プログラミングを独学で身につけるには、自分に合う教材で正しい手順で学習していく必要があります。本記事では、独学でプログラミングを学習したい人向けに独学で習得するロードマップや挫折しないためのコツ、スクールと比較した時のメリット / デメリットについて解説いたします。
プログラミングの独学は可能?
結論から申し上げると「可能」です。
ただ、独学で一人前のエンジニアレベルのスキルを身につけるとなると難易度が高くなるのも事実です。独学で学ぶ場合、次の 3点を意識することで成功率を上げられるでしょう。
・ 自分にレベルに合ったカリキュラムを組む
・ 目的に合わせてプログラミング言語を選ぶ
・ 適切な学習環境を用意する
順に解説していきます。
自分にレベルに合ったカリキュラムを組む
まず 1つ目は、自分にレベルに合う教材やカリキュラムを組むことです。
学習教材には、本や Webサイトなど、幅広くありますが、それぞれ対象とするプログラミングレベルや方向性が異なるため、知識やスキルのレベルによって活用すべきツールも変わってきます。
自分が現時点で、全くの未経験者なのか、基礎知識はある状態なのか、ある程度プログラミングに精通していて、AI や機械学習といったより高度な技術を身につけたいのかを把握することが大切です。
目的に合わせてプログラミング言語を選ぶ
2つ目は、目的に合ったプログラミング言語を選ぶということです。
プログラミング言語によって用途が異なるため、自分が作りたいものを実現できる言語を選びましょう。
また、言語ごとの難易度も考慮する必要があります。はじめてのプログラミング学習には、難易度の低い言語を選ぶのがおすすめです。
▼初心者向けのプログラミング言語について知りたい方はこちら
プログラミング言語おすすめTOP10!徹底解説2023
適切な学習環境を用意する
3つ目は適切な学習環境を用意することです。
分からないことが出てきたときに質問や相談ができる環境があることで、モチベーションの維持にも繋がるため、そういった環境を作っておくことも重要だといえます。
独学でプログラミングを習得するロードマップ
ここからは独学でプログラミングスキルを身につけるロードマップを 8つのステップに分けて紹介します。
- プログラミング習得にかかる期間を知る
- 目的を明確にする
- 学ぶプログラミング言語を決める
- 学習環境を整える
- 実際にプログラミングを体感してみる
- ポートフォリオを作成する
これらのステップを踏むことでプログラミングスキルが身についていきます。
1つずつ詳しく解説していきます。
ステップ 1:プログラミング習得にかかる期間を知る
プログラミング初心者かが実際にエンジニアになるまでに、どれほどの期間が必要だと思いますか?
これに関しては独学であろうがプログラミングスクールに通おうが大差はなく、1日 3時間以上の学習時間を設け、期間としては 1年半以上かかるとされています。一朝一夕では身につかないということをまず理解しておいてください。
ステップ 2:目的を明確にする
プログラミングを学習する大前提として「何を作りたいか」「何のために学ぶか」といった目的を明確にしましょう。
プログラミングで自分が何を実現したいかはっきりさせることで今後の方針や達成すべきレベルが明確になってきます。
ステップ 3:学ぶプログラミング言語を決める
目的を明確にしたら、その目的に合ったプログラミング言語を決めます。
先ほど述べたように、プログラミング言語によっても得手不得手があり、それを使って実現できることも異なります。また、自分の目標を実現できる言語を選ぶことで、モチベーションにもつながり、学習を続けられるという点もあります。
ですが、もし、明に作りたいサービスがあるわけではないがプログラミングを学んでみたいという場合は学習難易度が低く、初心者向きの言語を学んでみるのがいいでしょう。
ステップ 4:学習環境を整える
プログラミング学習に必要な環境を整えましょう。
まずは、プログラミングを行うためのパソコンとインターネット環境を用意しましょう。
そして、プログラミングをするための環境構築をする必要があります。環境構築とは記述したコードで実際にシステムが作動するような環境にすることです。
また、これは道具とは違いますが、学習中につまずいた時、質問や相談ができる相手がいるのといないのではモチベーションが大きく変わるので、知人・友人と協力したり、勉強会に参加したりといったこともおすすめします。
ステップ 5:実際にプログラミングを体感してみる
学習環境を整えたら、実際にプログラミングを書いてみましょう。
Web上の学習サイトを利用すれば、体感的に学べるのでおすすめです。
