ITパスポート試験とは【最新】メリットや難易度、合格率、勉強時間について解説

  • 2026.09.17
       
ITパスポートとは?難易度や合格率、取得のメリットを解説

ITの資格試験は技術者向けで、事務職や営業職には無縁の資格だと考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、昨今では私たちの生活やビジネスの現場においてITは切り離せない存在になっています。
AIやビッグデータといった新しい技術も登場し、多くのサービスや製品が生まれています。
このように、今では必要不可欠となったITに関する基礎知識を習得していることを証明できる国家資格です。
ITエンジニアを目指したいと考える初心者にとっても、資格の勉強を通じて情報処理を基礎から学べる ITパスポートは最適といえます。
本記事ではITパスポートについて基礎から解説します。

ITパスポート試験とは?

ITパスポート試験とは、経済産業省認定の国家資格で、ITを利活用する社会人に必要とされる基礎的な知識を有することを証明する資格です。同試験は経済産業省所管の独立行政法人「IPA(情報処理推進機構)」によって実施されており、12種類ある情報処理系技術者試験のうち最も簡単なエントリーレベルの国家資格であり、ITを利活用する人であればだれでも取っておきたい資格です。

引用元:情報処理技術者試験 試験要綱

ITパスポートは、ITエンジニアだけでなくITを利活用する誰もが情報処理に関する正しい知識を持つべきだという認識が広まったことで2009年4月に発足しました。そんな比較的新しい資格ですが、IT業界以外のさまざまな業界や場面でもITの知識が必要になってきた昨今ではますます受験者が増え、累計応募者数は260万人を突破(令和8年3月末時点)するなど、人気の高い資格になっています。

ITパスポートは情報処理の分野における入門編といった立ち位置であるのに加え、参考書や学習サイトが充実しているので、独学でも十分に合格を狙える資格です。

情報処理系技術者試験
「情報処理の促進に関する法律」に基づいて経済産業大臣が実施する、情報処理に関する知識や技能を問う国家試験。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
日本の IT 施策の一端を担う政策実施機関。所管官庁は経済産業省。

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【2027年度〜】ITパスポート試験の出題構成見直しについて

IPAは2027年度春頃から、情報処理技術者試験全体の制度見直しにあわせてITパスポート試験の出題構成を再編する方針を示しています。試験の名称や、120分・100問というボリュームに変更はない見込みですが、内容面で大きな見直しが予定されているため、これから学習を始める方は押さえておきましょう。

現行の「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」という3分野の区分は、新制度では「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」の3分野に組み替えられる予定です。あわせて、DXに求められるマインド・スタンスやデータマネジメントの基礎、AI時代に対応したセキュリティ・倫理などの内容が新たに強化されます。

2026年8月31日には、新試験制度のシラバス案とサンプル問題がIPA公式サイトで公開されました。最新の検討状況は新試験制度のシラバス案について、公開されたサンプル問題は新試験制度のサンプル問題についてのページで確認できます。
なお、詳細な制度設計は検討段階であり、今後内容が変更される可能性もあります。受験を検討している方は、IPA公式サイトの試験制度見直しページで最新の発表を確認しましょう。

ITパスポート試験の難易度は?

ほかの基本情報技術者試験応用情報技術者試験などの資格に比べて難易度が低いです。
令和7年度(2025年度)に実施された試験の合格率は48.6%でした。同じ情報処理系技術者試験である基本情報技術者試験の直近の合格率は30%台後半〜40%台で推移していることからも、ほかの試験に比べてかなり高いといえます。

全体としてはそのような割合になりましたが、内訳をみると社会人の合格率は約50.9%、学生の合格率は約40%となっており、社会人の合格率の方が高いのがわかります。これは、ITに関する知識だけでなく、ビジネス用語や経営に関する問題も出題されるため、実務経験のある社会人が有利だからです。そのため、学生は、ビジネス分野を重点的に学習することで合格の可能性が上がるでしょう。
引用元:令和7年度「iパス(ITパスポート試験)」の年間応募者数等について

ITパスポート試験の合格率は?

