Raspberry Pi(ラズパイ)とは?IoT開発ができるマイクロコンピュータを解説

  • 2023.07.06
       
Raspberry Pi(ラズパイ)とは?IoT開発ができるマイクロコンピュータを解説

Raspberry Pi (ラズベリーパイ) という小さなコンピュータが、昨今、プログラミング学習に優れた教材であるとして注目を集めています。
教育用として開発された Raspberry Pi ですが、IoT 開発を手軽に体験できるツールとして世界的に人気が高く、今では教育や趣味だけでなく、ビジネスでも活用されている有用なツールです。

Raspberry Piとは?

Raspberry Pi とは、一枚の電子基板に最低限必要なCPUや入出力インターフェース、コネクタを実装した、ワンボードマイコンと呼ばれる小型のコンピュータです。2012年2月29日に英国のラズベリーパイ財団 (Raspberry Pi Foundation) によって発売され、日本では「ラズパイ」という愛称で親しまれています。
エアコンや自動車といった、「モノ」に対してセンサーを取り付けてコントロールする「IoT (Internet of Things )」という考え方が広まったことで Raspberry Pi も注目を集めるようになりました。

小型軽量なコンピュータ
Raspberry Pi の大きさは約 85 mm x  56 mmと、カード類とほぼ同じで、重さも 50 gに至りません。このコンパクトさを活かして場所を問わずに稼働させることができます。

高性能なコンピュータ
このように、見た目は小さい Raspberry Pi ですが、優れたコンピュータで、一般的な PC と同じように使うことができます。
Raspberry Pi の USB 端子からキーボードやマウスを接続し、HDMI 端子からディスプレイに接続すればもう PC と遜色ありません。
また、LAN ケーブルを接続すればインターネットも利用でき、Raspberry Pi 3 Model B 以降は Wi-Fi や Bluetooth も利用可能です。このように、さまざまなインターフェースに接続することで機能を拡張できますが、一般的な PC と違って、Windows や Mac は使えません。
Raspberry Pi の場合は、自分で OS をインストールする必要があります。SDカードまたはmicro SDカードに Linux 系の OS をインストールして使います。OS は公式ページから無料でダウンロードできます。

低価格
Raspberry Pi は子供に思う存分プログラミングを楽しんでほしいという思いで開発されたため、手が届きやすい価格であることも特徴の一つです。「Raspberry Zero」という製品は $5 から入手することができ、2019 年にリリースされた最新モデルの Raspberry Pi 4 Model B (2019年6月発売) でも $35 程度で購入できます。※半導体価格の高騰により、1 GB モデルを 35 ドルで再販、2 GB モデルの価格が 35 ドルから 45 ドルに、4 GBモデルの価格が 45 ドルから 55 ドルに一時的に値上げすると発表されました。
2012 年 2 月に発売された Raspberry Pi は、販売開始から 10 年となる 2022 年 2 月 28 日時点で、累計4,600 万台が販売されたことが発表されています。

小型で軽量、高性能で低価格、そして便利なライブラリがある Raspberry Pi が登場し、世界中の人たちが多くの作例をインターネットで共有した事で、それまではハードルが高いとされていた IoT 開発を個人でも手軽にできるようになりました。

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Raspberry Pi を学ぶメリットは?

プログラミング学習環境として優れている
Raspberry Pi を扱う上でプログラミング学習は避けて通れません。
Python や C言語、Java、Ruby、Perl といった言語を実地で学習するには Raspberry Pi がうってつけです。
上記のプログラミング言語が困難だという人は「Scratch」という、Raspberry Pi の公式 OS 「Raspbian」に標準装備されているプログラミング言語もあります。Scratch を利用すれば、開発画面上でアイテムをドラッグ&ドロップするだけでプログラムを作ることができます。

ソフトウェアの追加やネットワーク接続といったコンピュータ管理ができるようになる
Raspberry Pi を扱うには、プログラミングだけでなく、周辺機器の準備も必要です。
開発を進めるには次のような周辺機器を準備しましょう。

