APIとは?仕組みやメリット、事例、利用方法について解説

  • 2024.02.01
       
APIとは?仕組みやメリット、事例、利用方法について解説

API は身の回りにあるさまざまなシステムに用いられているため、耳なじみがなくとも、あなたもすでに利用しているかもしれません。

企業や店舗の Webサイトで所持地が略図ではなく Google Map になっているのを見たことがありませんか?
まるで Google Map を操作しているかのようにスムーズに地図の拡大や移動ができますが、これも API あってのものです。API は社会の発展に寄与する存在であり、大手テクノロジー関連企業である IBM社の試算によると API の活用による経済効果は 2018年では 2兆2000億ドル(264兆円)とも予測されたほどです。

今回はそんな API について詳しく解説していきます。

APIとは?

API とは、Application Programming Interface の頭文字をとったもので、ソフトウェアの機能を公開することで、別のソフトウェアでもその機能を利用できるようにする窓口(の使い方に関する決まり事)のようなものです。
つまり、API を公開するというのは、ソフトウェアにAPIという外部とのやりとりをする窓口を作ることで、ほかのソフトウェアと連携できる状態にすることをいいます。
これではよくわからない人もいると思うので詳しく説明していきます。

まず、API がインタフェースということから説明します。この「インタフェース」には「何か」と「何か」をつなぐものという意味があり、USBやイヤホンジャックなんかも「PC」と「周辺機器」をつなぐものなので、インタフェースの一つであります。API も「アプリ(ソフトウェア)」と「プログラム」をつなぐものという意味で、ルールに則り、「サービスを集めたい、データを集めたい」と考える API 提供者と「機能を使いたい」と考えるAPI利用者とをつなぐ役割を果たします。

ここらからは具体例を出して説明します。
最も身近なもので言うと、Webサイトで新規登録する際、Facebook や Google のアカウントで簡単に登録できるシステムがありますよね。
これは Webサイトがサービスを利用できるように Facebook や Google の API を連携させているのです。

しかし、これはほんの一例で、ほかにも Amazon や Twitter をはじめとした多くの企業が用途によってさまざまな API を公開しています。
API によって異なるソフトウェア間で認証機能やチャット機能を共有したりデータの取り込み、解析できたりするようになります。API は基本的にWeb上に無料で公開されており、誰でも利用できます。ただし、機能を事態は利用できても、内部のコードまでは公開されておらず、外部からは機能の使い方や仕様がわからないため、使用ルールも併せて公開されています。

ソフトウェア間に互換性を持たせることで開発者だけでなく利用者にとっても機能性が上がり、利便性が向上します。また、API を提供する側・享受する側、双方にとってメリットを生むのが API の狙いです。

APIには多くの種類がある

一口に API といっても、多くの種類があり、作成するアプリによって、ビジネス用や教育用、SNS 用など、さまざまな API が用意されています。

APIとWebAPIの違い

WebAPI ではない API のほとんどは、利用者側が扱うプログラミング言語と同じもので提供されます。一方で、WebAPI では異なる言語でも通信が可能で Web上でも稼働する HTTP/HTTPS 方式が採用されています。

ただ、Web上の通信で利用できる WebAPI が多いため、API というとほとんどの場合「WebAPI」を指していることが多いです。

API連携の仕組み

API を利用するにはソフトウェア間で「リクエスト」と「レスポンス」を行う必要があります。API の利用者が API を呼び出し(リクエスト)、API 提供者がレスポンスすることでデータを取得することで利用できます。

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APIのメリット

効率的に開発できる

実装したい機能がAPIですでに公開されている場合、そのプログラムと連携することで、プログラムを自分で 1から作る必要がなく、結果的に開発効率を上げられます。それにより、他の工程に時間を割けるので、多様性も生まれやすいといえます。
また、API は無料で公開されているものがほとんどなのでそれを利用すれば、開発コストの大幅な削減も可能です。

ECサイトでのクレジットカード情報の入力や決済サービスも、カード会社の API を連携させることで簡単に実装可能です。

データを二次利用できる

API として公開されている情報は他社サービスのデータも利用でき、さまざまな分野で活用できます。情報の分析も容易になり、分野や業界に特化した分析が可能になるため、そこから新しいビジネスにつながるケースもあります。

サービス利用者の利便性が向上する

あるサービスでアカウント登録していれば、ほかの同じ特徴を持つサービスにもメールアドレスやパスワードを入力せずともログインできるという機能によって、サービスごとに面倒な手続きをせずに済みます。
このようにAPI を利用することでユーザの利便性が向上し、UX(顧客体験)が向上するためユーザの増加も見込めます。

