突然ですが、自分が使っているOSのバージョンを確認したことはありますか?
Windows, MacOS, Linuxなど、どのOSであっても、バージョンの確認や管理はシステムの安全性を確保する上での基本的かつ重要なステップとなります。
WindowsやMacOSであればシステムの設定画面などから簡単にOSのバージョンを確認することができて、アップデートが必要になった際も簡単にバージョンを更新できますが、Linuxの場合は使用しているディストリビューションによって環境が大きく変わってくるため、確認する方法も環境に応じて使い分ける必要がでてきます。
そこで今回は、最もメジャーなLinuxディストリビューションであるUbuntuのバージョンを確認するいくつかの方法について紹介していきたいと思います。
カーネルバージョンを確認する方法や、CPUアーキテクチャを確認する方法についても合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
Ubuntuのバージョンを確認する意味とは?
Ubuntuのバージョンを確認する理由は様々ありますが、主にシステムの互換性や、サポート期間の確認を目的とするケースが多いです。
使用するソフトウェアやハードウェアによっては、特定のUbuntuバージョンでのみ動作することがあるため、事前に把握しておく必要があります。
また、バージョンによっては一部のコマンドや設定が異なる場合もあるため、安全に使用するためにもバージョン確認は重要な作業となります。
さらに、セキュリティ更新や新機能の提供といったサポート面での活用や、トラブルシューティングを行う際の問題の特定や解決に役立てるなど、Ubuntuバージョンは多岐に渡って必要とされる重要な情報となります。
Ubuntuのバージョンを確認する
Ubuntuのバージョンを確認するには、いくつかの方法が存在します。
それぞれの確認方法について、順に見ていきましょう。
lsb_release コマンドを使う
Ubuntuのバージョンを確認する方法として最も一般的なのは、lsb_release コマンドを使用する方法です。このコマンドを実行すると、Ubuntuのリリースバージョンやコードネームなどが表示されます。
今回は、このコマンドで取得できる情報を全て表示する -a オプションを付けてみましょう。
$ lsb_release -a
【実行結果】
Distributor ID:Ubuntu
Description:Ubuntu 24.04 LTS
Release:24.04
Codename:noble
-d オプションを付けた場合は、バージョン情報のみが表示されます。
$ lsb_release -d
【実行結果】
Description:Ubuntu 24.04 LTS
os-release をチェックする
os-releaseファイルには、Ubuntuのバージョンやディストリビューションに関する情報など、様々な詳細情報が格納されています。
この方法では、catコマンドを使ってファイルの内容を表示し、バージョンを確認しています。
$ cat /etc/os-release
【実行結果】
NAME="Ubuntu"
VERSION="24.04 LTS (Noble Numbat)"
ID=ubuntu
ID_LIKE=debian
PRETTY_NAME="Ubuntu 24.04 LTS"
VERSION_ID="24.04"
HOME_URL="https://www.ubuntu.com/"
SUPPORT_URL="https://help.ubuntu.com/"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.launchpad.net/ubuntu/"
PRIVACY_POLICY_URL="https://www.ubuntu.com/legal/terms-and-policies/privacy-policy"
VERSION_CODENAME=noble
UBUNTU_CODENAME=noble
issue をチェックする
先ほどと同様、catコマンドを使ってファイルの内容を表示する方法です。
issueファイルの内容には、ログイン時に表示されるメッセージが含まれており、その中にUbuntuのバージョン情報が記載されています。
os-releaseファイルに比べて表示内容が簡潔なため、バージョンだけを素早く確認したい時に便利な方法です。
$ cat /etc/issue
【実行結果】
Ubuntu 24.04 LTS
Linuxカーネルのバージョンを確認する
Ubuntuを使用する際には、カーネルのバージョンを確認することも非常に重要となってきます。
カーネルとは、OSの基本機能の役割を担うソフトウェアのことを指します。
OSの中でも特に中核的なコンポーネントで、アプリの実行許可やプロセス管理、メモリへのアクセス管理や周辺機器のデバイス管理など、ソフトウェアとハードウェアの架け橋となる重要な役割を担っています。
Ubuntuは、「Linuxカーネル」 を使った Linuxディストリビューションの1つです。
システム全体の動作を左右する重要なコンポーネントのため、トラブルシューティングやセキュリティ対策、パフォーマンス向上などにおいて、カーネルバージョンの確認が役立つことは多くあります。
また、セキュリティアップデートが定期的に提供されるため、適用状況を把握するためにもバージョン確認は重要です。
ここからは、カーネルバージョンの確認方法について見ていきましょう。
コマンドラインでチェックする
以下のコマンドを使用することで、現在Ubuntuで使われているカーネルのバージョンを確認することができます。
$ uname -r
unameコマンドは、Linuxカーネルやシステムの情報を取得するためのコマンドです。
-r オプションを付けると、カーネルのリリースバージョンが表示されます。
【実行結果】
6.8.0-31.31-generic
確認したUbuntuのバージョンからチェックする
Ubuntuでは、各バージョンごとにデフォルトで入っているカーネルのバージョンが決まっています。
カーネルをアップデートしたり、導入時に最新カーネルを選択したりしていない場合には、Ubuntuのバージョンを確認することで自分がどのバージョンのカーネルを使っているかがわかります。
例えば、LTS版の最新バージョンである 「Ubuntu 24.04 LTS」 のカーネルバージョンは 6.8 です。
ただし上述の通り、これはあくまでもデフォルトで入っているバージョンに過ぎないため、コマンドで確認する方法が最も確実です。
マシンのCPUアーキテクチャをチェックする
最後に、コマンドを使用してCPUアーキテクチャを確認する方法についても紹介していきます。
CPUアーキテクチャとは、CPUの設計構造のことを指します。
アーキテクチャにはいくつかの分類が存在しますが、マシン性能の表示に使用されているのは、命令セットアーキテクチャ(ISA)の種類になります。
ISAは種類ごとに名前が付けられているため、どの名称のアーキテクチャかを確認することで、CPUがどのような命令処理を行うかを知ることができます。
現在のCPUアーキテクチャは、インテル社が提供している 「x86/x64」 か、ARM社が提供している 「ARM」 のどちらかを採用している製品がほとんどです。
どちらも 32bit と 64bit両方のアーキテクチャが存在しますが、最新マシンでは 64bitアーキテクチャが主流となっています。
x86と x64の違いは、bit数の差異です。
x86は 32bitアーキテクチャで、x64は x86を 64bitに拡張したアーキテクチャとなっています。 (x64は 「x86-64」 と書かれることもあります)
CPUアーキテクチャにおける bit数は、CPUが扱えるメモリアドレスの最大サイズを示しています。
そのため、64bitアーキテクチャの方が一度に扱えるデータサイズが大きく、より効率的にデータを処理することができます。
archコマンドでチェックする
CPUアーキテクチャを確認したい時は、arch コマンドでチェックすることができます。
$ arch
【実行結果】
x86_64
上記の表示例の場合、x64 のアーキテクチャであることが分かります。
unameコマンドでチェックする
CPUアーキテクチャを確認するもう1つの方法として、unameコマンドを使う方法もあります。
アーキテクチャを確認する場合は、-m オプションを付けましょう。
$ uname -m
【実行結果】
x86_64
まとめ
Ubuntuのみに限らず、バージョン確認はシステム管理において不可欠な作業です。
定期的に確認して、リスクを最小限に抑えていきましょう。
Linuxの勉強方法は?
書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやエンジニアのコミュニティサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。
ただ、Linuxに限らず、ITスキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。
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