電源ケーブル
AC アダプター
SDカード / micro SDカード
キーボード
マウス
ディスプレイ(テレビ)
HDMI ケーブル
Ethernet ケーブル (カテゴリー 3 以上)
Raspberry Pi のケース (推奨)

周辺機器を含めて準備が整ったら、OS をダウンロードし、初期設定を進めていきます。
Raspbian という OS が推奨されており、インターネット上で無償ダウンロード可能です。

電子工作が安価に行える
Raspberry Pi には GPIO ピンという端子が用意されており、この GPIO を使用することで簡単に電子工作をすることが出来ます。
Raspberry Pi を使うことで、直接センサーを接続することができるため、センサーから得た情報をRaspberry Pi 内で直接処理することができます。

コンピュータシステムを実地で理解できる
ブレッドボードを使えば、ブレッドボートの穴にジャンパワイヤーの両端の「ピン」を差すだけで部品間の電気的な接続ができます。接続を間違えてしまった場合でも、何度でもやり直しができます。
このように、Raspberry Pi であれば、電子工作パーツの組立てやコンピュータの仕組みといった電子工学を実地で楽しみながら理解できます。

Raspberry Pi はじめる際の注意点は?

プログラミング完全初心者にはハードルが高い
Raspberry Pi は、Arduino などの、一度に一つのプログラムを実行するマイコンと違い、OS を使うことで複数のプログラムを同時に実行することができます。
ただ、その一方でできることが多すぎるために、電子工作のフェーズにたどり着くのに多くの手間がかかってしまうという面もあります。これは、初心者にとっては少しハードルが高いかもしれません。一定以上のパソコンやプログラミングのスキルをもっている人におすすめです。

脆弱性が高い
Raspberry Pi は安価で高性能なコンピュータではありますが、産業用PCほどの安定性はなく、セキュリティ面で課題があります。
なかでも電源周りや SD/microSD によるメモリ管理に脆弱性があるので、遅延や停止が許されない制御機器などには向きません。
またネットワークにつながっていることで、サイバー攻撃といったリスクも存在します。
2019 年 6 月に NASA の JPL (ジェット推進研究所) から研究データが盗まれるという事件が起こりましたが、これは JPL のネットワークに無許可で Raspberry Pi が接続されていたことが原因とされています。

こういった事態を防ぐためには、Raspberry Pi の運用ルールと管理体制を万全な状態にしておく必要があります。

Raspberry Piの種類は?

Raspberry Pi財団の公式ページを見てもわかるとおり、年々進化してきた Raspberry Pi には数多くのボードがありますが、サーバとして使用する場合やサイズを気にしない場合は高性能な「Raspberry Pi 4 Model B」が定番で、小型のものを作りたたければ、ラズベリーパイZero がおすすめです。
また、はじめて Raspberry Pi を利用する場合は、全てが揃っている「Raspberry Pi 4 Desktop Kit」という製品もあります。

代表的なボードのスペックを次の表にまとめました。
なかでも、ボードは大きく分けて二つの系統に分けられます。一つはフルサイズの Model B 系統で、2019 年にリリースされた Raspberry Pi 4 Model B が最新版です。もう一つはそれを小型化した Zero 系統で、Wi-Fi や BLE を搭載した小型の Raspberry Pi Zero W があります。

ボード名 発売年 CPU メモリ Wi-Fi / Bluetooth
Raspberry Pi 1 Model B 2012 年 700 MHz
シングルコア
256 MB なし
Raspberry Pi 2 Model B 2015 年 900MHz
クアッドコア
512 MB なし
Raspberry Pi 3 Model B+ 2018 年 1.4GHz
クアッドコア
1 GB 2.4 , 5 GHz Wi-Fi
BLE 4.2
Raspberry Pi 4 Model B 2019 年 1.5GHz
クアッドコア
1, 2, 4GB 2.4 , 5 GHz Wi-Fi
BLE 4.2
Raspberry Pi Zero W 2017 年 1Hz
クアッドコア
512 MB 2.4 GHz Wi-Fi
BLE 4.1

Raspberry Piの勉強方法は?

書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやエンジニアのコミュニティサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。

ただ、Raspberry Piに限らず、ITスキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。

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