ネットワークエンジニアとは?仕事内容や年収、資格を解説

  • 2023.06.02
       
ネットワークエンジニアとは?仕事内容や年収、資格を解説

ネットワークエンジニアとは、コンピュータネットワークの設計・構築・保守・保守を行う技術者を指し、コンピュータやIT機器を使うために必要なインフラを扱います。私たちが普段、当たり前のように携帯電話やパソコンでメールやLINE、ゲームをできるのは、ネットワークエンジニアがいてこそのものなのです。ネットワークエンジニアは、快適なネットワーク環境を構築し、安定した通信環境を維持するという重要な役割を担っており、ユーザーや社会への貢献度が高い仕事でもあります。

本記事ではネットワークエンジニアの仕事内容や年収、必要なスキルについて解説します。また、将来性やキャリアパスについても紹介しますので、これからネットワークエンジニアを目指したいという方は参考にしてください。

ネットワークエンジニアとは?

ネットワークを構築して運用する仕事

ネットワークエンジニアとは、サーバエンジニアによって構築されたサーバを土台に、ネットワークを構築して運用することに特化したエンジニアです。
作成した設計書に基づいて、ルーターやLANケーブルでサーバと端末、あるいはサーバ同士を接続させてネットワーク環境を作り、トラブルや不具合がないかをチェックしながら運用・保守を行います。
主な活躍の場はITサービスを提供している企業で、サーバやネットワークに関する幅広い専門知識や技術が必要になる職業です。
システムエンジニアとは違い、ルーターやスイッチなどの物理的なネットワーク機器に触ることも多いのが特徴で、配線方法などもケーブルを誰かが引っ掛けて抜くような事態を起こさないよう配慮しなくてはなりません。

トラブルが発生した際には迅速な対応が求められる

通信環境が快適であることは今や社会インフラとして不可欠になっており、ネットワークに障害が発生した場合にはユーザーに多大な影響を与えてしまいます。一般消費者向けに提供しているサービス、ホームページなどの場合、それだけで会社を揺るがす事態にもなりかねません。そのため、保守の徹底はもちろんのこと、万が一、ネットワークが繋がらないトラブルが発生した場合には、迅速な対応が求められます。

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアの仕事は、多岐にわたりますが、大きく4つに分類することができます。

ネットワーク設計

クライアントがどんなシステムを求めているかヒアリングを行い、それをもとに設計していきます。要件に適したネットワークの構成やネットワーク機器の種類・数、回線などを決めていきます。回線費用等のネットワークを維持に必要なコストや構築までのスケジュールもこの段階で検討します。
セキュリティや各種OS、サーバなどに関する幅広い知識が求められます。

ネットワーク構築

ネットワーク設計時に立てたスケジュールに基づいて、実際にネットワーク機器を設置・設定していきます。構築するネットワークの規模によって要す時間は変わりますが、多くの拠点を結ぶ大規模なネットワーク構築の場合は、数ヵ月かかることもあります。構築後はテストを行ってから運用開始します。無駄なコストやトラブルの発生を避けるためには、最新の製品や技術の動向、ケーブリングや機器の設置に関する知識が必要です。

ネットワーク運用

ネットワークシステムは一度構築してしまえば終わりというわけではなく、機器の設定や構成の変更を随時行っていく必要があります。立ち上げたネットワークに手を加えて運用を手助けするのもネットワークエンジニアの仕事の一つです。

ネットワーク保守

ネットワークシステムの故障やトラブルが発生した場合は、トラブルの原因をいち早く突き止め、必要に応じて機器の交換等をすることで、ネットワークを維持することも、重要な仕事の1つです。同じネットワークエンジニアでも担当するフェーズによって仕事内容は異なりますが、プロジェクトの規模によっては設計から保守までの一連の業務を単独で担うこともあります。
一般的には、最初は運用や保守からキャリアをスタートし、スキルや経験を積んだ後に設計や構築といった上流工程も担当していきます。

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ネットワークエンジニアのやりがい

ITシステムを支える根幹を担える

電気やガスといった社会インフラになぞらえて「ITインフラ」と称されるほど、ネットワークはITシステムにはなくてはならない存在です。システムを支えていると思えるのは大きなやりがいになるでしょう。

手に職を付けている実感が持てる

インフラ系は実務に直結する資格が多数ある分野なので、資格を取得していくことでスキルアップを実感でき、「手に職を付けている」という実感が得られるでしょう。

ネットワークエンジニアに必要なスキル

クラウドエンジニアリングに関わるスキル

クラウドの普及により、ネットワークエンジニアにはクラウドエンジニアリングに関わるスキルが必要です。仮想サーバや仮想ネットワークの構築に関する知識は必須といえるでしょう。 また、近年、サイバー攻撃も巧妙化しており、セキュリティを考慮したネットワーク構築、検査、保守、監視に関しての実践的な知識を習得する必要があります。

コミュニケーション能力

ネットワークエンジニアは、ほかのエンジニアと協力して仕事を進め、クライアントとは直接話しながらネットワークシステムを提案する機会が多いため、コミュニケーション能力があれば仕事をスムーズに進められます。

