情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)とはどんな試験?
情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)とは、国家試験「情報処理安全確保支援士試験」の合格後に申請することで認定を受けられる国家資格です。年に2回、春期と秋期に実施されます。
サイバーセキュリティ分野の国家資格
情報処理安全確保支援士はサイバーセキュリティ分野における国家資格で、情報処理安全確保支援士試験合格後に申請することで認定を受けられます。
情報処理安全確保支援士試験を実施するIPAが有資格者登録簿の管理や講習の実施などを所轄しています。
情報系資格で唯一の「士業」
情報系資格は数多く存在しますが、情報処理安全確保支援士はそのなかで唯一の「士業」です。士業というのは、原則として法律に則った「独占業務」を有している職業の俗称です。「~士」と呼ばれる弁護士や司法書士、税理士なども士業となります。
情報処理安全確保支援士を名乗るには申請が必要
情報処理安全確保支援士試験に合格しただけでは情報処理安全確保支援士を名乗れません。
情報処理安全確保支援士を名乗るためには情報処理安全確保支援士試験合格後に登録申請する必要があり、登録後も3年ごとの更新が必要です。
更新制
2020年5月に改正情報処理促進法が施行され、情報処理安全確保支援士の登録が「更新制」となったことで、資格の維持には定期的な更新が必須となりました。
このように更新制をとっているのは、サイバーセキュリティ対策に求められる知識や技能を常に最新の状態にアップデートしておく、情報処理安全確保支援士の欠格事由に該当しないか定期的に確認するという目的があります。
情報処理安全確保支援士は資格登録・更新日から3年間有効で、その3年間の間にIPA主催のオンライン講習を年に一回の計3回に加えて、IPAが実施する実践講習または民間企業などが実施する特定講習のいずれか1講習を3年に1回受講する必要があります。それに、ただ受講すればよいというわけではなく、確認テストを受けて全問正解をしなければ講習終了とならないので集中して受講しましょう。
これを怠ってしまうと資格は剥奪され、更新もできなくなるため、注意が必要です。
登録日は、4月1日と10月1日の年2回です。
新規登録の申請受付期限は2月15日と8月15日となっています。
更新申請受付期間は、期日の60日前までに行う必要があり、申請には所定の講習を全て修了しておく必要があります。
(例)令和5年度秋期試験に合格した人の場合
令和5年10月8日:受験
令和5年12月未頃:合格証書発送
令和5年1月31日:新規登録申請締め切り
令和5年4月1日:登録証発行
試験合格後の申請期限はない
情報処理安全確保支援士試験合格後、支援士登録の有効期限はなく、合格者は任意のタイミングで登録申請はできますが、合格日から3年以上経過している場合は、登録日から1年以内にオンライン講習と集合研修の両方を受講しなくてはなりません。
登録・維持費が高い
情報処理安全確保支援士を更新するには、まず登録をし、オンライン講習、実践講習(または特定講習)の受講を経て更新する必要がありますが、費用が発生してしまいます。
※IPA主催の実践講習の方が特定講習よりも費用を安く抑えられる場合が多いです。
◆登録申請料
登録免許税:9,000円
登録手数料:10,700円
事務手数料:300円
→計20,000円
◆講習受講料※更新手数料は無料
オンライン講習:20,000円×3回
実践講習:受講する講習により異なる (例) 実践講習A:80,000円
講習一覧
参照:https://www.ipa.go.jp/siensi/forriss/index.html
このように登録・維持費が高いことが資格取得のハードルを上げてしまっているのが現状です。
ビジネスに活かせる