ある程度プログラミングスキルが身についてきたら、既存のWebサイトを模写するのがおすすめです。既存のWebサイトは言ってしまえば模範解答です。自分が作ったものと比較してどこが違うかといった答え合わせをしながら進められるのでコーディングの流れやルールを理解しやすくなります。このように既存 Webサイトの模写は実務に近い経験を積めるのです。
ステップ 6:ポートフォリオを作成する
プログラミングの基礎が身に付いたらポートフォリオを作成してみましょう。
ポートフォリオとは、自分で作った作品をまとめたもので、就職や転職などでスキルを証明するために必要な資料となります。
エンジニアとして転職やフリーランスを目指す場合、ポートフォリオなしでは面接を受けることさえできないというケースもあり、採用率に大きく影響を及ぼします。そのため、なるべくポートフォリオは作成しておきましょう。
Web系のエンジニアになりたい場合はポートフォリオのなかでもオリジナルの Webサービスを用意するのもおすすめです。これにより、コーディングスキルだけでなく、企画立案や設計、テストのスキルも証明できますよ。
また、経験を積むという意味ではクラウドソーシングを使って案件を受注するというのもおすすめです。実績とスキルによって案件の単価を上げていくと実績を増やしながら自信もつくでしょう。
何を作りたいかで選ぶ言語が変わる
先ほどもお伝えしましたが、最終的に何を作りたいかによって選ぶべき言語が変わってきます。
プログラミング作れる代表的なものといえば、Webサイト、スマホアプリ、ゲーム、AI (人工知能) などですが、それぞれで使われるプログラミング言語も違うのです。
Webサイト
Webサイトを作りたい人におすすめの言語は PHP、Ruby、JavaScript、HTML/CSS などです。これらは、ほかの言語に比べて習得難易度が比較的低い傾向にあります。
スマホアプリ
スマホアプリでも、Android向けか macOS向けによっても使う言語は異なります。Android用のアプリを作りたいのであれば Java や Kotlin がおすすめです。macOS向けのアプリなら Swift を勉強しましょう。
ゲーム開発
ゲーム開発をしたい場合におすすめのプログラミング言語は C#、JavaScriptです。どういったゲームを作りたいかでも変わってくるので作りたい種類によって選びましょう。
AI (人工知能)
AI や機械学習におすすめのプログラミング言語は Python、R言語こちらになります。豊富なライブラリが存在するので Python が初心者にも扱いやすく、人気も高いです。
明確な目的がない人は「Webサイト」がおすすめ
明確な目的がないけど学んでみたいという人におすすめなのが比較的難易度の低い「Webサイト」を作れる言語、PHP、Ruby、JavaScript、HTML/CSS です。初心者向けの参考書や学習サイトも豊富にあるため、独学でも学習しやすいですよ。また、テキストエディタとブラウザさえあればコーディングの勉強ができるというのもおすすめの理由です。
独学で挫折しないコツ
プログラミングを学ぶメリットを理解する
プログラミングを学んだ先で得られるものを知っておくと学習のモチベーションも変わってきます。
何度も述べている「自分が作りたいものが作れるようになる」だけでなく、ほかにもいくつもメリットがあります。たとえば、論理的思考が身につきます。これはビジネスにおいても必須のスキルです。ほかにも、エンジニアは数ある職業のなかでも自由な働き方ができる職業だといえます。また、スキルそのものがエンジニアの価値となるのでフリーランスとして独り立ちしやすいので、元手をかけずに稼ぐことができるのもメリットです。
コードを暗記しようとしない
初心者が挫折しがちな理由としてコードを暗記して覚えようとするということがあげられます。暗記せずともプログラミングは十分に習得できます。現にプロのエンジニアでも不明点はネットで調べて解決しています。また、そもそも言語や付随するツールの仕様もアップデートされていくため、暗記しても効率が悪いです。
学習仲間を作る
学習のモチベーションを保つには学習仲間を作るのも大事です。知人や友人にいなければ、勉強会や交流会に参加するのもおすすめです。
独学とスクール学習のメリット/デメリット
プログラミングを独学での習得しようと考える人は、プログラミングスクールでの学習も検討したことがあるのではないでしょうか。そこで、それぞれメリット・デメリットを解説します。
独学のメリット/デメリット
メリット
コストを抑えられる
自分のペースで学べる
自己解決能力が身につく
デメリット
挫折しやすい
プログラミングスクールのメリット/デメリット
メリット
挫折しにくい
効率がいい
不明点をすぐに教えてもらえる
デメリット
コストが高い
このようにそれぞれにメリットとデメリットがあるので、自分に合った学習方法を選びましょう。