世界的に高いシェアを占めるApache
Apacheとは
Apacheとは、「Apache HTTP Server」の略称であり、世界的に使用され、高いシェアを占めているオープンソースのWebサーバーソフトの1つで、その高い性能と優れた動作性から、企業や個人を問わず人気があります。
最初のバージョンが公開されたのは1995年で、そこから現在に至るまで、細かなアップデートを繰り返しながら20年以上も使われ続けています。
2021年5月時点でのWebサーバー利用シェアが約34%と、Webサーバーソフトを選ぶうえでは、必ずと言ってもいいほど選択肢に入る人気のソフトであると言えます。
Apacheの歴史
Apacheリリース以前では、CERNがWebサーバーソフトとして開発したCERN httpdとNCSAが開発したNCSA httpdが存在しましたが、Apacheは、これらの有志が集まって改良し始めたのが始まりで、1995年に初版がリリースされました。
それ以降は米国のApacheソフトウェア財団と呼ばれる非営利団体によって改良が行われ、Apache関連のさまざまなプロジェクトを統括しています。
Webサーバソフトウェアとは?
そもそもWebサーバーとは、ホームページやブログなどといったWebページのデータを、パソコンやスマホのブラウザに送るサーバーのことです。
わかりやすく言うと「Webページを表示させるのに必要なデータの保管場所」とも言えます。
Webページは、さまざまなファイルで構成されていますが、これらのファイル(データ)を格納しておく場所こそがWebサーバーなのです。
このWebサーバーの中で、データの受け渡しなどのやり取りをするのがApacheのような「Webサーバーソフト」です。
Apacheのメリット
オープンソースであるため、無料で使用できる
前述したとおり、Apacheは誰でも無料で使用できるオープンソースのWebサーバーソフトです。
そのため、お金をかけずにホームページやブログを開設したい場合には、最適なWebサーバーソフトと言えます。
OSを選ばない
アプリケーションやシステムによっては、OSの種類によって動作に不具合が生じることもあります
しかし、Apacheは、複数のOSに対応しているので、幅広いユーザーに適応しています。
Windows やMac、Linuxといった主要なOSでも使用できることから、汎用性の高さに定評があります。
処理速度が速い
Apacheには、処理速度が高速という特徴もあり、動的コンテンツの動作もスムーズに処理できるため、規模の大きいサイトや商用サイトでもサクサク動作を進められます。
機能が豊富
Apacheには、追加で機能を拡張できるモジュールが数多く用意されており、オフィシャルで公開されているものから個人のユーザーが独自に開発したモジュールまで、豊富な機能が備わっているので、必要な機能を自由に搭載できます。
このほかにも、Apacheには動作の安定性やセキュリティ性が高いといった特徴があります。
Apacheのデメリット
Apacheの特長について述べましたが、ここからはApacheを利用する上で注意すべき点について説明します。
軽い処理でも動作が重くなることも
前述したとおり、Apacheには、オンラインショッピングなど動的コンテンツのような重い処理に強いといった特長がありますが、ただ、その一方で、静的コンテンツなどの軽い処理でも同時接続数が多くなることで処理が重くなってしまうという側面もあるため、注意が必要です。
Apacheの将来性
IT業界では、クラウドへの移行やAI、ビッグデータの活用など、急速に変化が進んでいます。
このような変化の中で、ApacheではAWS(Amazon Web Services)やGCP(Google Cloud Platform)などの、多くのクラウドサービスで利用できるようになっています。
また、Apacheソフトウェア財団もビッグデータ分析に使われる分散処理フレームワークであるApache HadoopやApache Sparkをリリースするなど将来を見据えた動きを行なっているため、Apacheの役割は今後とも重要なものとしてあり続けるでしょう。
終わりに
ここまで、Apacheについて、その特徴や将来性について解説してきましたが、いかがでしたか?
クラウドやビッグデータといった、今後の進展が見込まれる新しい分野への対応も順次進められているApacheは、これからも幅広く利用されていくことでしょう。
Apacheはオープンソースであるため、ホームページやブログを開設する際に費用を抑えてWebサーバーを使いたいというケースであれば、Apacheを使用してみてはいかがでしょうか。