情報処理安全確保支援士は登録・維持にかかる費用が高いという側面はありますが、士業の国家資格ということもあり、ビジネスをするうえで、取得するメリットは大きいといえます。IPAの制定するロゴマークを使用でき、名刺や書類、広告、Webサイトなどに掲載してアピールできるため、受注が増えやすくなるなど、登録・維持費以上にビジネス上のメリットが多いです。
情報セキュリティスペシャリスト試験合格者も認定を受けられる
先述した情報処理安全確保支援士試験の前身にあたる「情報セキュリティスペシャリスト試験」の有資格者には、経過措置として、2018年8月19日までの申請で情報処理安全確保支援士として認定を受けられます。
罰則付きの法的義務に要注意
情報処理安全確保支援士は「秘密保持義務」や「信用失墜行為の禁止」といった法的な義務を負うことになり、これに違反した場合は資格喪失となるばかりか、罰金刑などの厳しい罰則があります。それだけ士業である情報処理安全確保支援士は重みのある資格であると留意しておきましょう。
情報安全確保支援士の適職3選
現在、約2万人いる情報処理安全確保支援士のうち、その多くはサイバーセキュリティ関連の専門家として情報システムの企画・設計・開発・運用の支援やサイバーセキュリティ対策の立案・分析・評価・助言を行っています。また、実際にサイバー対策業務に従事されている人もいます。
情報処理安全確保支援士の活躍分野を3つ紹介します。
・セキュリティエンジニア
情報セキュリティに特化したシステムエンジニア
・セキュリティアナリスト
サイバー攻撃の予防や分析、解決策の提案を主な役務とするセキュリティの専門家
・セキュリティコンサルタント
セキュリティの専門家という立場から、セキュリティに関するコンサルティングを行う
・セキュリティアーキテクト
サイバー攻撃に強いシステムの設計・構築を行うセキュリティ部門の設計担当者
情報安全確保支援士の将来性は?
結論から言うと、情報安全確保支援士の将来性は十分高いといえます。
近年、サイバー攻撃が年々巧妙化したことでセキュリティ対策が重要視され、多くの企業がさまざまなセキュリティ対策を講じています。
情報セキュリティはすべての工程で考慮すべきことであるため、担当業務に関係なくITエンジニアであれば備えておきたい分野であり、IPAが主催する全情報処理技術者試験でもセキュリティ分野が重点分野に指定され出題数が増えました。
今後もますますセキュリティの重要性が増し、それに伴ってサイバーセキュリティに関する高度な知識や技能を保有する人材の需要は高まっていくでしょう。
情報処理安全確保支援士が必置化?
経済産業省は情報処理安全確保支援士の普及策として必致化を提言しています。これは、企業や組織に情報処理安全確保支援士の設置義務を課すというもので、現時点では強制力はありませんが、今後、必置化がはじまると、より、情報処理安全確保支援士の重要性が高まる可能性は高いと考えられます。
情報処理安全確保支援士試験とは?
ここまで情報処理安全確保支援士について説明しました。情報処理安全確保支援士になるためにはまず「情報処理安全確保支援士試験」に合格する必要があります。ここからはその「情報処理安全確保支援士試験」について解説します。
情報処理安全確保支援士試験とは、IPAの実施するサイバーセキュリティに関する国家試験で、セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントを目指す人に最適な資格です。
2016年に認定が終了した「情報セキュリティスペシャリスト試験」の後継試験として2017年から実施されています。
日本国内の情報セキュリティ関連の試験では最難関で、実務経験者でも簡単には合格できない難易度の高い試験と言われています。
参考:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html
情報処理安全確保支援士試験が誕生した背景は?
