アルゴリズムとは?【5分でわかる】基礎知識・活用例を解説

  • 2023.11.02
       
アルゴリズムとは?【5分でわかる】基礎知識・活用例を解説

SNSやECサイトを日常的に利用するのが当たり前となり、ますます私たちの生活にとってデジタル技術は密接に関わり、なくてはならない存在となりました。そして、その技術を活用するにはスマホやPCに代表されるコンピュータや、そのコンピュータに指示する手順「アルゴリズム」の存在が不可欠です。

しかし、アルゴリズムとはなにか、どう活用されているかなど、正確に理解している人は多くないでしょう。そこで本記事では、アルゴリズムがよくわからないという人に向けてについて基礎知識から実際の活用例まで段階を追って説明していきます。プログラミングを学ぶ上でも重要な概念になるのでぜひ覚えておきましょう。

目次

アルゴリズムとは?

「アルゴリズム」とは、特定の問題を解く方法や目標を達成する方法を示した一連の「手順・計算方法」です。もっと簡潔に言うと「やり方」のことです。その手順に従っていれば誰でも同じ答え・結果になるという特徴があります。一般的にはアルゴリズムというとITの分野においてコンピュータにプログラム形式で指示を与え実行させる一連の処理手順を指すことが多いです。

コンピュータは「電子計算機」ともいわれ、人間の代わりに計算をする役割があります。そしてそのコンピュータにさせる計算手順・やり方が「アルゴリズム」です。このとき、そのやり方(アルゴリズム)はいくつもあるということです。コンピュータは膨大な計算の高速処理が可能ですがその計算手順を変えると処理時間が大幅に短縮できる場合があります。同じ結果になるのであればより効率よく、すばやく計算するアルゴリズムのほうが優れていることになります。こういったことから効率アルゴリズムが注目されるようになりました。

日常生活におけるアルゴリズムの例

一連の手順をアルゴリズムといいます。身近な例としては料理のレシピもその一つです。レシピにはその料理を作るための食材のリストから、どの道具を使ってその食材をどう処理していけばいいかといった手順が記載されています。そして、レシピのとおりに手順を踏んでいけば料理を作れます。

また、どの楽器でどのように演奏するかの手順が書かれた楽譜もアルゴリズムの一つです。さまざまな種類の音符や記号で構成され、その通りに演奏することでその楽曲を再現できます。ほかにも、電車やバスの乗り換え検索やカーナビ、買い物の現金での支払い方、取扱説明書、検索エンジンでの結果など、私たちは意識していないところでアルゴリズムを使っているのです。

このように、アルゴリズムはコンピュータに限らず、数学、工学などの幅広い分野におけるさまざまな用途で用いられる概念です。コンピュータ分野における「アルゴリズム」は入力データをもとに処理を行い、出力データを生成するプロセスといえ、さまざまな種類のプログラミング言語によって記述されます。

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アルゴリズムの基本構造

現時点で普及している、代表的なアルゴリズムの基本構造は次の3種類です。それぞれの特徴を説明します。

記載された順に処理を実行する「順次構造」

順次構造は、アルゴリズムのなかでも最も基本的なもので、各命令が記載された順番で実行するという構造になっています。非常に多くのアルゴリズムで用いられています。プログラミングは通常、上から順に実行されます。

処理内容を変える「選択構造」

選択構造とは、条件によって実行する処理内容を変える構造です。プログラミングでは選択内容によって処理内容が分岐するので「分岐構造」ともいわれ、「if else」(この場合は、こう処理する)という構文を使います。

条件を満たすまで処理を繰り返す「反復構造」

反復構造とは、一定の条件を満たすまで一連の処理を繰り返すという構造です。コンピュータは条件を満たさなくなるまでループ処理を行います。

現代社会で活用されるアルゴリズム

アルゴリズムはさまざまな分野で活用され、それによって生み出されるサービスによって、私たちはスムーズに調べものができたりオンラインショッピングで安い商品を探せたりできます。また、アルゴリズムを知ることでプログラミングに応用できますし、その選択肢が多くなればなるほど、より効率よくプログラミングを進められます。ここからは、代表的なものとそのアルゴリズムが現代社会でどう活用されているかを紹介します。

