Debianとは?特徴やUbuntuとの違い、インストール方法を解説

  • 2024.07.05
       
Debianとは?特徴やUbuntuとの違い、インストール方法を解説

Debianは世界有数のLinuxディストリビューションの一つです。人気のLinuxディストリビューション「Ubuntu」もこのDebianをベースとして開発されました。本記事では、Debianについて、特徴やUbuntuとの違いなどを中心に解説します。

Debianとは

Debianとは、LinuxOSを利用しやすくした頒布形態「Linuxディストリビューション」の一つで、正式名称は「Debian GNU/Linux」です。オープンソースのソフトウェアとして無償で提供されています。コミュニティ主導であることや独自のパッケージ管理、ユーザフレンドリーであるという特徴から大きなシェアを占めています。

DebianはLinuxディストリビューションの中でも歴史が古く、1993年8月にIan Murdock氏が「Debian Manifesto」を開発したのが始まりです。30年以上がたった現在では、世界中の1000人近くいる有志のプログラマ「Debian Project」によってサポートされており、世界有数のオープンソースソフトウェアになっています。

ディストリビューションとは

ディストリビューションとは、「配布物」という意味があるとおり、用途に合わせてLinuxカーネルに必要となるアプリケーションやユーティリティをカスタマイズしたものを一つのアプリケーション(ソフトウェア)としてパッケージ化したものです。外部に公開・配布することができます。

Linuxとは

Linuxはオープンソースといって世界中に公開されている無料のソースコードです。
誰でも入手でき、中身も自由に書き換えられるため、多くのユーザが目的に合わせて編集・再配布したことで、今では多くのディストリビューションが存在しています。

Debianベースの派生ディストリビューション

Linuxを使うのに必要なアプリケーション(ソフトウェア)や機能を1つのパッケージにまとめたディストリビューションは数多く存在すると説明しましたが、そのなかでも大きく分けると、RedHat系、Debian系、Slackware系の3つが代表的です。

Linuxのディストリビューションは大きく分けると、商用ディストリビューションとして有名なRedHat系、パッケージ管理の点で評価が高いDebian系、シンプルさが特徴で安定性、セキュリティ体制、速度で評価が高いSlackware系の3つに分けられます。

RedHat系
RedHat社の開発するディストリビューションです。安定した設計がなされているため、サーバに適したディストリビューションとなっています。RPMという独自のパッケージ管理システム(※後述)が備わっており、管理者の強い味方として、企業で用いられることが多いです。

Debian系
Debian Linuxから派生したディストリビューションです。世界中の有志で開発を進めているディストリビューションで、100%フリーソフトをポリシーとして掲げているのが最大の特徴です。コミュニティが発達しており、情報も得られやすいです。Deb形式のパッケージ管理システムが備わっています。無償で手軽ということもあり、個人や大学などの教育機関で使用されることが多いです。

Slackware系
Linuxディストリビューションの中でも最古のSlackware Linuxから派生したディストリビューションを指します。シンプルな作りを貫いており、自動化された部分も少なく、ソフトウェアの追加導入やライブラリの管理など、ユーザ判断に任せる部分が多く、カスタマイズしやすい反面、初心者には難しいというのが特徴です。

用途や目的に合わせてディストリビューションを選びましょう。数あるディストリビューションのなかでも「Ubuntu」や「Linux Mint」がインストールや設定が容易で多くのアプリケーションが事前にインストールされており、手軽に利用できるため、初心者におすすめです。

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Debianの特徴

独自のパッケージ管理

Debianのパッケージ管理はRedHat系のrpm形式と異なる独自のルールがあります。Debianはdeb形式、パッケージマネージャではAPTを採用しています。これによって依存関係が解消し、アップグレードやインストールを簡略化できます。

無償で利用できる

Debianはオープンソースで提供されているため、周辺ソフトも含めてだれでも無償で利用できます。有料のLinuxディストリビューションがある中でDebianは大きな味方となるでしょう。

