Spring Frameworkとは?できることやメリット、導入に必要なものを解説

  • 2023.03.24
       
Spring Frameworkとは?できることやメリット、導入に必要なものを解説

Spring Frameworkとは?

Spring FrameworkはJavaのWebフレームワークです。
WebフレームワークにはWeb開発を効率化するさまざまな機能が備わっており、共通する機能を1から開発する手間が省けて開発期間を大幅に短縮することができます。
Spring Frameworkには、ログイン認証など、セキュリティ関連の機能も備わっているため、自身でセキュリティ対策をせずとも一定のセキュリティレベルを保てます。
フレームワークのルールに則って開発を進めることで開発担当者ごとのばらつきが軽減され、書き方も統一されます。また開発経験の浅いエンジニアが担当する場合でも一定の品質を保証できます。
Spring Frameworkは2004年にリリースされて以降、現在もアップデートされ続けており、多くのユーザが存在します。

Spring Frameworkでの開発の流れ

Spring Frameworkでの開発は基本的に次のような流れで開発を進めます。
1. Spring Frameworkに必要な環境を構築する
2. Spring Framework用のプロジェクトを作成する
3. Spring Framework用のプロジェクトでアプリを開発する

Spring Frameworkでできること

クラウドアプリ開発

クラウドアプリとは文字通りクラウド上で動くアプリです。アプリを動かす際は通常であればサーバ用のPCが必要になりますが、クラウドアプリはそういった環境を必要とせず、クラウド環境を利用してアプリ開発が行えます。
Spring FrameworkにはMicrosoft社のクラウド環境である「Azure (アジュール)」というアプリを開発できる環境が備わっています。システムの運用にかかる費用の削減や自然災害が起こるリスクへの備えとしてクラウドへの移行を積極的に行われる傾向にある昨今において、クラウドアプリ開発ができるというのは嬉しいポイントですね。

Webアプリ開発

Spring FrameworkはWebアプリであれば基本的にはなんでも作成可能です。また、Webアプリは基本的に開発してリリースしてしまえば終わりということではなく、機能の追加実装や不具合が生じた場合の対応が必要になってきますが、機能拡張やバグの修正のしやすいSpring Frameworkは開発者にとって最適のフレームワークといえます。

Spring Frameworkのメリット

プログラムの拡張性が高い

Spring Frameworkの基本機能の大部分がインターフェースの役割を担っています。この「インターフェース」とは必要な機能を使うための名前をまとめたもののことです。Spring Frameworkでは使いたいと思った機能に名前を付けるだけで簡単に利用できるようになります。
Spring Frameworkでは「メソッド」で処理の単位を表します。特定のメソッドを利用する場合、いちいち長いプログラムを書かなくても「メソッド名」を指定するだけで簡単にインターフェースから呼び出せます。
このメソッドは後から必要になった機能を追加していくことも可能で、簡単に追加していけるのでとても拡張性が高いといえます。

プログラムの変更がしやすい

Spring Frameworkには「DI」というプログラムを変更しやすい仕組みが備わっています。DIではプログラムに必要な設定を外部のファイルに保存できるため、設定に変更が起こった場合も設定ファイルのみの変更で対応でき、プログラムを修正する必要がないのです。
Javaを用いたアプリ開発は規模の大きなものが多く、開発途中で修正や変更を加える場合にはかなりの時間や労力を要しますが、Spring Frameworkを利用することで開発途中での修正や変更がしやすくなりました。

プログラムの保守が簡単にできる

Spring Frameworkには「AOP」という保守を簡単に行えるようにする機能が備わっています。このAOP (Aspect Oriented Programming) とは、アスペクト指向プログラミングのことで、簡単に言うと汎用的な処理を作ることで1つの処理を使いまわしできる仕組みのことです。たとえば、アプリを開発する際、メッセージ表示機能はいろいろなところで使いますが、この処理を一つ一つ別々に作ってしまうと修正するとなった場合にそれぞれを修正しなくてはならず大変な作業になってしまいます。その点、AOPを利用すれば、メッセージ表示機能という処理を1つ作っておけば、複数の処理で利用できるのでプログラムの保守が非常に楽になります。

テストが簡単にできる

プログラムを作成するときは必ず正しく動くかを確認するためにテストを行います。テストの際はテスト用のプログラムを作成してテストを行いますが、時間のかかる作業です。こういった問題もSpring Frameworkであれば解決できます。
Spring Frameworkには、コードのバグ検証ができる専用のテストプログラムが備わっており、システム結合時のエラーなどを事前に検証・修正できます。また、実装した機能が正常に動作しているか確認もできるため、開発にかかる工程数も少なく抑えられます。
たとえば、Spring Frameworkには「Spring Test」というテストプログラムを簡単に作成できるようにする機能があり、これを使えばテストプログラムを簡単に作成できるようになるのはもちろんのこと、テストの作成や管理がしやすいフレームワーク「JUnit」とも連携していることでテストや結果の確認もしやすくなります。このように、Spring Testの活用により、バグの発生を最小限に抑えつつ、安全に開発を進められます。

Spring Frameworkの導入に必要になるもの

Spring Frameworkを導入するには最低でも以下の3つが必要になります。

  • JDK
  • Maven
  • Spring Tool Suite (STS)

一つずつ説明していきます。
JDK
JDKはJavaのプログラムを動かすのに必要なもののことです。Spring Frameworkを使用する際も必須なので使用前に最新版に更新しておきましょう。

Maven
Javaプログラムをビルド (実行するための準備) するためのツールで、プログラムの動作確認に必要になるツールです。

Spring Tool Suite (STS)
Spring Frameworkで開発する際に利用するソフトウェアです。このようなソフトウェアを統合開発環境といい、統合開発環境を利用することでプロジェクトの作成からコードの記述、デバッグ、プログラムの動作確認まで一貫して行えます。
Javaの統合開発環境として有名なものにはEclipsがありますが、これをベースとしてSpring Frameworkを利用できるように変更を加えたものが「Spring Tool Suite (STS)」です。インストール直後は英語で表記されていますが、日本語表記に切り替えられるため英語が苦手という方でも安心して利用できるでしょう。

     

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