ゲーム開発を考える人がまず思うのは、どんなスキルが必要か、開発の手順、どんな言語やツールを使うのがいいのかといったことでしょう。ゲーム開発というと面白そうで、プログラミング言語を楽しく学べる半面、やはり難しそうなイメージもありますよね。
そこで本記事では、初心者が個人でゲーム開発するのに必要な情報を一通り解説します。おすすめのゲームジャンルや開発における注意点についても併せて紹介するのでぜひ参考にしてください。
個人でもゲームを作れる?
ゲーム開発は、簡単なものであれば個人でも制作できます。昨今では、ゲームエンジンが安く手に入るようになり、ゲームを公開するためのプラットフォームも整いました。
ただ、コンシューマーゲームなどは高度なプログラミングスキルがないと難しいのでプログラミング初心者や初めてゲーム制作をするという人はシンプルで簡単なブラウザゲームやスマホゲームから始めるのをおすすめします。
ゲーム開発初心者におすすめのジャンルは?
ブラウザゲーム
主な開発言語:C#/C++/JavaScript
ブラウザゲームは、PCやスマホのWebブラウザでプレイできるゲームのことです。「ビビッドアーミー」など、数々の人気ゲームがあります。初心者には「Cocos2d-x」というゲームエンジンがおすすめです。このゲームエンジンでは、C言語系よりも習得しやすい「JavaScript」を使うので扱いやすいです。
スマホゲーム
主な開発言語:Swift/Kotlin/Java
スマホゲームは、スマートフォンにアプリをインストールしてプレイするゲームのことです。「モンスターストライク」など、スマホゲームには人気のものも多く、市場拡大を続けています。
スマホゲームにはiPhoneやiPadなどのApple製品向けかAndroid端末向けか開発に用いる言語が変わってきます。iOS版ならSwift、Android版ならKotlinやJavaを使って開発するのが一般的です。
SwiftやKotlinはどちらも文法が簡単でコードもシンプルなのでプログラミング初心者にもチャレンジしやすいのでおすすめです。
また、ゲーム自体のジャンルですが、初心者には、パズルゲーム系やクイズゲーム、ノベルゲームなど、なるべく動きが少ないものだと開発が比較的簡単にでき、作業量も少ないのでおすすめです。
ゲーム開発に必要なスキル
ゲーム開発をするうえで最低限必要となるスキルを紹介します。
プログラミングスキル
大前提としてプログラミングスキルは必要です。後ほど詳しく説明しますがプログラミングによって得意分野があるので開発したいジャンルによって言語を選びましょう。
開発周りの知識
開発するジャンルによってゲームが動作する仕組みも異なります。どのような仕組みで動いているのか、どんなハードウェアが使われるかといったことも知っておく必要があります。ほかにも開発環境やフレームワークなどの知識も欠かせません。
ジャンル別で使われることの多いプログラミング言語や開発環境・フレームワークを一覧表にしたので言語選びの参考にしてください。
ジャンル | 代表的な開発言語 | 代表的な開発環境・フレームワーク |
ブラウザゲーム | C++/C#/JavaScript | Unity/Unreal Engine/Cocos2d-x |
スマホゲーム(iOS) | Swift/Objective-C | Xcode |
スマホゲーム(Android) | Kotlin/Java | Android Studio |
PCゲーム | C++/C#/Java | Visual Studio/Xcode |
VRゲーム | C++/C#/JavaScript | Unity/Unreal Engine/ReactVR |
コンシューマー ゲーム | C++/C# | Unity/Unreal Engine |
ゲーム開発に必要なものは?
ゲーム制作に最低限必要なものとしては以下のようなものがあります。
- 開発用のPC:メモリ 8GB/CPU Core i5/ストレージ 256GB程度
- 開発環境:ゲームエンジンまたはゲーム開発ツール
- ネット環境:安定したネット回線があると動作が快適
開発するゲームや使うツールによって必要なスペックも変わります。
ゲーム開発の流れ
個人でゲームを制作する場合の手順を次の7つのステップに分けて紹介します。
- 企画ーどんなゲームを作るか決める
- 設計ーゲームの仕様書を作る
- 環境構築ーゲーム制作ツールを用意する
- 素材収集ーゲームに必要な素材を用意する
- 実装ープログラムを書く
- テストー動作確認する
- リリースーゲームを一般公開する
企画
まずは、アイデア出しをしてどのようなゲームを作るか大枠を決めます。主に以下の項目などを決めていきます。
- ゲームジャンル
- プラットフォーム(iOS、Android、ブラウザ、Windows、macOSなど)
- 登場するキャラクター
- 操作方法
おおまかな方針が決まったら、これを仕様書に落とし込んでいきます。
設計
企画を設計図に落とし込みます。企画内容をより具体的に検討し、それを実現するために開発に使用するプログラミング言語やゲームエンジン、フレームワーク・ライブラリなども決める必要があります。
環境構築
ソフトウェアのインストールなど、開発環境を整えてプログラムを書き始められるようにします。
素材収集
環境構築と併せて、ゲーム内で必要となる素材を用意します。自分で一からデザインすることも可能ですが、慣れていないと時間や労力がかかるのでプログラミングに割くほうがゲーム自体のクオリティーは上がるので、一旦はフリー素材などを使うなどして、そちらを優先しましょう。
実装
環境構築が完了したら、いよいよプログラミングをしていきます。仕様書に沿って画像の配置やキャラクターの動きをプログラミングで表現していきましょう。
テスト
一通りのプログラミング作業が完了したら、テストプレイをします。
ボタンが反応しない、キャラクターが想定通りの動きをしないなど、不具合を見つけた場合は修正していきます。完成後は基本このデバッグ作業を繰り返します。ここがゲームの質を担保する重要な作業であるのに間違いありません。大変な作業ではありますが、乗り越えましょう!