また、オープンソースであるため、利用だけでなく、改変や再配布も無料で行えます。
Debianは1,000人以上の開発者で構成されるDebianプロジェクトに加えて1,000 人以上のボランティアによって開発が進められています。

数多くのソフトウェアパッケージ

Debianには60,000種類を超える豊富なソフトウェアパッケージが用意されており、幅広い用途や多くのハードウェアに対応するなど、非常に実用的です。

充実のサポート

Debianは公式のサポートにも力を入れており、不明点があった場合でも解決しやすいディストリビューションになっています。

日本語対応

Debian日本語対応プロジェクト(Debian JP Projet)によって、日本語でDebianを利用できるようになっています。

DebianとUbuntuの違い

Ubuntuは、Debianをベースtおして開発されたLinuxディストリビューションです。ここからは、DebianとUbuntuの違いについて紹介します。

DebianUbuntu
提供形態オープンソースオープンソース/商用ソース
開発理念安定性を重視最新機能を重視
開発者Debiun Project(有志団体)Canonical社
リリース安定版/テスト版/不安定版LTS版/最新版
リリース頻度約2年毎(不定期)半年毎
操作方法マウス操作/キーボード操作マウス操作中心
サポート期間安定版:約3年
LTS:2年
LTS:5年
エディションデスクトップ版デスクトップ版
デスクトップ環境あり・なしを選択可能あり

Ubuntuとは

UbuntuとはDebianをベースに開発されたLinuxディストリビューションです。
オープンソースであるLinuxには多くのディストリビューションがありますが、なかでもUbuntuは、特に人気があります。

UbuntuはDebianをベースとして開発されていますが、両者には違いがあります。

GUIユーザフレンドリー

Debianも十分ですが、Ubuntuはよりユーザフレンドリーといえます。インストール時は数回のマウス操作でインストールが完了します。また、LiveDVDで起動するためインストール前に動作確認できます。ほかにも、GUIをマウス操作のみで作業できます。

DebianはCUIのインストーラが起動してウィザードに従ってインストールします。CUIは一見難しそうですが、カーソルキーとエンターキー、適宜文字列の入力といった簡単な作業になります。また、インストール時にデスクトップ環境を選ぶことができます。ターミナルにおいてはDebianが使いやすいです。

要求されるコンピュータリソース

Debian

デスクトップなし

最低メモリ:128メガバイト
推奨メモリ:512メガバイト
HDD空き容量:2ギガバイト

デスクトップあり
最低メモリ:256メガバイト
推奨メモリ:1ギガバイト
HDD空き容量:10ギガバイト
デスクトップなしだと低いスペックでも動作するのが分かります。デスクトップありでは要求されるスペックは上がりますが、インストールの時点で、デスクトップ環境やウィンドウマネージャなどを選択できるようになっているため、Ubuntuよりは少なくなると考えられます。

Ubuntu

デスクトップエディション

CPU:Pentium4(1GHz)
推奨メモリ:1ギガバイト
HDD空き容量:10ギガバイト

リソース要求が大きく思われますが、これはインストール時にデスクトップ環境を一式でインストールするからです。インストール時に質問項目が少ない、パッケージのインストール項目を問われないのもデスクトップとして使用するという前提条件があるためです。

開発者

Debian

Debianは有志のコミュニティ主体で開発されており、安定性を重視した堅実な開発が行われています。アップデートの頻度は高くなく、安定的でゆとりのあるリリースを行っています。

Ubuntu

オープンソースですが、その成果物を商用にしても問題ありません。Ubuntuはカノニカル社による支援を受けて開発しています。最新機能を重視して開発されており、リリースは半年に一度と、Debianに比べてリリース間隔は非常に短いです。

エディション

Debian

Debianは約2年ごとに安定的なリリースをしています。汎用的で用途を分けずにユーザに選択肢を与え、ユーザにゆだねる形で自由にユーザ自身で構築していけるような構造になっています。

