生成AI(ジェネレーティブAI)とは?仕組み・種類・活用例を解説

  • 2023.11.02
       
生成AI(ジェネレーティブAI)とは?

生成AIとは?

生成AIとは、主にディープラーニング(深層学習)で構築された大規模な機械学習モデルの一つで、学習済みのデータを活用し、テキストや画像、音声、動画、プログラムコードなど、新しいコンテンツを生み出すAI(人工知能)です。専門知識が不要で利用できるので近年注目を集めています。事前に学習した膨大なデータから人間が作るような文章や絵を生成できます。

生成AIが注目される背景

近年のAI開発においては、コンピュータの処理能力が向上し学習できるデータ量が増えたことで、モデルの精度が高まり、ビジネスに活用できるレベルまで回答の精度が向上しました。それにより、AIが自然な文章や画像を生成できるようになりました。

そんな生成AIが注目される背景には、OpenAI社の提供するテキスト生成AI「ChatGPT」の存在が大きく影響しています。また、それと同時期に注目された画像生成AI「Stable Diffusion」や「Midjourney」も生成AIブームを後押ししています。

また、これまでは、AIを活用するには専門的な知識が必要となるうえに、業務に活用できる範囲も限られていました。その点、生成AIには「誰でも簡単に利用できる」という特長があり、業務はもちろんのこと、趣味などにも幅広く活用できることで注目を集めるようになりました。

従来のAIとの違い

従来のAIは、学習済みのデータをもとに適切な回答を予測し、既存のコンテンツを提示します。それに対して、生成AIは「0からデータを生成する」という性質を持っており、学習済みのデータをもとに回答を予測するのではなく、新たにオリジナルのコンテンツを生成します。データを創造することを目的としてAIが自ら学習し続け、人間が与えないデータをインプットしながらデータのパターン(特徴)を学習します。

従来のAI生成AI
学習データの整理・分類データのパターン・関係性の学習
アウトプットの目的データの特定・予測データの創造
ビジネスでの用途特定業務の自動化新しいコンテンツの生成
学習データ具体的なデータセット構造化されていないデータセット

生成AIの仕組み

生成AIはプロンプト(指示文)をもとに、学習済みのデータからパターン(特徴)を抽出し、適した回答を導出する仕組みになっています。これは、データからパターンを自動的に見つけだす技術「深層学習(ディープラーニング)」が用いられています。ディープラーニングとは機械学習の手法の一つで、学習済みのデータからAIが自ら適した回答を導き出します。

生成AIの種類と活用例

生成AIにもさまざまな種類があります。そのなかでも代表的な生成AIの種類について紹介します。

テキスト生成

テキスト生成AIは、「プロンプト」という指示文を入力するとAIが内容を解析し、自動的にテキストを生成します。自然言語処理ツールであり、チャットスタイルで、質問への応答、長文要約、翻訳、電子メールやコードの作成、小説の創作、アイデア出しができるなど、まるで人間を相手にしているかのように、自然なやりとりができます。具体的にはOpenAI社のChatGPTやGoogle社のBard、Microsoft社のBing AIなどがあります。

また、これを応用することで、プログラムコードの生成ができたり、エラーの出るコードから誤っている箇所を修正してもらうといったこともできます。

画像生成

画像生成AIは、テキストで指示するとそこから連想されるオリジナルの画像を生成します。代表的なものにはGoogle社のStable DiffusionやOpenAI社のDALL・E2、ほかにもCanva、Midjourneyなどがあり、デザイン業界でも活用が期待されています。

3Dモデル生成

画像生成AIと同様に、3Dモデル生成もテキストで指示するとそこから連想される3Dモデルを生します。代表的なものにはGoogle社のDreamFusionやStable Diffusionを応用したStable-DreamfusionやOpenAI社のPoint-Eなどがあります。

音声生成AI

音声生成系AIは、音声やテキストで指示すると新たな音声を生成します。たとえば、ある一人の人の声を学習させることで、その声で、入力したテキストや別の人が発した声をまるでその人が話しているような音声を生成できます。これを活用すれば本人の声を収録せずともナレーション音声を作成したりアバターに音声を付けたりできます。代表的なものにはVoicevoxやCoeFontがあります。

また、先ほどのテキスト生成との組み合わせることで、音声を認識してテキストとして出力する「文字起こし」もできます。前後の文脈からふさわしい単語を選択してテキストに変換できます。会議の議事録作成などで活用されています。

