昨今、驚異的な進化を遂げたAIとして「ChatGPT」が注目を浴びています。
本記事ではそんなChatGPTの概要、できること、利用手順、指示の出し方などについて解説します。
ChatGPTとは?
ChatGPTとは、米OpenAIが開発した文章生成AIです。GPTというニューラルネットワークをベースにした大規模言語モデルで、多くのパラメータを持つため、人間のように文章を生成するなど、多様な自然言語処理タスクを実行できます。
昨年11月の公開から3か月足らずでユーザ数1億人を突破するなど、話題になっています。
文章作成AI
なぜここまで話題になっているかというと、ChatGPTは特定のテーマを投げかけると瞬時に人間が書いたようなまとまった文章を作成できるからです。ChatGPTは、AI技術を用いた自然言語処理ツールであり、チャットスタイルで、質問への応答、文章の要約、電子メールやコードの作成、小説の創作ができるなど、まるで人間を相手にしているかのように感じられます。
多数の言語に対応
英語や日本語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語、インドネシア語など、さまざまな言語に対応しています。
GPTとは?
GPT (Generative Pre-trained Transformer) とは、大規模言語モデルのことで、人が話したり書いたりする言葉で次にどの単語が来るかといった出現確率でモデル化したものです。
GPT自体の歴史は長く、多くの企業で利用されていましたが、それでも一般的な認知度は高くありませんでした。しかし、ChatGPTの台頭により爆発的に認知度が高まりました。
ChatGPT2020年7月に公開されたGPT3を少し進化させたGPT3.5をベースとしています。GPT3.5はテキストデータを3,550億個ものパラメータで学習するため、高い精度で自然な文章を生成できるのです。パラメータは学習能力の高さに直結し、多ければ多いほど精度が上がります。
無料で利用可能
ChatGPTには有料版もありますが、現在、研究段階にあることもあり、一部が無料で一般公開されています。ただ、GPT3.5ベースに作られた無料版では、間違った回答が頻出しているため、当然ファクトチェックが欠かせません。これは、無料版に用いられる言語モデル、GPT3.5が2021年9月の情報までしか学習していないことが大きく影響しています。
ChatGPTの開発元は?
開発元であるOpenAIは、イーロン・マスク氏をはじめとする複数の投資家によって2015年12月に設立されたAI研究所です。特定の領域に特化したAI(弱いAI)ではなく、人間のようにさまざまなことができる、汎用性の高いAGI(強いAI)の開発を目指しています。同社は画像生成AIツール「DALL·E 2」や自動音声認識システム「Whisper」などを開発したことでも有名です。
ChatGPTの仕組みは?
OpenAIによれば、人によるフィードバックを反映させた強化学習(RLHF)で言語モデルをトレーニングしたようです。人間が、ユーザとAIアシスタントの両方の役割を演じて会話をし、そのデータをChatGPTに取り入れました。ChatGPTはプロンプトの指示に従って応答するようトレーニングされています。
ChatGPTができることは?
質問への回答
LINEで友達に質問するようにChatGPTに問いかけると、どんなジャンルのことでも答えてくれます。また、例えば「小学生にもわかるように」と付け足せば、内容をかみ砕いて説明してくれたりします。医療分野などの極めて専門性の高いジャンルや倫理的に問題のあるジャンルには回答できないケースもあります。
プログラミングのサポート
ソースコードの生成やバグの発見をしてくれるため、作業効率の向上に期待できます。コードにおいてもファクトチェックが必要です。
翻訳
英語をはじめとする多数の言語に対応しており、ある言語で書かれたテキストを別の言語に翻訳することができます。
要約
長い文章を要約して簡潔に要約することができます。例えば、あるニュース記事を要約して、主要なポイントだけを抜き出すことができます。
「米スタンフォード大卒業式(2005年6月)にてスティーブ・ジョブズ氏のスピーチの翻訳・要約」
メールなどの文章生成
与えられたテーマやトピックに基づいて記事やレポート、メールなどの文章を生成します。
表の作成・関数
ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトの関数の記述や表の作成もできます。
小説の執筆
ある程度の設定をするだけで小説や詩などを創作してくれます。
コピーライティング
ターゲット層が定まっている商品に対して有効な広告(コンテクスチュアル広告)を瞬時にさまざま提示することができます。
ChatGPTの注意点は?
ChatGPTをするうえで注意すべき点もいくつか存在します。
誤情報や攻撃的な内容が提示される場合がある
無料版はあくまで研究用のプレビュー版であり、回答に誤りがあるケースや倫理観を欠くケースが報告されています。正確さを求める場合はかならずファクトチェックを行いましょう。
専門領域には対応できない場合がある
専門性の高い分野の質問には対応できていないケースも多いといわれています。
情報漏洩のリスクがある
ChatGPTで行った会話はAI学習に利用されます。そのため、機密情報を書いてしまうと、自分以外のユーザに反映される可能性もあるなど、漏えいの可能性があります。企業によってはChatGPTの使用を制限するところもあります。
ChatGPTへの効果的な質問方法は?
