flutterとは?メリットやデメリット、将来性を解説

  • 2023.06.02
       
flutterとは?メリットやデメリット、将来性を解説

Flutterとは?

Flutter は 2018年に Google社が開発したオープンソースの「モバイルアプリを開発するためのフレームワーク」で、Androidアプリと iOSアプリの両方を同時に作成できる開発ツールです。

Webアプリやスマホアプリを開発する場合、通常はAndroidとiOSを分けて開発する必要がありましたが(*1)、Flutterを使うことで両者でコードを共有できるため、開発にかけるコストや手間を削減できます。
また、AndroidアプリとiOSアプリを同時に開発できることで、同じ仕様で開発してもデザインや見た目に違いが出るという問題も解決できます。
Flutterは米国、中国、インドなどのIT大国を中心に注目を集めており、Google社をはじめ、Square社やAlibaba Groupなど、Flutterの利用を開始する企業も増加いています。日本でもサーバーエージェント社が導入するなど、需要が高まっており、今後はますます需要が高まるでしょう。

(*1) : AndroidアプリはAndroid Studio(アプリ開発ツール)、Android SDK(ソフトウェア開発キット)、 KotlinあるいはJava(プログラミング言語)を利用するのに対し、iOSアプリはXCode(アプリ開発ツール)、iOS SDK(ソフトウェア開発キット)、Swift(プログラミング言語)を利用する。このように、同じモバイルアプリでもAndroidアプリとiOSアプリとでは作る工程が全く異なります。

Flutterで使われる言語「Dart」とは?

Dart (ダート) は、2011年にGoogle社で開発されたプログラミング言語です。これまで同社で開発された Webサービスにもよく使用されていましたが、TypeScript が社内の標準言語として採用されて以降は Dart の需要は下火傾向にありましたが Flutter の人気に伴って Dart も再び注目を浴びるようになりました。

JavaScript の後継を意識した設計になっており、文法も似ているため、JavaScript を習得しているエンジニアにとっては習得に時間がかからないでしょう。ほかにも、Java や C言語、C# などといった言語にも似た部分があるので Dart に移行する場合も比較的簡単に行えるでしょう。

プログラミングの基礎からサイト制作まで
↓実践力が身につくプログラミングスクール↓

ITエンジニアの学校 テックマニアスクール

≫モニター割引キャンペーン実施中!≪

Flutterのメリット

クロスプラネットフォーム開発ができる
Flutter の最大の魅力はやはり、Androidアプリと iOSアプリを同時に作成できる「クロスプラットフォーム開発」ができるところです。通常は Androidアプリは Kotlin、iOSアプリは Swift といったように別々の言語を使って開発する必要があります。しかし、Flutter で使われる「Dart」という言語はそのどちらにも対応しているため、両者を分けて開発する必要がないのです。

また、2021年 3月に公開した新バージョン「Flutter2」では、AndroidやiOSといったモバイルアプリだけでなく、Windows、macOS、Linuxといったデスクトップアプリ、ほかにも Webアプリや IoT向けデバイスのアプリまでカバーするなど、現在する大抵のプラットフォームに対応可能になり、さらに汎用性が向上しました。
同じアプリケーションを PC やスマートフォン、タブレット、ゲーム機器、IoT機器など複数のプラットフォームで利用することを「クロスデバイス」や「マルチデバイス」といいますが、こういった利用形態が当たり前になってきた現代では、ユーザがプラットフォームごとの差を意識せずに利用できるよう、「クロスプラットフォーム開発」の需要が高まっています。
Flutter以外にもクロスプラットフォームに対応した言語やツールはありますが、Flutter ほど汎用性の高いツールは少ないです。
このように、クロスプラットフォーム開発に対応している Flutter はかなり便利なことがわかります。 

UIデザインを統一できる
Flutter では、プラットフォームに依存せずに、UIデザインを統一することができるため、ユーザにとって使いやすいアプリを開発できます。これは、Google社が推奨する「マテリアルデザイン」を採用しているためです。マテリアルデザインとは、ユーザが直観的に UI (ユーザインターフェース) を理解し、操作できるようなデザインを指します。マテリアルデザインを取り入れたアプリは、見やすく、直観的な操作ができるため、コンバージョン率にも影響が出ます。

アプリケーション開発を高速化できる
Flutter を使えば Androidアプリと iOSアプリを同時に開発できるため通常よりも開発効率を上げられ、仕様変更などがあった場合でも柔軟に対応できます。
それに加え、Flutter には「ホットリロード」という機能があり、これが大いに活躍してくれます。従来のアプリ開発では、コードを変更したら、その都度アプリを再起動しなくては更新されないため、確認するまで数分かかっていました。しかし、Flutter のこの機能を使えば、コード変更をして数秒という速さでアプリに反映できます。

エンジニアの人員コストを削減できる
Flutter では開発の作業量を削減できる分、開発を担うエンジニアの人数も削減できます。
先述したように、通常は Androidアプリは Kotlin、と iOSアプリは Swift といいうように、別の言語で開発しなくてはならず、それぞれにエンジニアを手配しなくてはなりませんでした。その点、Flutter を用いた開発にはその必要がないため、導入時には時間がかかる可能性はありますが、その後を考慮すると Flutter がおすすめです。

Flutterのデメリット

扱えるエンジニアが少ない
Flutter の利用を始める企業が増える一方で、Flutter を扱えるエンジニアが少ないというのが現状です。
人員の確保が難しい可能性があります。

日本語の資料が少ない
Flutter は Google社によって開発されていることもあり、ドキュメントの多くは英語で書かれています。 Flutter を理解するには英語のドキュメントを読まなくてはなりません。そのため、英語が苦手なエンジニアは苦労するかもしれません。

開発に慣れるまでは難しい
Flutter は一度習得してしまえば開発スピードをあげられますが、その習得に時間を要します。また、開発環境の構築も初心者には難しいため、開発環境の整備だけでもかなりの時間がかかってしまうことが想定されます。

ライブラリの実装ができない場合がある
Flutter を使った開発ではライブラリを活用できないという場合があります。たとえば、Flutter を使うことで、通常であれば利用できる Kotlin や Swift のライブラリが利用できないといったケースもあり、逆に手間がかかってしまう場合もあります。
こういったケースがあるのも考慮し、開発前にあらかじめ、どちらが効率的なのか検討する必要があります。

SEO対策には未対応
Flutter は Dart で書かれたコードを JavaScript に変換することで Webアプリを構築するため、SEO対策はできないというのが現状です。Flutter で一般ユーザに利用してもらうことを想定した Webアプリを作成しても、SEO による集客は見込めないということを念頭に置いておきましょう。

Flutterの将来性

結論から言えば、Flutter の将来性は十分高いです。
比較的新しいフレームワークであるため、先述したようなデメリットはありますが、メリットで述べたように上手く活用すれば開発効率を飛躍的に上げてくれる有用なツールです。世界的な大企業でも利用が始まるなど、今後も需要が高まることが見込めるため、学習して損はないでしょう。とくに、JavaScript や Java をすでに習得している人は学習コストも少なく済むのでおすすめです。

     

Otherカテゴリの最新記事