に設定してfont-sizeプロパティを「30px」にすると、行間は

(60px(行の高さ:フォントサイズの2倍) – 30px(フォントの大きさ))÷ 2 = 15px

となり、15pxずつ行間が生まれます。

【HTML実行コード】

<p>テキスト</p>

【CSS実行コード】

p{
 background-color:#F2F8EE;
 font-size:30px;
 line-height:2em;
}

【実行結果】

注意点としては、親要素のフォントサイズが子要素に引き継がれるため、両者でフォントサイズが異なる場合、行間が崩れる可能性があるということです。

●%

%は親要素のフォントサイズに対する倍率で表現する相対単位です。親要素のフォントサイズが変われば子要素のフォントサイズも自動で変更されます。親要素を指定しない場合は、基本的に16pxとなります。

たとえば、line-heightプロパティの値を「200%」に設定してfont-sizeプロパティを「30px」にすると、行間は

(60px(行の高さ:フォントサイズの200%) – 30px(フォントの大きさ))÷ 2 = 15px

となり、15pxずつ行間が生まれます。

【HTML実行コード】

<p>テキスト</p>

【CSS実行コード】

p{
 background-color:#F2F8EE;
 font-size:30px;
 line-height:200%;
}

【実行結果】

emと同様に、親要素のフォントサイズが子要素に引き継がれるため、両者でフォントサイズが異なる場合、行間が崩れる可能性があるということに注意が必要です。

「数値」で指定する

「数値」をフォントサイズに対する比率とする指定方法です。一般的にこの方法を取るのが望ましいとされています。その理由としては、単位をつけることで文字がつぶれる可能性があるからです。

たとえば、line-heightプロパティの値を「2」に設定してfont-sizeプロパティを「30px」にすると、行間は

(60px(行の高さ:フォントサイズの2倍) – 30px(フォントの大きさ))÷ 2 = 15px

となり、15pxずつ行間が生まれます。

【HTML実行コード】

<p>テキスト</p>

【CSS実行コード】

p{
 background-color:#F2F8EE;
 font-size:30px;
 line-height:200%;
}

【実行結果】

なぜ単位ナシがいいのか

emや%は親要素の値に依存するため文字を潰すことは考えにくいです。しかし、これらの単位をbody要素に指定してしまうと、line-heightプロパティの値もbody要素のフォントサイズをもとに計算された値になってしまい、意図せず崩れた表示になる可能性があります。こういった点からline-heightプロパティは基本的に単位を付けないのが望ましいとされています。

単位ありの場合 → 計算後の値を引き継ぐ
単位なしの場合 → 倍率を引き継ぐ

line-heightプロパティの値を単位を付けずに指定することで親要素のフォントサイズに左右されません。単位を付けてしまうと、その都度フォントサイズの大きさによってline-heightプロパティを設定しなければならなくなってしまいます。

paddingではなくline-heightを用いる理由

行間を調整する際、paddingプロパティではなくline-heightプロパティを設定すれば、簡単に文字を上下中央に配置できます。これは、line-heightは高さの中央に配置されるため、行の上下中央に文字が配置される仕組みになっているからです。

line-heightとheightの違い

line-heightとheightの違いを次に示します。

line-height:文字の行の高さ
height:ブロック要素の高さ

【HTML実行コード】

<p>テキスト</p>

【CSS実行コード】

p{
 background-color:#F2F8EE;
 font-size:30px;
 line-height:2;
 height:40px;
}

【実行結果】

font-sizeは30pxであるため、line-heightはその2倍の60pxになります。しかし、これは設定した高さ(40px)より大きくなってしまいます。ただし、「行の高さ」よりも「高さ」が優先されるため、line-heightが効きません。

高さを指定しないとheightプロパティは初期値である「auto」になるため、行の高さがそのまま高さになります。そのため、基本的には高さは指定しません。

ただ、ボックスをデザインする際は高さを設定することもあると思います。この場合、高さと行の高さを同じにすることで文字がボックスの上下中央に配置できます。

line-heightが効かない場合の対処法

spanタグなどのインライン要素にline-heightを設定しても上手く効かないことがあります。その場合は、その要素に「display:block;」を記述してブロック要素にしましょう。

【CSS実行例】

span{
 display:block;
}

※ブロックレベル要素においては、要素に含まれる行ボックスの最小の高さを指定します。また、非置換インライン要素においては、行ボックスの高さの計算に用いられる高さを指定します。

行間が広くなってしまった場合の対処法

意図せず行間が広くなってしまうケースがあります。上下にできた余白をmarginプロパティに指定する値をマイナスにして取り除きます。
短いテキストや見出しの余白を無くす場合などに便利です。

【HTML実行コード】

<p>テキスト</p>
<p>テキスト</p>

【CSS実行前】

【CSS実行コード】

p{
 background-color:#F2F8EE;
 font-size:30px;
 line-height:2;
 margin:0 0 -15px 0;
}

【実行結果】

上記のように、30pxのフォントに対し、line-heightが60pxであり、上下それぞれに15pxの行間ができるため、-15pxで打ち消せます。ただしフォントサイズによって変動するので注意しましょう。

HTML/CSSの学習方法は?

書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやエンジニアのコミュニティサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。

ただ、HTML/CSSに限らず、ITスキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。

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