知識レベルに合わせた説明能力

運用や保守の工程において、ユーザーのトラブルに対応することもネットワークエンジニアの仕事の1つです。 トラブルを抱えるユーザーの多くはネットワークの知識を持っておらず、専門用語を多用した説明では伝わらないでしょう。そのため、相手の知識レベルに合わせて説明できる必要があります。

ネットワークエンジニアにおすすめの資格

資格を取得せずとも従事できますが、専門資格を持っていれば、当然のことながら社内評価が上がったり、希望の会社に転職しやすくなります。
ネットワークエンジニアの仕事に役立つ資格や転職で有利になる資格には、次のようなものがあります。

CCNA(シスコ認定ネットワークアソシエイト)

世界最大手のネットワーク機器メーカー、シスコシステムズが行っている民間資格で、ネットワークエンジニアの業務に直接関係のある資格です。
シスコ技術者認定にもいくつか種類がありますが、まずはネットワークエンジニアとしての基礎となる「CCNA」の取得を目指すべきでしょう。「CCNA」の取得後は「CCNP」、「CCIE」といった上位資格もあり、高度で大規模なネットワークに対応するのに必要になります。
また、世界共通資格なので、同社のスイッチやルーター等を取り扱う技術・知識があると証明でき、就職や転職の際、多くの企業で高い評価を得られます。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門とも呼ばれる、IPA認定の国家試験です。エンジニア全般を対象としており、ネットワークエンジニアに特化したものではありませんが、エンジニアの基本的な知識や技術を証明する資格であるため、取得して損のない資格です。

ITパスポート試験

経済産業省所管の独立行政法人IPAが認定するITパスポートは、ITに関する基本的な知識があることを証明する国家資格の一つです。普段の生活でIT活用をする全ての人を対象としているこの試験は、ネットワークエンジニアを目指す人の入門資格としてもおすすめです。

ネットワークスペシャリスト

経済産業省によって国内実施されているネットワーク関連試験の中で最難関のスキルレベルの内容で、この資格があれば、ネットワークの構築、管理、運用、保守といった一連の流れを全て担当できる一人前のネットワークエンジニアであると証明できます。

ネットワークエンジニアの年収

転職サイトdodaの調査によると、ネットワークエンジニア全体の平均年収は433万円です。
また、年代別の平均年収を見ていくと、20代の平均年収は362万円ですが、これが30代になると505万円、40代では637万円、と平均年収が大幅にアップします。
個人の経験やスキルによって年収が変わってくるのでネットワークエンジニアで高収入を目指すには、幅広い業務を担当し、知識と経験を積み重ねていく必要があります。
また、仕事に関連のあるIT系の資格を取得することも年収を挙げる方法の一つです。

ネットワークエンジニアのキャリアパス

ネットワークエンジニアのキャリアパスには、大きく分けて2つの道があります。

プロジェクトの統括管理をする「ゼネラリスト」

ゼネラリストはプロジェクトマネージャーやITコンサルタントなどといった幅広く豊富な知識・技術・実績が必要とされる職種が該当し、主に上流工程を中心にプロジェクトを成功に導く役割が期待されるタイプです。
ゼネラリストは知識・技術・スキルの保有範囲が広範囲にわたる人のことを表しますが、ネットワークエンジニアとしての業務には、サーバやプログラミングなどの技術面だけでなく、人の管理などのマネジメントのスキルも含まれるため、プレゼンテーション力やコミュニケーション能力といった高い対人スキルが求められます。

技術を極める「スペシャリスト」

スペシャリストはネットワークスペシャリストやセキュリティエンジニアといった特定の分野に特化したスキルや知識を持つ職種が該当します。
特定分野のスペシャリストとして、技術力を高めていくタイプのキャリアパスで、主に下流工程を中心に現場での活躍が期待されるタイプです。
ネットワークに関するスペシャリストを目指すのであれば、現場で実務経験を積みつつ、幅広い知識やスキルを付けていく必要があります。
卓越した知識やスキルがあれば、現場での評価や信頼は上流担当であるゼネラリストよりも高くなることもあります。

ネットワークエンジニアの将来性

AWSといったクラウド型サーバの普及によって物理的なサーバのネットワーク設計・構築・運用をすることが減り、将来性がないように思われるネットワークエンジニアですが、そんなことはありません。
クラウド化をするにもネットワークの専門知識と技術が必要であり、ネットワークエンジニアが不可欠であるため、ネットワークを介したビジネスがなくならない限り、需要がなくなることはないため、将来性は十分に高いといえます。
しかし、新しいスキルや知識を習得せず、クラウドに対応できないネットワークエンジニアに将来性はありません。時代に合わせて変わる必要があるのです。
これからのネットワークエンジニアは、クラウドサービスを組み合わせて最適な提案ができる企画力、クラウドならではのスピード感が求められます。このように変化に対応することが重要です。
また、ネットワークセキュリティが重視されるようになったこともあり、セキュリティを意識した機器や設計の構成スキルを持つネットワークエンジニアの需要も高まっています。

終わりに

ネットワークエンジニアの需要は、今後も高まり続けることは間違いありません。 時代の変化に合わせて新たな知識を習得し、スキルアップしていけるネットワークエンジニアであれば、多くの企業から必要とされるでしょう。
また、未経験者でも採用のチャンスがあるので、エンジニアとして専門性を身につけたいと考えている人にもおすすめです。

     

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