RedHatとは?Red Hat Enterprise Linux(RHEL)についてわかりやすく解説

  • 2022.06.14
       
RedHatとは?Red Hat Enterprise Linux(RHEL)についてわかりやすく解説

RedHatとは?

RedHat には、Linuxディストリビューションを提供するRedHat社や同社が提供するディストリビューションである「RHEL(=Red Hat Enterprise Linux)」を指すのが一般的です。

本記事では後者について詳しく解説していくので、その予備知識としてまず、前者の RedHat社について紹介していきます。

会社・歴史

RedHat社はオープンソース・ソリューションのプロバイダとして世界を牽引する企業です。
特に、Linux の有償ディストリビューションに関しては提供企業のなかでも最大手です。
同社は1993 年に創立され、2012 年にはオープンソース・テクノロジー業界で初となる10 億ドル超えの収益を達成しました。
2019 年に IBM社に買収されて傘下に入りましたが、 その買収額は340 億ドル(日本円で約3兆7000億円)と、ソフトウェア業界で最高額をたたき出しました。

“お客様、開発者、パートナー企業の懸け橋となり、

オープンソースのちからで優れたテクノロジーを創り出すこと。”
「Red Hat 企業理念、2009 年」

企業理念にあるように、RedHat社はオープンソース・ソフトウェア関連の技術サービスを主力事業としています。
ただ、Linux のようなオープンソース・ソフトウェアは誰でも無料で利用できますが、サポートはされていません。企業が Linux を利用し、不測の事態が発生した場合に問い合わせができる「開発元」に相当するサポート体制が必要ですよね。ここで、RedHat社は Linux に関する窓口を有償で提供するという事業モデルを確立しました。

RedHat社についてわかったところで本題の「RHEL」について掘り下げていきましょう。

RHEL(レル)とは?

RHEL(=Red Hat Enterprise Linux )は、2002年に RedHat社が開発し、現在でも販売を続けているオープンソースの商用 Linux ディストリビューションです。
エンタープライズ用途を考慮して作られており、規模の大きいシステムでの稼動を前提としています。

RHELの歴史

RedHat社から「RedHatLinux」というメジャーなディストリビューションがリリースされていました。しかし、非常に扱いやすい構成になっているものの、商用アプリケーションにおいてバージョンアップの度に互換性の問題が生じていました。そこで、企業向けのエンタープライズ用途に耐えられる「長期サポートが可能な Linux」として RHEL が開発されました。

これにより、同社は一般向けの「Red Hat Linux」と企業向けの「Red Hat Enterprise Linux」を展開していましたが、2003年に前者は「FedoraCore(現在はFedora)」に名前を変え、同社事業から切り離されました。

一方の RHEL においては、Fedoraで得た成果を基に新しい技術を取り入れていくという形でバージョンアップを行っており、RedHat社が2022年5月10日に行われる「Red Hat Summit 2022」に合わせて RHEL の最新版である「Red Hat Enterprise Linux 9」のリリースを発表しました。

ディストリビューションについて

RHEL はLinuxディストリビューションのひとつだと説明しましたが、よくわからない人に向けて追加で説明していきますね。

まず、OS が Linux であるのは「広義のLinux」であって、それとは別に「狭義のLinux」があるのです。
このOSというのはコンピュータ全体を管理、制御して動かす役割があります。
PC の分野では Windows や macOS、Linux が有名で、スマホの分野では Android や iOS などがあります。
たとえば、PC に Windows を入れれば Windows 仕様になりますし、Linux を入れれば Linux 仕様になります。

次にカーネルについてですが、カーネルは OS の中核となるソフトウェアです。
カーネルは OS における重要な要素ですが、これだけでは OS は成り立ちません。
カーネルに加えていくつかのソフトウェアが組み合わさることで1つの OS となります。

先ほど Linux は OS だと説明しましたが、実は Linux は厳密にはカーネルなのです。
これを「狭義のLinux」と呼びます。
カーネルである Linux といくつかのソフトウェアが組み合わさったもの」を「Linuxディストリビューション」といい、これでようやく Linux パソコンとして機能します。

つまり、RHEL も「Linux」という名前のカーネルを使っている OS のひとつなのです。

HRELのシェア

Linux は無料というイメージが強いですが、RHEL は有償のサポートを提供しています。
情報システムで Linux を安定的に稼働させる必要のある企業にとって、セキュリティ性が高いこと、そして、サポートが保証されている必要があります。この点、RHEL であれば、有償ではありますがディストリビューションサービスが利用できるため、不測の事態が起こった場合でもサポートを受けられます。高い信頼性を求める企業にとって安心できますね。

さらに、RHEL は、エンタープライズシステムユーズに対応すべく、「安全性の高さ」、「対応できるハードウェアの多さ」、「保守性の高さ」に優れているため、企業や政府、研究機関など、幅広く利用されており、高いシェアを誇っています。

下のグラフは国内の Linuxディストリビューシ市場占有率を示しています。
RedHat社は現在、国内の商用 Linuxディストリビューション市場において約80%と、圧倒的なのがわかりますね。

RHELの特徴

  • サブスクリプション契約によるサポートが充実している
  • 多くのハードウェアに対応している

サブスクリプション契約によるサポートが充実している

RedHat社はRHELのライセンス料金は無料ですがサブスクリプション契約によるサポート料で収益を得ています。
このサブスクリプション契約は、料金を支払うことで契約期間中はRHELの製品保証やサポートサービスを受ける権利を指します。
契約ユーザには、サブスクリプション契約によりリリース後10年間という長期的なアップデートと回数制限のないテクニカルサポートが提供されます。
RHELの10年というサポート期間の長さはLinuxでは異例といえます。

サブスクリプション契約によるサービス
RedHat社による知的所有権の保証
最新バージョンへのアップデート
ソフトウェアの更新
定期的なアップデート
バグ修正対応
ハードウェア変更後の継続利用
システム管理ツールの利用
テクニカルサポート

サポート種類
RHELのサポートの種類としては、「Standard」と「Premium」の2種類があります。
それぞれサポート内容も異なりますが、大きな違いは「サポート時間」にあります。
Premium のサポート時間が。24時間365日であるのに対し、Standard のサポート時間は平日の9:00~17:00に限定されています

多くのハードウェアに対応している

RHEL は、PCからメインフレームまで、あらゆるハードウェアに対応しているLinuxディストリビューションです。
物理サーバや仮想サーバ、パブリッククラウドといったさまざまなハードウェアプラットフォームで利用できます。
また、RedHat社による厳しい品質管理、あらゆるメーカーのハードウェア上での動作認定が行われるため高い安定性も保たれています。

     

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