Ubuntu

Ubuntuにはデスクトップエディション、サーバエディション、通常サポート版、ロングサポートのLTS版と多くのエディションが存在します。ほとんどのユーザはUbuntuをデスクトップとして利用しますが、サーバエディションもあります。これはインストーラがDebianと同様にCUIであり、サーバ構築の手間を削減することに重点が置かれています。また、通常エディションに加えて、5年保証の長期間の使用に向くLTS版もリリースされています。

安定性を求める場合はDebian、最新の機能を求める場合はUbuntuが適しています。

Debianの用途

Debianは、その安定性と汎用性から、幅広い用途で利用されます。

  • Webサーバやメールサーバなどのサーバ用途
  • プログラミングやソフトウェア開発の開発環境
  • 組み込みシステム

Debianが適す場合

次のような場合にDebianが適します。

  • 無料で利用したい
  • 日本語で利用したい
  • 安定性を求める

Debianの入手方法

Debianのインストール方法を3パターン紹介します。

インストールイメージをダウンロードする

最も一般的な方法です。Debianの公式サイトからインストールファイルをダウンロードし、USBやDVDなどに焼いてインストールする方法です。

インストール済みの製品を購入

コンピュータに元からDebianがインストールされているものもあるのでその製品を購入するという方法もあります。

Debianメディアを購入する

オンライン環境がない場合はベンダーからDebianメディアを購入し、自身のコンピュータにインストールするという方法もあります。

Debianのインストール手順

インストールイメージをダウンロードする方法でインストール手順を紹介します。

1.  公式サイトにアクセスする
Debianの公式サイトにアクセスします。

2. ISOファイルをダウンロードする
ISOファイルをダウンロードし、コンピュータ内に保存します。

3. インストールメディアを作成する
CDやDVD、USBメモリなどを使用し、ISOファイルからインストールメディアを作成します。

4. メディアのセット・初期設定を行う
インストール用のメディアをからコンピュータを起動します。

5. rootユーザ設定を行
Linuxの利用で必要となるrootユーザのパスワード設定をします。

6. インストールを行う
セットアップ後に自動でインストールが行われます。デスクトップ画面が表示されたら完了です。

2024年7月現在での最新版は2024年6月29日にリリースされたDebian12.6(コードネーム「bookworm」)です。
Debianには、用途やサポート体制によって分けられています。一般的には安定版を利用することをおすすめします。

ほかのディストリビューション

【早見表】ディストリビューション・特徴

ディストリビューショ名          特徴有償/無償パッケージ形式
RHEL・高性能で安定性が高く、大規模サーバにも対応できる
・サポートが充実している
⇒商用サーバ向き
有償RPM
CentOS・RHELを基に開発されたRHELのクローン
・性能や安定性はRHELと遜色ないが、有償部分(サポートサービス)は付かない
⇒サーバ向き
無償RPM
Fedora Core・先進機能を実験的に取り込んだディストリビューション
⇒比較的デスクトップ用途向き、特に先進機能に触れたい人には◎
無償RPM
Debian・安定性やセキュリティ性が高い
・対応パッケージ数が豊富
⇒幅広い用途、比較的サーバ向き
無償deb
Ubuntu・安定性やセキュリティ性が高い
・柔軟なカスタマイズが可能
・高頻度アップデートで常に最新
⇒デスクトップ用途向き
無償deb
Slackware・必要最低限で管理方法がシンプル
・柔軟なカスタマイズが可能
・安定性やセキュリティ性が高い
⇒デスクトップ用途向き、上級者向け
無償
Gentoo Linux・パッケージ管理システムがPortageでソースコード入力を必要とする
・柔軟なカスタマイズが可能
⇒デスクトップ用途向き、上級者向け
無償Portage

ITスキルの習得方法は?

書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやエンジニアのコミュニティサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。

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