GCPとは?概要やできること、メリットを解説

  • 2023.06.02
       
GCPとは?概要やできること、メリットを解説

多くの人がクラウドサービスを利用するようになった昨今では、「GCP」という言葉をよく耳にするようになりました。
近年 AWS や Azure といった、Web開発における基盤を提供するインフラサービスが登場していますが、GCP もそのひとつで、Google社で実際に使われているテクノロジーやインフラをクラウド上で提供しているサービスの総称です。
本記事では、近年注目されている GCP について解説します。

GCPとは

GCP は、Google Cloud Platform の略で、Google社が提供するクラウドサービスの総称です。Google検索やGoogleマップ、Gmail、YouTube といったサービスもすべて GCP の上で動いています。
もともとは、2008 年にリリースされた PaaS (クラウド上でプラットフォームを提供するサービス) 「Google App Engine」、2011年にリリースされたビッグデータ解析サービス「BigQuery」、2012年にリリースされた IaaS (クラウド上で仮想サーバを提供するサービス) 「Google Compute Engine」など、しばらくはそれぞれ個別のサービスとして提供されていましたが、2013年にサービスを統合し、「Google Cloud Platform」として提供されるようになりました。

このように、Google社内で実際に使われている技術やインフラを利用することで効率的な Web開発や運用ができます。また、同社の強みでもあるデータ解析や機械学習などの高度な技術も活用できます。

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GCPでできること

GCP はクラウドサービスのため、マシンやネットワークといったインフラや開発環境となるプラットフォームなどを用意せずに、導入コストや運用コストを抑えつつGoogle社の高い技術を利用できます。
GCP を利用することであらゆることができますが、そのなかでも代表的なものを紹介します。

需要予測
GCP は AI技術とデータ処理技術が非常に優れているのが特徴です。顧客データをもとにそれらを活用することで需要予測ができます。

データ運用
GCP の提供する BigQuery はデータ分析や運用を効率化するツールであり、データの分析の準備にかかる時間や労力を大幅に削減でき、運用効率を上げられます。
また、BigQuery は Google Analytics 4 とも連携できるため、Googleアナリティクス上のデータも BigQuery で分析できるなど、プラットフォームをまたいだデータ分析も行えるようになっています。

急激な負荷に対応できる環境
GCP には、急激な負荷にも耐えられる環境も備わっています。急激な負荷上昇があった場合でも負荷を分散させることでオートスケールの追従が圧倒的に速いです。

ゲーム開発
フルマネージドで優れたオートスケール性能をもつ App Engine を利用することで、少人数・低コストでゲーム開発ができます。

画像分類
Auto ML を利用することで機械学習に関する専門知識がなくても、直感的に必要な項目を設定するだけで、AI技術を応用した精度の高いモデルを作成できます。

働き方改革
Google Workspace (Suite) を利用することで業務効率の改善だけでなく、コミュニケーションの取り方も変化しました。

GCPを利用するメリット

Google社の技術を利用して開発ができるほかにも、コスト面や利便性としてもさまざまなメリットがあります。

コストが抑えられる
まず、第一に、GCP はコストが比較的低いということがメリットに挙げられます。GCP を使うメリットは同様のサービスである、AWS や Azure といった類似サービスと比較することで分かりやすくなるのですが、特にデータベースの利用料金は群を抜いて安いです。

最新技術を用いたサービスを利用できる
また、データ解析や機械学習においても、GCP の最先端技術を生かしたサービスが利用できます。同様のサービスは AWS、Azure にも存在するのですが、GCPのものは性能として高いということが挙げられます。

作業を効率化できる
最後に、Googleは日々膨大なデータを扱っており、その経験を活かしたデータ分析を効率的に行えることにもメリットがあります。
特にデータの処理速度の速さに特徴があり、スピード感を持った分析を可能にします。

GCPが提供するサービス

コンピューティング

Compute Engine
Compute Engine は Google社が提供する IaaSという形態のサービスで、仮想マシンをクラウド上で提供しています。仮想マシンやネットワークといったインフラ環境をクラウドで利用できるので、導入コストや運用コストを抑えられます。

App Engine
App Engine は Google社 が提供する PaaS という形態のサービスで、アプリケーションを実行するためのプラットフォームをクラウドで提供するものです。Google社の提供する安定した環境でアプリ開発ができ、メンテナンスも不要であるため、開発に集中できます。

ストレージ

Cloud Storage
Cloud Storage は高い可用性を持つオブジェクトストレージサービスです。容量無制限で、自動でバックアップを生成する機能も備わっているのでファイルの保存場所として利用できるだけでなく、Web上に公開もできます。

Cloud Datastore
Cloud Datastore は、フルマネージドの NoSQLデータベースです。
Cloud Datastore には必要に応じて自動的に拡張する機能があるため、高い負荷のかかる処理も高速で行うことが可能です。NoSQL とは SQL言語を使わないデータベースのことで、ビッグデータなどを扱うのに適しています。

ビッグデータ

BigQuery
クラウド上にあるビッグデータを高速で解析できるサービスです。BigQuery を利用すれば 2.5億件のトランザクションデータを約2分半で処理できるので、リアルタイムでのユーザのデータ解析ができます。

Cloud Dataflow
Cloud Dataflow は膨大なデータをリアルタイムで処理するストリームデータ処理と一括処理するバッチ処理を簡単に行うフルマネージドのプロセッシングサービスです。データの取得から変換、分析、分類と幅広い処理パターンを統合したプログラミングモデルが提供されているため、これを利用することでリソース管理やパフォーマンス最適化といった運用作業の手間が省けます。

サービス

Cloud DNS
Google社の信頼性が高く、高いパフォーマンスを発揮するDNS を提供するサービスです。DNS は IPアドレスを人間が理解しやすい文字列に変換するもので、ドメイン管理には必要不可欠な存在です。 Cloud DNS を利用することでこの DNSレコードを作成できます。

Translate API
Translate API は翻訳API とも呼ばれ、言語に関係なく API で受け取った文字列の検出と翻訳ができます。Google翻訳と統合することで、対応する数千の言語間を瞬時に翻訳できるため、多言語間のコミュニケーションが簡単になります。

GCPとAWSの違い

GCP とよく比較されるクラウドサービスに Amazon社の提供するサービス、AWS があります。
GCP と同様に安定した環境を提供する AWS も多くの企業で利用されています。
この 2つのクラウドサービスについて、両者の違いを解説します。

GCP の強みは、Google社のインフラを利用できることです。なかでも、最新技術を利用したビッグデータ解析や機械学習機能もサービスとして提供されているという点では、ほかのクラウドサービスと比べても優位性があります。

一方、AWS の強みは、豊富なサービスが提供されていることで、複雑なシステム構築も可能になるなど、柔軟性に長けた Web開発ができることです。ただ、サービスが多すぎるが故に設計が複雑化しやすく、専門知識も必要になります。

このようにデータ分析に長けているGCP、柔軟性に長けて用途が幅広い AWS と、両者にはそれぞれ違った強みがあるので、利用シーンに応じて検討するのがいいでしょう。

     

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