令和7年度(2025年度)の年間統計を以下に示します。

項目内容
応募者数307,266名
受験者数271,352名
合格者数132,012名
合格率48.6%
社会人の合格率約50.9%
学生の合格率約40%

年間応募者数は2年連続で30万人を超え、累計応募者数も260万人を突破するなど、依然として高い人気を維持しています。
参照:令和7年度「iパス(ITパスポート試験)」の年間応募者数等について

ITパスポートの取得をおすすめする理由

比較的難易度が低い
ほかの基本情報技術者試験応用情報技術者試験などの資格に比べて難易度が低く、比較的取得しやすい資格であるといえます。

ITの基礎知識を身につけられる
試験勉強を通して幅広い分野の基礎知識を総合的に習得できます。
ITパスポートはITエンジニアがスキルアップのために受ける試験というより、ITに関わるすべての人に向けて基礎知識を問う試験であると説明しましたが、出題される問題もセキュリティやネットワークに関する設問やAIやビッグデータ、IoTなどの最新技術に関する知識を問う設問のほか、マーケティングや財務、法務といった経営全般の知識、セキュリティやネットワークに関する知識、マネジメントの知識など幅広い分野の知識を総合的に問われます。
このように情報処理に関する基礎知識を体系的に学ぶことで、たとえばクライアントや社内の情報システム部門と円滑にコミュニケーションをとれるようになるなど、ビジネスのさまざまな現場で活かせます。

就職で有利になる場合もある
ビジネスでもITの知識が重視され、あらゆる業界の多くの企業で IT に関する基礎知識を備えた人材を求めるようになってきました。そこでITパスポートが有効にはたらきます。
なお、ITパスポートの出題内容はITエンジニアであれば身につけていて当然の範囲であるため、IT系職種やITエンジニアにとっては資格取得そのものが評価に直結しにくい面もあります。ただし、言い換えればこれは、ITエンジニアになるなら知っておくべき内容が詰まっているということです。当然持っていて損はありませんし、ITエンジニアになりたいけどどこから始めるべきかわからないという人には最適の学習だといえます。

また、エンジニア以外の事務職や営業職の就職でも評価されることがあります。
事務職や営業職でもPCやネットワークに触れる機会が増えています。そんななかで、IT の知識を持っておけば PC スキルの証明として役立つこともあるそうです。
また、IT とは縁遠い人でITに対する苦手意識がある場合でも IT の基礎の部分に触れることで苦手意識が軽減するきっかけにもなるでしょう。

ITパスポートの関連資格は?

初級システムアドミニストレータ試験(2009年に廃止)
ITパスポート試験について調べているとよく名前が上がる試験です。
この資格は ITパスポートの前身にあたる試験で、ITパスポートと基本情報技術者試験を融合したような試験でした。ただ、基本情報技術者試験と類似する要素が多かったため、ユーザ向けの部分をITパスポート試験として分離させ、その残りを基本情報技術者試験に統合させる形で廃止されました。

ITパスポート試験の概要

項目 内容
試験時間 120分
出題数 100問
出題形式 四肢択一式
試験方式 CBT(Computer Based Testing)方式
出題分野 ストラテジ系(経営全般):35問程度
マネジメント系(IT管理):20問程度
テクノロジ系(IT技術):45問程度
合格基準 総合評価点600点以上かつ各分野別評価点300点以上
総合評価点
600点以上/1,000点(総合評価の満点)
分野別評価点
ストラテジ系  300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
マネジメント系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
テクノロジ系  300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
採点方式 IRT (Item Response Theory:項目応答理論) に基づいて解答結果から評価点を算出
受験料 7,500円(税込み)
試験日 随時

試験時間と問題数
試験時間120分に対し、出題数は100問です。
記述式の設問はありませんが、計算問題があり、1つの問題に時間をかけすぎてしまうと最後まで解ききれない可能性が生じてしまうので注意しましょう。

出題形式と試験方式
ITパスポートはCBT(Computer Based Testing)方式といってコンピュータに問題が表示され、マウスやキーボードで操作して回答を入力していく試験方式を採用しています。四肢択一式で記述式の設問はありませんが、計算問題もあるため、時間配分には注意が必要です。

前提条件
前提条件は特にありません。年齢や国籍による制限もなく誰でも受けることができます。
2022年4月には7歳の合格者が出たとIPAから発表があり話題になりました(詳細はIPAのプレス発表を参照)。

出題分野
出題分野は以下の表を参照してださい。
より詳しい出題分野に関してはITパスポート試験 試験内容・出題範囲で確認できます。

出典:ITパスポート 試験内容・出題範囲

ストラテジ系とは
経営の基本から法務、また、経営戦略やマーケティングといった経営全体について問われる分野で35問ほど出題されます。著作権や個人情報保護といった法務に関する設問も多いため、関連用語などを重点的に覚えるようにしましょう。