IT化が進み、サイバー攻撃も増加・高度化したことで企業や国民生活が脅威にさらされています。こうしたなかでサイバーセキュリティ対策の重要性が高まり、企業にとってもセキュリティ対策が重要な課題となり、それを推進する役割を担える人材の確保が急務となっています。そのような人材の育成・確保のために2016年10月に「情報処理の促進に関する法律」が改正され、全身試験である「情報セキュリティスペシャリスト試験」に試験内容の拡大や技術面の部分的な補完を加える形で「情報処理安全確保支援士試験」となり、2017年に開始されました。
「試験区分編成」
情報処理安全確保支援士試験の概要
試験スケジュール・受験料・実施場所・受験資格
試験日程 | 年2回春期・秋期(4月・10月) ※令和元年度まで秋期実施 |
実施場所 | 全国主要56都市の市内または周辺に設けられた試験会場 |
受験料 | 7,500円 |
受験資格 | 特になし |
試験日程
情報処理安全確保支援士試験は春期・秋期に実施されています。受験できるのは年に2日だけなので注意が必要です。例年4月、10月の第3日曜日に実施されており、今年(令和5年度)の実施日は4月16日、10月8日となります。
申込受付期間
受験申込受付期間は試験の2~3か月前で、今年の春期試験に関してはすでに受付期間が終了しています。秋期試験の受験を考えている人は、7月頃に公式サイトをチェックしておきましょう。
うっかり申し込みを忘れてしまいそうという人に朗報です。IPAでは、配信メールで試験の受付開始情報をお知らせするサービスも行っています。登録をすれば、申込み忘れも防げるのでぜひご活用ください。
受験手数料
受験料は7,500円です。
実施場所
試験は全国主要56都市の市内または周辺に設けられた試験会場で実施されます。試験会場は、会場の定員数の関係で希望する試験地で受験できない可能性があります。余裕をもって申し込みましょう。
受験資格
受験するのに満たす必要のある資格などは特にありません。
誰でも受験は可能ですが、実力を証明する類の試験であるため、実務経験を積んだエンジニアが自己研磨を目的として受験する場合やこれからの実務経験に活かすという目的をもって試験に臨むのが望ましいでしょう。決して、机上の空論にならないことが重要です。
試験時間・出題形式・出題数・解答数※変更点記載
午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
試験時間 | 9:30~10:20 (50分) | 10:50~11:30 (40分) | 12:30~14:00 (90分) | 14:30~16:30 (120分) |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) | 多肢選択式 (四肢択一) | 記述式 | 記述式 |
出題数 | 30問 | 25問 | 3問 | 2問 |
解答数 | 30問 | 25問 | 2問 | 1問 |
試験時間
上記のように、情報処理安全確保支援士試験は4つの試験で構成され、すべて同日に実施されます。
出題形式
午前試験は、多肢選択式(四肢択一)でIT産業全般や関連技術に関する知識が問われるのに対し、午後Ⅰ、Ⅱ試験は記述式となっており、実務上で直面するような事例が長文で出題されます。
出題範囲
▼午前Ⅰ試験
◎は重視点分野を指しています。
◆テクノロジ系
→基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、セキュリティ◎、開発技術
◆マネジメント系
→プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント
◆ストラテジ系
→システム戦略、経営戦略、企業と法務
▼午前Ⅱ試験
◆テクノロジ系
→技術要素
・データベース
・ネットワーク◎
・セキュリティ◎
→開発技術
・システム開発技術
・ソフトウェア開発管理技術
◆マネジメント系
→サービスマネジメント
・サービスマネジメント◎
・システム監査
▼午後試験
1 情報セキュリティマネジメントの推進又は支援に関すること
2 情報システムの企画・設計・開発・運用におけるセキュリティ確保の推進又は支援に関すること
3 情報及び情報システムの利用におけるセキュリティ対策の適用の推進又は支援に関すること
4 情報セキュリティインシデント管理の推進又は支援に関すること
詳細については以下の試験要綱・シラバスを参照してください。
[試験要綱]
[シラバス]
採点方式・配点・合格基準
情報処理安全確保支援士試験は素点方式で採点され、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの各試験の得点がすべて基準点以上の場合に合格となります。
試験区分ごとの配点は、午前Ⅰが30問であるため、1問あたり3.4点、午前Ⅱは25点なので1問あたり4点、午後Ⅰ試験は大問のなかにいくつか設問がありますが大問1問で50点、午後Ⅱ試験は大問1問で100点となっています。
合格基準としては、全試験で100点満点中60点以上で合格となります。
各試験の得点が基準点に達しない場合は、その後に行われた試験の採点はされずに不合格となります。
情報処理安全確保支援士試験の難易度は?
