【VBA入門】Copyメソッドでシートのコピーと移動を自動化する

  • 2024.12.13
       
【VBA入門】シートのコピーと移動を自動化する

Exelで作業をする時、シートを複製して使いたいことはよくあるかと思います。

ですが、いくつものシートをコピーする作業を毎回手作業でやっていては大変ですし、どこかでミスをする可能性もありますよね。

そういうときこそVBAでマクロを組むことで、効率的かつミスなく作業を終わらせることができます。

そこで今回は、効率よく作業するためにVBAでシートをコピー・移動する方法について解説していきたいと思います!

VBAでシートをコピーするCopyメソッド

VBAでExcel上のシートをコピーするには、Copyメソッドを使います。

VBAのCopyメソッドは、おもに RangeオブジェクトのCopyメソッド (Range.Copy) と、WorksheetsオブジェクトのCopyメソッド (Worksheets.Copy) の2つがありますが、シートそのものを扱う場合は後者の方を使用します。

シート全体をコピーする

それでは、シート全体をコピーするWorksheetsオブジェクトのCopyメソッド(Worksheets.Copy)について、詳しい使い方を見ていきましょう。

まずは、シートそのものをコピーする基本的な方法について解説します。

Copyメソッドを使う場合は、基本的に以下のように記述します。

【基本構文】

Worksheets("シート名").Copy Before(またはAfter):="シート名"

指定したシート名のコピーを、=の後に記述したシート名の前後どちらかに作成します。Beforeが前、Afterが後ろです。この引数を省略した場合は、コピーしたシートを含む新しいブックとして作成されます。

【サンプルコード】

Sub sampleCopy()
 
 Worksheets("Sheet1").Copy Before:=Worksheets("Sheet1")
 
End Sub

【実行結果】

引数にBeforeを指定しているため、「Sheet1」の前にコピーしたシートが作成されています。

コピーした後にシート名を変更する

シートのコピーは上記の方法で対応できますが、ただコピーしただけでは名前が「”コピー元の名前(2)”」のままとなってしまいますので、基本的にはコピーした後に名前の変更も行うことになります。

そこで、VBAでシートの名前を変更する方法についても解説していきます。

シート名を変更するには、WorksheetオブジェクトのNameプロパティ(Worksheets.Name)を使用します。

サンプルコードで確認しましょう。

【サンプルコード】

Sub sampleChangeName()
 
 Worksheets("Sheet1").Copy Before:=Worksheets("Sheet1")
 ActiveSheet.Name = "Sheet1コピー"

End Sub

【実行結果】

先ほどのコードと同じようにシートをコピーした後、「ActiveSheet.Name」で変更したい名前を指定しています。
Copyメソッドでシートをコピーすると、コピー作成後に自動的にそのシートがアクティブ状態となるので、ActiveSheetプロパティを使用して取得することができます。

ブック内の先頭にシートをコピーする

複数シートがある状態でシートをコピーする際、コピー先の位置を常に先頭に指定したい場合があると思います。

その場合はどんなシート名であっても先頭に配置できるように、シート名ではなくシートのインデックス番号で指定しましょう。

【サンプルコード】

Sub sampleCopyBefore()
 
 Worksheets("Sheet1").Copy Before:=Worksheets(1)
 
End Sub

【実行結果】

ブック内の末尾にシートをコピーする

コピーの作成位置を末尾にしたい場合も、インデックス番号を使用してシートの指定を行います。

シートを後ろに追加する場合、固定の数値で指定を行ってしまうと、シートが増える度にコードを修正する必要が出てしまいます。そのため、この場合はWorksheetsオブジェクトのCountプロパティを使用して指定を行います。

サンプルコードで確認しましょう。

Sub sampleCopyAfter()
 
 Worksheets("Sheet1").Copy After:=Worksheets(Worksheets.Count)
 
End Sub

【実行結果】

複数のシートを一度にコピーする

Copyメソッドでは、複数のシートをまとめて指定することもできます。

一度に複数のシートをコピーする場合は、Array関数を使用します。

【サンプルコード】

Sub sampleCopyArray()
 
 Worksheets(Array("Sheet1", "Sheet2")).Copy Before:=Worksheets("Sheet1")