ChatGPTから使いこなすには的確な指示が必要です。以下に、指示の出し方のポイントをまとめました。
明確で具体的に指示する
プロンプトがはっきりした問題や要求にすると効果的です。
△ 犬について教えてください。
○ 犬の歴史について教えてください。
文脈を提供する
問題や要求が文脈に依存する場合、適切な背景情報を提供することでより正確で関連性の高い回答が得られます。
△ 飼いやすい犬種について教えてください。
○ マンションで一人暮らしをしています。今、犬を飼おうか検討しています。飼いやすい犬種について教えてください。
期待する解答形式を指定する
△ クラウドについて説明してください。
○ クラウドについて5つの要点を挙げて説明してください。
ChatGPTには有料版もある
ChatGPTの最新版「GPT-4」が登場
2023年3月、OpenAIから最新版となるバージョン4.0(GPT-4)が公開されました。月額利用料20ドルのサブスクサービス「ChatGPT Plus」に登録するユーザの実がGPT4ベースの機能を利用できます。
新バージョンの精度の向上により、ChatGPTは再び注目を集めています。
具体的な違いについて説明します。
GPT-3.5とGPT-4の違いは?
回答の正確性
明記はされていませんが、GPT-3.5のパラメータ数が3,550億個であるのに対し、GPT-4では、パラメータ数が数千億~1兆と予測され、飛躍的に上がっているようです。このパラメータは数が多ければ多いほど、より複雑なタスクが実行可能になります。
実際に、さまざまな試験をGPT-3.5とGPT-4の両方に受けさせたところ、GPT-4のみが好成績を収めたようで、特に、司法試験の模擬問題では、GPT-3.5のスコアが受験者における下位10%であったのに対して、GPT-4は上位10%のスコアをたたき出しました。
回答の安全性
ChatGPTでは倫理的に問題のある回答や犯罪を助長する回答は避けるようになっていますが、GPT-4では、新しいルール判別器を導入し、より安全性が向上しました。
入力の自由度
GPT-4ではテキストのみならず、画像の入力もできるようになりました。これにより、画像内の不審点の指摘やグラフの読み取りなどが可能になります、
※画像入力・認識機能に関しては、悪用のリスクを考慮し、安全性が担保されるまで当面の間は利用ができないようになっています
※GPT-4の入力は3時間に25問が上限と設定されています。
OpenAIによる自己評価
同社はGPT-4をGPT-3.5と比較して「信頼性が高く、創造的で、ニュアンスの深い指示も扱える」と回答しています。
デフォルトとなっているGPT-3.5では論理的思考能力(Reasoning)が5段階評価で3であったのに対し、GPT-4では5と最高評価をし、無駄のない文章を書く能力(Conciseness)は5段階評価で2から4に引き上げられました。(スピードは5段階評価で5から2と下がっています)。
ChatGPTのAPIが公開される
2023年3月1日にChatGPTのAPIが公開されたことで、既存のアプリケーションにAIを組み込む流れが激化しています。翌2日にはLINEで利用できるチャットボットサービスがリリースされ、3日間で登録者数20万人を突破するなど勢いを増しています。
ChatGPTの利用方法ChatGPTの始め方は?
ChatGPTの公式ページにアクセスし、「Try ChatGPT」をクリックします。
「Sign up」をクリックします。
メールアドレスの登録、またはGoogleアカウント、Microsoftアカウントからのサインインのいずれかで登録します。
氏名、電話番号の入力後、電話番号認証で受け取ったコードを入力します。
以上で登録完了です。登録作業が完了すると、次のような画面が表示されます。
画面下部の入力窓に質問内容を入力すると、回答を返してくれます。
GPT-4の利用方法は?
高精度のGPT-4を利用するには、有料版である「ChatGPT Plus」に申し込む必要があります。画面の左下の「Upgrade to Plus」をクリックし、クレジットカード情報を入力することで登録できます。GPT-4の入力は3時間に25問が上限と設定されているので、質問内容に応じてGPT-3.5と使い分けるのがおすすめです。
まとめ
ChatGPTの活用により、仕事の効率は格段に向上するでしょう。AIに任せる部分と人の能力を発揮すべき部分を分けることで、よりクリエイティブな業務に集中でき、アウトプットの質や量を高められるでしょう。さまざまな活用方法のあるChatGPTですが、まずはいろいろな質問をして試してみるのがおすすめです。
また、今回の記事ではChatGPTの無料版を利用しましたが、有料版にも触れてみたところ、やはり有料版の性能は段違いでした。特に、複雑な指示への理解の差、対応力には驚かされました。無料版でChatGPTに触れてみて、より機能性を追求したいという人は有料版も検討してみてはいかがでしょうか。
ChatGPTの勉強方法
書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやエンジニアのコミュニティサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。
ただ、ChatGPTに限らず、ITスキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。
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