リリース
テストで問題がなければ、ゲームは完成です。これで終わりでもいいですが、一般公開することで多くの人にプレイしてもらうことができます。個人開発したゲームをリリースするさいにおすすめの媒体を3つとリリースにかかる料金(2024年1月時点)を紹介します。
ジャンル | 代表的な媒体 | 料金 |
ブラウザゲーム | unityroom | 無料 |
スマホゲーム(iOS) | App Store | 「Apple Developer Program」登録料:99ドル/年 |
スマホゲーム(Android) | Google Play | デベロッパーアカウント登録料:25ドル |
PCゲーム・VRゲーム | STEAM | 登録・提出料:100ドル |
ゲーム開発におすすめのプログラミング言語
主なプログラミング言語を以下の表にまとめました。
言語 | 習得難易度 | 特徴 | おすすめの用途 |
C++ | ★★★ | 最もポピュラー C言語と互換性がある 処理速度が速い 汎用性が高い | アプリからロボットまで基本的な部分の構築 |
C# | ★★ | 実行速度は、CやC++より劣る 簡潔なコードが書ける | GUIアプリ開発、Webアプリ開発、ゲーム開発、クロスプラットフォーム開発 |
Java | ★★ | 汎用性が高い | システム開発、Web開発、アプリ開発 |
JavaScript | ★ | ブラウザ上で動くゲーム開発には不可欠 | HTMLコンテンツ・コードの変更、動的なWebページの開発、Webサービス、アプリ開発、ゲーム開発 |
Go | ★★ | コードがシンプルで初心者でも理解しやすい 処理速度が速い ミスが起きにくい 例外処理ができない | Webサーバ・サービスの構築、スマホアプリ開発、ドローン、IoTなど |
Objective-C | ★ | iOSアプリ制作 | |
Swift | ★ | コーディングが簡単 動作が軽い | iOSアプリ制作 |
ゲーム開発におすすめのゲームエンジン
ゲームエンジンとは、ゲーム開発に必要な要素(開発コンソールやライブラリ、素材、機能など)をまとめた開発環境のことです。ゲームエンジンを使うことでゲーム開発を効率良く進められるうえに高度な開発が可能です。
ゲーム開発において特にシェアが高いのは、unityとUnreal Engineです。
unityは、世界的に使用率トップです。そのため、情報も数多くネットに上がっています。利用言語はC#です。
使用率のシェア2位のUnreal Engineは3Dゲーム開発用のゲームエンジンで利用する言語はC++です。こちらを利用するとグラフィックを重視した開発ができます。
おすすめのゲーム制作ツール
ゲーム制作ツールとは、特定のゲームジャンルに特化した開発ツールです。ノーコードで制作できるツールも多く、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
代表的なものにはRPGツクールMVやSMILE GAME BUILDERなどがあります。
ゲーム開発での心得
初心者がゲーム開発するのは簡単ではありません。では、どのような心構えで臨めばゲーム完成まで乗り切れるのでしょうか。
ステップバイステップで完成を目指す
ゲームは一朝一夕で完成するものではありません。長期的なスパンでみて少しずつ知識を取り入れながら、ゲーム開発を通してスキルを習得していくつもりで取り掛かりましょう。今日はこの機能だけ実装する、30分だけ実装する、といった感じで一歩一歩着実に前進することが大切です。
知識共有サイトを活用する
プログラミングに関する知識・スキルを共有するWebサイトや質問サイトなどを活用することで、疑問点を解決したり、ほかのプログラミングを頑張る同士の姿が見れることでモチベーションを高く維持することができるでしょう。わからないことがあったら放置せず、まずはインターネットなどで解決できないか調べることもとても重要です。
ゲーム開発における注意点
コードをバックアップしてきちんと管理する
コードをしっかり管理しておかないと、間違って消してしまった場合やデータが飛んだ場合に困るので必ずバックアップは取っておきましょう。
こだわりすぎない
ゲームを作り始めるとあれもこれもと実装したい機能が増えたり細部までこだわりたくなってしまうこともあるでしょう。しかし、必要以上にこだわると時間も労力も消耗してしまい、完成までにモチベーションが保てなくなる恐れがあります。まずは、ゲームを完成させることを第一の目標にして取り組む必要があります。
著作権侵害に気をつける
フリー素材のものでも、なかには商用利用が不可能なものもあるので注意が必要です。
ゲーム開発はプログラミングの勉強と並行して進めよう
ゲームが好きな人は自身で開発をしてみるのも良いでしょう。ゲームを開発する過程でプログラミングの学習になり、楽しみながらスキルを身につけられます。最初は小規模でシンプルなゲームの開発からチャレンジしてみて少しずつ目標・ゴール設定を上げていくことが大切です。
ゲーム開発に必要なプログラミングの勉強方法は?
書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやエンジニアのコミュニティサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。
ただ、プログラミングに限らず、ITスキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。
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