[試験区分]
難易度が高いと言われる情報処理安全確保支援士試験ですが、実際にはどうなのか見ていきましょう。
試験区分
試験を実施するIPAでは情報処理安全確保支援士試験の対象者像を以下のように想定しています。
「サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行う者」
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html
このように、現場を指揮する立場にある情報処理安全確保支援士には、高度な知識や技能が求められます。
また、情報処理安全確保支援士試験に求められる能力や担う役割から、試験の難易度4段階のうち、その最上位にあたるレベルを4と設定しています。
「各レベルの定義」
では、次に、合格率・合格者平均年齢について見ていきましょう。
合格率・合格者平均年齢
以下の表は、直近9回分の受験者数・合格者数・合格率・合格者平均年齢を表した表です。
受験者数 | 合格者数 | 合格率(%) | |
平成30年度秋期 | 15,257 | 2,818 | 18.5 |
平成31年度春期 | 14,556 | 2,744 | 18.9 |
令和元年度秋期 | 13,964 | 2,703 | 19.4 |
令和2年度10月 | 11,597 | 2,253 | 19.4 |
令和3年度春期 | 10,869 | 2,306 | 21.2 |
令和3年度秋期 | 11,713 | 2,359 | 20.1 |
令和4年度春期 | 11,117 | 2,131 | 19.2 |
令和4年度秋期 | 13,161 | 2,782 | 21.1 |
令和5年度春期 | 12,146 | 2,394 | 19.7 |
[統計資料]
そして、こちらは受験者・合格者平均年齢を表した表です。
平成30年度秋期 | 平成31年度春期 | 令和元年度秋期 | 令和2年度10月 | 令和3年度春期 | 令和3年度秋期 | 令和4年度春期 | 令和4年度秋期 | 令和5年度春期 | |
受験者平均年齢 | 38.5 | 38.8 | 38.4 | 38.3 | 38.9 | 38.4 | 38.7 | 38.3 | 38.7 |
合格者平均年齢 | 36.8 | 36.1 | 36.1 | 34.1 | 35.9 | 34.8 | 34.3 | 34.3 | 34.2 3 |
[平均年齢]
合格率は約20%で推移しており、合格者平均年齢が30代半ばであることからも、IT業界や現場での豊富な実務経験でIT技術面のスキルとマネジメントスキルを養わなければ、または、それに相当する学習時間がなければ容易には突破できない試験だということが読み取れ、高難易度であることが分かります。
そして、実務経験者でも試験対策を怠っては合格が厳しいのもまた事実です。
実務経験で得た知識があっても、勉強時間を確保しなければ合格は難しいといえます。
合格に必要な学習時間は初心者の場合はおよそ300~500時間、実務経験者でも100~150時間といわれています。ただ、これはあくまで目安であって、個人の知識や技能によって異なります。
受験を考えている人は、自身の知識レベルからどの程度の勉強時間を確保すべきか、一日に学習に充てられる時間を考慮し、試験当日から逆算して計画的に学習を開始しましょう。過去問を本番と同じように解くことで、時間配分の練習や、頻出分野の把握、苦手分野の発見などができるため、過去問を重点的に対策するのがおすすめです。
試験傾向・対策・合格のコツ
■情報処理安全確保支援士試験の傾向
情報処理安全確保支援士試験は、情報システムの適切な活用を促すことで企業の経営目標の達成に貢献する役割があるため、単にエンジニアとしての知識や技能だけではなく、コンサルタントとしての知識や技能を問う問題が出題されます。
午前試験は、四肢択一式でIT技術全般や関連技術に関する基礎知識が問われるのに対して、午後試験は、記述式と論述式で実務の開発現場で直面するような事例を取り上げたシナリオ問題が長文で出題され、情報処理安全確保支援士としての専門知識や技能が問われます。出題内容としては、午前問題は過去問からの出題が多い一方で、午後問題は、新出テーマが多いです。
▼4試験に共通する勉強法
今回から試験内容が大きく変わるためなんとも断言しづらいところはありますが、過去問を中心にインプットとアウトプットを反復的に繰り返すことが重要です。