データの順番を並び替える「ソートアルゴリズム」

ソートアルゴリズム(整列アルゴリズム)とは、データの順番を並び替えるアルゴリズムです。ネットショッピングなどで、価格順に商品やアルファベット順など、商品を特定の順序で並べ替える場合などに活用されています。プログラミングでは、データベースをはじめとする膨大なデータを取り扱う場合が多いので昇順(値の小さい順)や降順(値の大きい順)など、データを整列(ソート)するのによく用いられます。

先頭から順にデータをみて入れ替える「選択ソート」

選択ソートは、データの配列から最小値、もしくは最大値を探して先頭のデータと入れ替えて並び替えを行う、ソートアルゴリズムのなかで最も基本的なアルゴリズムです。先頭から順番に見ていき、全てのデータを何度も参照するのでデータが量が多くなるほど処理時間が長くなってしまうというデメリットがあります。爆発的に計算量が多くなり、処理時間が長くなってしまいます。

隣同士のデータを比較して入れ替える「バブルソート」

バブルソートとは、データの末尾から隣同士のデータの大小を比べて入れ替えながら並び替えを行うアルゴリズムです。基本的には選択ソートよりも処理量を抑えられますが、対象となるデータ量が多くなると同程度の処理時間がかかる場合があります。

基準値と比較して入れ替える「クイックソート」

クイックソートは、基準値(ピボット)を決め、それよりも値の小さいグループと大きいグループに分け、グループ単位での並び替えを繰り返し行うアルゴリズムです。その名のとおり、高速処理を実現できるアルゴリズムですが、元からデータがある程度整列している場合は大きな効果は得にくいです。また、クイックソートは処理が安定しないという点で注意が必要です。同等となるデータが並ぶデータ群を並び替える場合、整列前の順序は保てません。

データを分割してからマージ(併合)を繰り返す「マージソート」

データを最小単位まで分割し、隣接するデータ同士を昇順または降順で併合し、それを繰り返すことでデータを並び替えるアルゴリズムです。データの配列に影響を受けにくく、高速かつ安定した処理が可能なため、このアルゴリズムを用いるプログラミング言語も多くあります。

大規模なデータ群から特定のデータを探し出す「探索アルゴリズム」

探索アルゴリズムとは、大規模なデータ群から条件を満たすデータを探し出すアルゴリズムです。ユーザの検索ワードに対して探した結果から、検索ワードとの関連性や品質、ユーザの行動といった要素を考慮し、関連性の高いものからランク付けして表示する検索エンジンで活用されています。これによって、ユーザは探していた情報を迅速に入手できます。探索アルゴリズムは探索の対象となるデータ構造によって次のように分けられます。

先頭から順にデータを探す「線形探索」

線形探索は、データを先頭から順番に探索し、条件を満たすデータを探し出す、アルゴリズムです。探索アルゴリズムのなかで最も基本的なアルゴリズムです。探索対象となるデータが少ない場合は問題ありませんが、目的のデータがデータ群の末尾にある場合は時間がかかってしまう可能性があります。

整列済みのデータを2つのグループに分けてデータを探す「二分探索」

二分探索とは、整列済みのデータを2つのグループに分けて、目的のデータが中央値よりも大きいか、小さいかあたりをつけ、どちらのグループにあるか判断するのを繰り返して範囲を半分ずつ狭めていくアルゴリズムです。未整列の場合は、ソートアルゴリズムで整列させてから行う必要があります。