マネジメント系とは
プロジェクトマネジメントやサービスマネジメントといったIT管理に関する問題でマネジメント系からは20問ほど出題されます。システム開発の手法や流れ、プロジェクトの管理、システム監査の流れなど手をおさえておきましょう。

テクノロジ系とは
ITの基礎となる 2 進数などの基礎理論からコンピュータの構成、アルゴリズム、セキュリティ、ネットワーク、データベース、セキュリティまでIT技術に関する問題が45問ほど出題されます。

合格基準と採点方式
1000点満点中600点以上で合格となります。
ただし3つの分野でそれぞれ3割以上取得していることが条件となります。

受験料と決済方法
受験料は7,500円(税込み)で、クレジットカードやコンビニ、バウチャーチケットでの支払いが可能です。

試験日と試験会場
ITパスポート試験はほかの情報処理技術者試験とは違い、全国のCBTテストセンターで年間を通じて随時実施されているため、自分にとって都合のいい場所やタイミングで受験できます。
試験日・開催頻度は会場ごとに異なりますが、各会場で最大3か月先までの空席状況が確認でき、空席があれば前日まで申し込みが可能です。都市部の人気会場は早めに埋まりやすいため、余裕をもった申し込みがおすすめです。
試験会場はITパスポート試験 試験実施会場一覧から参照してください。

なお、現行のCBT方式による試験は2026年12月28日以降、実施が一時休止される予定です(会場によっては12月27日より前に受付を終了する場合があります)。2027年1月以降の再開時期は2026年秋頃にIPA公式サイトで案内される見込みのため、受験を予定している方はIPA公式サイトの最新情報を必ず確認してください。

受験申し込み方法

CBT方式を採用する ITパスポート試験の申し込み方法は、ほかの情報処理技術者試験と異なります。

利用者ID登録ページから利用者IDを登録する
② 登録したIDでログインし、メニューから「受験申込」を選択する
③ 希望の試験会場、試験日程を選択する
④ 決済方法を選択し、申し込む

受験当日はメールで送付された確認票を印刷したものか受験番号、利用者ID、確認コードの控えを持参します。

受験当日の流れと注意点

試験開始の30分前から受付がはじまります。
直前になると混み合う可能性もあるため、余裕をもって会場に向かいましょう。
受付では、確認票と顔写真付き本人確認書類を提示します。
※公的証明でかつ有効期限内のもの (コピー不可)
受付を終えたら受験用のPCに受験番号、利用者ID、確認コードを入力しログインします。

結果発表と合格証書

試験終了直後に、画面上でスコアと試験結果レポートが表示され、自己採点の目安を確認できます。
そのうえで、受験月の翌月中旬頃にIPA公式サイトで合格者の受験番号が掲載され、正式な合格発表となります。
合格証書は、正式な合格発表からさらに半月〜1か月ほど後(受験月の翌々月上旬頃)に簡易書留で発送されます。具体的な発表日・発送日はITパスポート試験 合格発表のページで確認できます。

ITパスポート取得に必要な勉強時間

取得にかかる時間はその人が普段からどの程度PCに触れているかによって異なります。

初学者の場合
一般的には、初学者が合格までにかかる勉強時間の目安は約180時間といわれています。1日2時間の勉強だと3か月ほどで合格を目指せます。略語や英語、カタカナ語が多く出てくるIT用語を理解するのは簡単ではありません。わからない箇所はその都度調べて1つ1つ丁寧に用語を覚えていくことが重要です。

情報系の勉強経験がある場合
情報系の学生やIT系企業の従事者など情報処理に関する基礎知識がある人は約100~150時間の学習で合格を目指せるといわれています。
まず、試験範囲を見て知らない分野がないかをチェックしましょう。用語を知らなければ答えようがない問題も多く存在するので注意が必要です。

ITパスポート試験の過去問

ITパスポート試験の過去問は公式で公開されています。

過去問題(問題冊子・解答例)

模擬試験を体験しよう

本試験の模擬試験を体験できるソフトウェアが、公式から公開されています。
CBT疑似体験ソフトウェア
年度ごとに公開問題が100問収録されていますので、活用して本番に備えましょう。

終わりに

ITパスポートの試験勉強を通して情報処理の基礎知識を身につけることができ、よりITを活用できるようになるでしょう。エンジニアを目指す人にもそうでない人にも取得をおすすめする資格です。

ITパスポートの勉強方法

書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやエンジニアのコミュニティサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。

ただ、ITパスポート試験に限らず、ITスキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。

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