End Sub

【実行結果】

シートを別のブックにコピーする

これまでは、同一ブック内でのコピー方法を中心に説明してきましたが、別のブックにシートをコピーする方法についても解説します。

基本的な構文は先ほどまでと変わりませんが、コピーの作成位置を指定する際に、ブック名と合わせて指定を行います。

【基本構文】

Worksheets("シート名").Copy Before(またはAfter):=Workbooks("ブック名").Worksheets("シート名")

コピーする際は、あらかじめ指定のブックを開いておく必要があります。
それでは、サンプルコードで実際に動きを確認してみましょう。以下の3つのシートがあるブックの中から、「サンプル1」のシートを別のブックにコピーしてみます。

【サンプルコード】

Sub sampleCopyToBook()
 
 Worksheets("サンプル1").Copy Before:=Workbooks("Sample2.xlsm").Worksheets("Sheet1")

End Sub

【実行結果】

セルの値のみを他のシートにコピーする

今度は、シートを丸ごとコピーするのではなく、指定のセル範囲のみをコピーする方法について見てみましょう。やり方はいくつかありますが、今回はCopyメソッドを使う方法について解説します。

上の方でも既に一度紹介しましたが、CopyメソッドはWorksheetsオブジェクトのものと別に、RangeオブジェクトのCopyメソッドも存在します。セルの特定の範囲をコピーする場合はこちらを使用します。

基本構文は以下の通りです。

【基本構文】

Range("コピー元のセル範囲").Copy Destination:=Range("コピー先のセル範囲")

「Destination:=」は省略可能なため、セル範囲のみの記述でも正常に機能します。
また、「Range(“セル範囲”).Copy」のみ記述すると、一旦クリップボードに内容がコピーされます。
以下のサンプルコードで動作を見てみましょう。今回は、次のシートの表を別シートのセルへとコピーします。

【サンプルコード】

Sub sampleRangeCopy()

 Range("B2:D6").Copy Worksheets("サンプル1").Range("B2")

End Sub

【実行結果】

Copyメソッドで貼り付けを行った場合、書式や数式なども全てそのままでコピーを行います。

もし、値のみをコピーするなど細かい条件を付けたい場合は、以下のようにPasteSpecialメソッドと組み合わせて使うといいでしょう。

【サンプルコード】

Sub sampleRangeCopy2()

 Range("B2:D6").Copy
 Worksheets("サンプル1").Range("B2").PasteSpecial Paste:=xlPasteValues

End Sub

【実行結果】

今回はオプションで、セルの値のみをコピー(.PasteSpecial Paste:=xlPasteValues)するよう指定しています。

PasteSpecialメソッドのPaste引数が取る値は以下のとおりです。

名前 説明
xlPasteAll 書式なども含めた全てを貼り付ける
xlPasteAllExceptBorders 罫線以外の全てを貼り付ける
xlPasteAllMergingConditionalFormats 全てを貼り付けて条件付き書式をマージする
xlPasteAllUsingSourceTheme コピーするソースのテーマを使用して全てを貼り付ける
xlPasteColumnWidths コピーした列の幅を貼り付ける
xlPasteComments コメントを貼り付ける
xlPasteFormats コピーしたソースの形式を貼り付ける
xlPasteFormulas 数式を貼り付ける
xlPasteFormulasAndNumberFormats 数式と数値の書式を貼り付ける
xlPasteValidation コピーした入力規則を貼り付ける
xlPasteValues コピーした値を貼り付ける
xlPasteValuesAndNumberFormats 値と数値の書式を貼り付ける

ブック内でシートの順番を移動する

場合によっては、コピーを実行する前のシートや、実行後に作成されたシートの順番を入れ替える必要が出てくるかもしれません。そんな時は、Moveメソッドを使ってシートを移動させましょう。

基本的な構文は、Copyメソッドとほとんど同じです。

【基本構文】

Worksheets("シート名").Move Before(またはAfter):="シート名"

【サンプルコード】

Sub sampleMove()
 
 Worksheets("Sheet1").Move after:=Worksheets(Worksheets.Count)
 
End Sub

【実行結果】

移動前

移動後

まとめ

今回は、主にCopyメソッドの使い方について解説してきました。
比較的シンプルながらも便利なメソッドなので、しっかりと覚えて使いこなしていきましょう!

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