データを暗号化・復号化する「暗号化アルゴリズム」

暗号化アルゴリズムはデータを別のデータに変換する「暗号化」と暗号化したデータをもとに戻す「復号化」を行うアルゴリズムです。その種類によって安全性が異なります。情報セキュリティ対策で用いられる場合がほとんどで、クレジットカードや電話番号といった個人情報は第三者にデータを解読されないよう別のデータに変換され、処理されていたりします。暗号化には暗号化アルゴリズムに加えてデータを復号化するための「鍵」が必要になります。

共通鍵暗号方式

暗号化と復号化に同じ鍵を用いるアルゴリズムを「共通鍵暗号方式」といいます。たとえば、圧縮ファイルにパスワードをつけ、開封する際にもそのパスワードを入力するといったものはこちらに該当します。高速に暗号化・復号化を行えるので、通信のセキュリティに使われる場合が多く、クレジットカードの暗号化にも「AES」という共通鍵暗号アルゴリズムが使われています。ただし、安全性は公開鍵暗号方式よりも低くなるので、データの保管には注意する必要があります。

公開鍵暗号方式

公開鍵暗号方式は、暗号化と復号化に別の鍵を用いるアルゴリズムです。別の鍵を使うので鍵の漏洩リスクが減り、共通鍵暗号方式よりもセキュリティは強いですが、処理時間は劣ります。暗号化には受信者だけが持つ「公開鍵」を使い、復号化には「秘密鍵」を使います。

ハイブリッド暗号方式

また、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式のそれぞれの弱点を補う「ハイブリッド暗号方式(SSL)」というアルゴリズムも登場し、昨今ではクレジットカードなどの暗号化にも採用されるケースが増えています。

アルゴリズムのメリット

作業を標準化できる

アルゴリズムは、それどおりにやれば誰がやっても同じ答え・結果になるようになっています。そのため、アルゴリズムを用いれば作業の標準化ができ、一定の以上の質を担保できたり、スキルを習得しやすくなったりします。

問題の所在を特定できる

何か問題が発生し、望んだ結果が得られなかった場合でも、すべき作業をアルゴリズムで表現しておけば、どの作業工程に問題があるか、原因を特定しやすくなります。

業務効率化を図りやすい

アルゴリズムで作業を記述しておけば無駄な部分や非効率な部分といった改善できる箇所を見つけやすくなり、業務効率の改善が期待できます。

良いアルゴリズムの条件とは?

プログラミングにおいても良いアルゴリズムとされる条件は次の3点です。

安定している

どんな場合でも、だれがやっても正しい結果が得られるのアルゴリズムは安定性が高いといえます。

高速処理

同じ結果が出るなかでもより短時間で結果を出せるアルゴリズムが優れているといえます。計算回数が少なくメモリの使用量が少ないものは処理速度が速くなります。

分かりやすい

わかりやすく誰でも同じように理解できることはアルゴリズムとして重要です。保守がしやすいという点でも優れています。

アルゴリズム学習が今後重要になってくる理由

大量のデータが生成されている

インターネットの普及によってデータ量が膨大かつ多様なデータを扱い、管理する必要が出ました。
そのなかで目的に応じて価値のある情報を抽出し、効率的に処理するにはアルゴリズムを利用したデータ分析を行う必要があります。アルゴリズムを学ぶことで目的に応じたデータ分析や適切かつ効率的な処理が行えるようになり、価値のある結果を得られます。

AIの発展

AI(人工知能)が発展し、ビジネスにも広く利用されるようになったことに伴い、アリゴリズムを学ぶ重要性も増しました。AIは膨大なデータを処理・分析しパターン(特徴)を見つけます。その学習の過程でアルゴリズムが用いられるので、AI需要の高まりとともにアルゴリズムも重要視されるようになったのです。

アルゴリズムの勉強方法は?

大量のデータを扱うことの多いプログラミングではより効率的に処理するためにもアルゴリズムを習得しておくことが望ましいです。アルゴリズムの学習方法としては、書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやエンジニアのコミュニティサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。

ただ、アルゴリズムに限らず、ITスキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。

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