まず参考書などで基礎知識をインプットしましょう。全体像を掴むと学習がスムーズに進みます。
基礎知識が固まってきたら、次はアウトプットを行います。アウトプットでは問題集や過去問を解いていきましょう。演習を通して問題の傾向や形式を把握し、問題に慣れるだけでなく、自身の弱点にも気づくことができます。
■午前Ⅰ試験 (共通問題):IT技術全般に関する基本的な知識が問われる
午前Ⅰ試験は高度試験で共通の問題となっており、IT技術全般に関して幅広く出題され、基本的な知識が問われます。
最近の出題傾向として、テクノロジ系 17問 (57%)、マネジメント系 5問 (17%)、ストラテジ系 8問 (26%)という出題比率で、そのほとんど同時期に行われる応用情報技術者試験の午前試験からの流用が大半を占めます。問題の種類としては用語問題、文章問題、計算問題、考察問題が出題されますが、考察問題が増えています。
▼午前Ⅰ試験の勉強法
午前I試験や応用情報技術者試験の過去問をひたすら解き、間違えた箇所を復習して覚えなおすという学習方法がおすすめです。
過去問は公式ページに掲載されています。
ちなみに、受験者の半数以上が、午前Ⅰ試験を免除しています。
以下に該当する人であれば、この免除制度が2年間有効です。
(1)応用情報技術者試験に合格する。
(2)いずれかの高度試験又は支援士試験に合格する。
(3)いずれかの高度試験又は支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を得る。
情報処理安全確保支援士試験は4つの試験があり、長丁場になるため、少しでも負担を軽減するよう上記免除制度の該当者には積極的な利用をおすすめします。
■午前Ⅱ試験:ITサービスマネジメント関連の技術的な出題
午前II試験は、午前I試験と同様に多肢選択式の問題となっていますが、午前I試験よりも出題範囲が絞られ、より深い、専門的な知識が問われます。ただ、出題範囲が狭いため、対策はしやすいでしょう。
▼午前Ⅱ試験の勉強法
重点分野となっているITサービスマネジメントやセキュリティ関連の出題が多いため、重点的に対策する必要があります。過去問演習の際に、間違えた問題やよくわかっていないと感じた問題はそのままにせず、きちんと問題や選択肢の意味を理解するようにしましょう。
また、過去問演習に加え、最新事例に関する問題も出題されるため、情報収集を欠かさず行いましょう。
■午後Ⅰ試験:記述式の長文読解問題
午後Ⅰ試験は90分間で3つの大問から2問を選んで記述式問題と語句の穴埋め問題で解答します。実際の業務で扱うようなシナリオ問題になっています。昨今、設問が長くなっている傾向にあり、短時間で長文読解する必要があるため難易度が高まっています。
▼午後Ⅰ試験の勉強法
午後Ⅰ試験は90分間で3つの大問から2問を選んで記述式で解答する問題です。ただ、問題文が非常に長文で、内容を瞬時に理解するなかなか難しいです。そのため、先に設問を読み、問われている内容を把握するのがいいでしょう。
問題文にヒントが散りばめられていることが多く、解答例も問題文にある単語をそのまま使用したものが多くあるなど、解答の手掛かりになることも多いため、しっかり設問を読み、そこから考察することを意識し、出題者側の意図を読みながら解答することが重要です。
また、長文の内容と問題の意図を的確に捉える読解力のほかにも、設問に対して簡潔にまとめて解答する要約力が求められます。まずは短時間で正しく読解する練習を行い、そして短い文字数で簡潔に解答する練習、それから演習量をこなして解答スピードを上げていくというのがおすすめです。また、最新の技術動向もキャリアアップしておく必要があります。
■午後Ⅱ試験:記述式の長文読解問題
午後Ⅱ試験は2時間で、2つの大問から1問を選んで特定のテーマに関して論述式で解答していく問題です。午後Ⅰ試験と同様に実例に基づいたシナリオ問題で、実務対応能力が問われます。
▼午後Ⅱ試験の勉強法
長文問題を素早く理解する「読解力」や問われている内容を的確に把握する「判断力」、字数制限が設けられている中で簡潔かつわかりやすく解答する「表現力」といった「国語力」が求められます。試験勉強の際も時間配分を意識して取り組みましょう。はじめに設問を確認してから問題文を読むのがおすすめです。
情報処理安全確保支援士試験を取得するメリットは?