動画生成

動画生成AIは、テキストで指示するとそこから連想される動画を生成します。映画の吹き替え版で登場人物の口の動きをAIで生成して合成するという活用もされています。動画生成は生成AIのなかでも難易度が高い分野です。実際、現時点では長尺動画の生成は難しく、数秒ほどの映像にとどまっており、その活用は限定的となっています。しかし、将来的には長尺の動画の生成も可能になることが期待されています。代表的なものにはRunway社のGen-2などがあります。

生成AIを活用するメリット

生成AIを使えば、新しいデザインや音声、動画などが自動生成されるので、効率的にアイデアを創出できます。生産性が向上し、コストの削減や担当者の負担の軽減につながります。また、生成AIを活用してサービスを打ち出す場合、ユーザ個人の好みや傾向を学習し、パーソナライズされたコンテンツ、ユーザにとって最適で価値の高いコンテンツを提供でき、顧客満足度を向上できます。

生成AIの注意点

生成AIを利用するうえで注意すべき点もいくつか存在します。

誤情報や攻撃的な内容が提示される場合がある

生成AIが提示する情報が必ずしも正確であるとは限らないということに注意が必要です。生成AI特有の「ハルシネーション(幻覚)」という現象があると言われています。たとえば、テキスト生成AI多くは、Googleなどの検索サイトから情報を抽出し、これまでの学習で培った膨大なデータをもとに、もっともらしい情報を生成することがあります。そのため、回答を鵜呑みにせずに、必ず「ファクトチェック(=その情報が正しいか、真偽を調べる)」を行いましょう。

小説やスピーチといった、情報の正確性を求めないものであれば問題ありませんが、正確なデータを示す必要のあるプレゼン資料やメディア記事ではファクトチェックを徹底しましょう。

また、倫理観を欠くケースも報告されています。正確さを求める場合はかならずファクトチェックを行いましょう。

専門領域には対応できない場合がある

専門性の高い分野の質問には対応できていないケースも多いといわれています。

情報漏洩のリスクがある

サービスを利用することで「情報漏洩」が起こりうるということは念頭に置いておかなければなりません。なぜなら、AIに投げかけた質問や提示したデータは全てAIの学習済みデータとして蓄積されるので、第三者に対するテキスト生成を通じてデータが漏洩する可能性も発生するためです。そのため、機密情報を書いてしまうと、自分以外のユーザに反映される可能性もあるなど、漏えいの可能性があります。企業によっては生成AIの使用を制限するところもあります。

実際、韓国の大手企業であるサムスン社では、社員がChatGPTに実用のソースコードや会議の録音データなどの、社外秘とされる機密情報を載せてしまったことで情報漏洩が発生しました。
この事態が発生したことでサムスン社はChatGPTにプロンプト(指示文)を1,024バイトに制限するよう要請しました。こういった情報漏洩の危険性をはらんでいるのでAIチャットに情報を載せる場合はそのなかに機密情報が含まれていないか必ず確認するようにしましょう。

まとめ

生成AIの活用により、仕事の効率は格段に向上するでしょう。AIに任せる部分と人の能力を発揮すべき部分を分けることで、よりクリエイティブな業務に集中でき、アウトプットの質や量を高められます。さまざまな活用方法のある生成AIですが、まずはいろいろいじってみるのがおすすめです。まだ正確性や精度は伸びしろがありますが、人がゼロベースで作業するよりも効率を上げられるので、うまく活用していくのがいいのではないかと思います!

このように、生成AIは人間の業務や生活を幅広くサポートする技術として今後ますます活用されていくでしょう。無料で気軽に利用できるものもあるので試しに触ってみることをおすすめします。

【厳選】無料AIチャットおすすめ6選!活用のコツ・注意点を解説

生成AIの勉強方法は?

書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやエンジニアのコミュニティサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。

ただ、生成に限らず、ITスキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。

プログラミングスクールならテックマニアがおすすめ!

ITスキル需要の高まりとともにプログラミングスクールも増えました。しかし、どのスクールに通うべきか迷ってしまう人もいるでしょう。そんな方にはテックマニアをおすすめします!これまで多くのITエンジニアを育成・輩出してきたテックマニアでもプログラミングスクールを開講しています。

<テックマニアの特徴>
・たしかな育成実績と親身な教育 ~セカンドキャリアを全力支援~
・講師が現役エンジニア ~“本当”の開発ノウハウを直に学べる~
・専属講師が学習を徹底サポート ~「わからない」を徹底解決~
・実務ベースでスキルを習得 ~実践的な凝縮カリキュラム~

このような特徴を持つテックマニアはITエンジニアのスタートラインとして最適です。
話を聞きたい・詳しく知りたいという方はこちらからお気軽にお問い合わせください。

関連記事

     

Otherカテゴリの最新記事