セキュリティが向上する

Facebook や Twitter、Google 等のAPIキーを取得することで、一から会員登録システムを自作せずとも自社サービスでセキュリティ面が強固なログイン機能を利用できます。すでにあるセキュリティレベルの高いシステムを使うことで、自社サービスのセキュリティ性を高く維持できるだけでなく、サービスを利用するユーザは会員登録を省けるという利点もあります。

最新情報を取得できる

API を使えば、各サービスの最新情報を更新せずとも取得、利用が可能になります。
例えば、自社サイトでアマゾンの商品を販売した場合、アマゾンでの販売価格が変わったとしても API を連携によって情報を取得していれば、販売価格が自動で反映されます。
ほかにも、Instagram に投稿したら Facebook にも自動で投稿するといった設定も API の連携によるものです。

APIの事例

Google Map API
冒頭で先述しましたが Google Map API は、Webサイト上で Google Map の機能を埋め込むことができる WebAPI です。これを利用した Webサイトでは、まるで Google Map を操作しているようにスムーズに地図の拡大/縮小や遷移できるのです。
Google社はほかにも「Gmail」「Google Analytics」「Google Cloud 」など多くの API を無料で公開しています。

LINE API
Line が公開している API には「Lineログイン」や「LINE Messaging API」などコミュニケーションに役立つ機能が豊富にあります。

YouTube API
YouTube API は、YouTubeに関する情報を得られる WebAPI が 3種類公開されています。動画の再生数やいいね数、コメントなど、動画に関する情報が取得できる「YouTube Data API」、動画の解析が行える「YouTube Analytics and Reporting API」、Webサイト上で YouTube の再生プレイヤーを埋め込んで表示できる「YouTube Player API」です。
YouTube API の認証情報の設定は、Google Cloud Platformで行うため Google アカウントを取得しておく必要があります。

Amazon API
Amazon API には、納品・出荷手続きに関する情報が管理できる大口出品者向けの「Amazon MWS API」、価格や在庫、レビューといった商品に関する最新情報が照会できるアフィリエイター向けの「Amazon Product Advertising API」があります。

Twitter API
Twitter API を利用すれば、投稿やリツイート、いいねといったアプリ版と同じ操作だけでなくアプリ版では不可能な自動投稿もできるようになります。

PayPal API
PayPal API は、Webサイトから簡単に決済できる WebAPI です。
画面遷移せずに PayPalアカウントにある登録情報を呼び出して決済できるため、ECサイトで用いられています。

Instagram Graph API
Instagram Graph API を利用すれば、Webサイト上に Instagram の投稿を埋め込むことが可能です。そのため、Instagram の投稿が更新されれば Webサイト上でも自動更新され更新されます。これを実装するには、Instagram の Proアカウントと Facebookページが必要になります。

APIの利用方法

1.  アプリをAPIサイトに登録する
APIを公開している企業の専用サイトにアクセスし、自社のアプリ情報(アプリ名、アプリのドメイン名)を登録することでAPIにアクセスするサービスを登録でき、連携できます。

2.  APIキーとシークレットを取得する
誰でも利用可能である一方でセキュリティ面に注意が必要です
APIを利用する際はセキュリティ向上のために「APIキー(APIを利用するための識別子)」と「シークレット」を取得する必要があります。

3.  アプリに設定する
取得した「APIキー」と「シークレット」をアプリ側に設定することで外部からのログインできなくなり、不正アクセスを防げます。スムーズにAPIを自社サービスに導入するにはHTMLやCSSといったプログラミング言語の知識が必要になります。

4.  説明書(リファレンス)にそって実装する
機能について理解を深め、機能を実装していきます。

APIをサービスに取り入れて利便性の高いサービスを作成しましょう!

APIの学習方法

インターネットで学ぶ
インターネット環境があれば学べるという手軽さという点で初心者向けの学習方法です。

書籍で学ぶ
API を扱った書籍は多く存在します。
ただ、読んで理解するだけでなく、実際にAPIに触れながら学んでいくことが大事です。

プログラミングスクールで学ぶ
インターネットや書籍などの独学ではよくわからないという人向けの学習方法です。
API を活用するには、それだけでなく Webアプリや Webサイトを作成するスキルなども必要になってくるので基礎からしっかり学びたいという人にはおすすめです。
弊社でもプログラミングスクールを開講しているので、興味のあるかたはこちらをご覧ください。

     

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