難易度が高く、取得が難しい情報処理安全確保支援士試験ですが、それだけに取得することで得られるメリットは非常に大きいです。
体系的に学べる
情報処理安全確保支援士試験の資格勉強を通じて、サイバーセキュリティに関する知識や技能を体系的かつ効率よく学び、習得できます。
業務のなかでその都度習得していくのは大変なので、情報処理安全確保支援士試験は知識の習得に最適といえます。
自身の市場価値を高められる
資格を取得することでサイバーセキュリティのスペシャリストである公的に証明でき、高い評価を受け、自然と自身の市場価値を大きく押し上げることができるでしょう。
キャリアアップに有効
情報処理安全確保支援士を取得することで、サイバーセキュリティに関する高度な技能を有していると客観的に示すことができます。これにより、重要なポジションを任命させられたりと責任あるポジションを任される可能性が増える、また、転職においても、好条件での転職が叶ったりと、必然的にキャリアアップにも有効にはたらきます。
資格手当や報奨金がもらえる場合がある
企業によっては、合格者に対して、資格手当や一時金などの報奨金を付与する制度を設けています。相場としては資格手当が5,000円〜20,000円/月、報奨金はおよそ120,000円です。
試験の一部免除が受けられる
ほかの資格試験で一部免除制度が受けられます。具体的には以下のようなものがあります。
- 中小企業診断士試験
第1次試験科目の一部免除 - 弁理士試験
論文式筆記試験選択科目(理工Ⅴ(情報))の免除 - 技術士試験
第一次試験の専門科目(情報工学部門)の免除 - ITコーディネータ(ITC)試験
ITコーディネータ試験の一部が免除される専門スキル特別認定試験の受験が可能
【重要】令和5年度秋期からの試験変更点
試験実施元であるIPAは、DX推進に伴う人材・スキルニーズへの対応や受験のしやすさ向上を目的として情報処理安全確保支援士試験の午後試験の出題構成を変更しました。
※試験で問われる知識や技能の範囲に変更はありません。
令和5年度秋期試験から午後Ⅰと午後Ⅱが統合されます。
変更前後の概要は以下のとおりです。
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20221220.html
午後の試験時間が3時間30分から2時間30分へと60分短くなり、さらに昼休憩も30分削減したことで全体では90分の短縮につながりました。出題数も4問出題・2問選択解答に変更され、問題選択や時間配分の自由度も向上しました。
参考:https://www.ipa.go.jp/about/press/20221220.html
まとめ
IT化が進む現代では、情報処理安全確保支援士試験の需要は今後も高まり続けていくことが予測されます。
情報処理安全確保支援士試験は情報処理安全確保支援士としての高い専門知識や技能を証明できる有用な資格です。資格を取得することで、仕事の質を上げるほか、キャリアアップや幅広い分野での活躍も期待できます。情報処理安全確保支援士試験は将来性も高く、おすすめの資格です。
情報処理安全確保支援士試験の勉強方法は?
書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやエンジニアのコミュニティサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。
ただ、情報処理安全確保支援士試験に限らず、ITスキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。
プログラミングスクールならテックマニアがおすすめ!
ITスキル需要の高まりとともにプログラミングスクールも増えました。しかし、どのスクールに通うべきか迷ってしまう人もいるでしょう。そんな方にはテックマニアをおすすめします!これまで多くのITエンジニアを育成・輩出してきたテックマニアでもプログラミングスクールを開講しています。
<テックマニアの特徴>
・たしかな育成実績と親身な教育 ~セカンドキャリアを全力支援~
・講師が現役エンジニア ~“本当”の開発ノウハウを直に学べる~
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・実務ベースでスキルを習得 ~実践的な凝縮カリキュラム~
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