Ajaxとは?
Ajax(エイジャックス)とは、Asynchronous+JavaScript+XMLの略称で、JavaScriptの組み込みオブジェクト「XMLHttpRequest」を用いた非同期処理のことです。
これだけではよく分からない人もいると思うので、分解して説明していきます。
Ajax | 概要 |
A(Asynchronous) | 非同期 |
ja(JavaScript) | Webページに動きをつけるプログラミング言語 |
x(XML) | 文章の構造や修飾情報を記述するマークアップ言語 |
まず「非同期」についてですが、サーバとデータのやり取りをする方法には同期通信と非同期通信の2種類があります。
非同期通信と同期通信の違いは?
同期通信
同期通信はブラウザ側からサーバにリクエストを投げてからレスポンス(応答)があるまでほかの処理をしない通信を指します。
やり取りするデータが少量であれば問題ないですが、データ量が膨大になるほど、動作が重くなり、読み込みが遅くなります。また、ブラウザ上で操作があるたびに毎回リロードが入るため、エンドユーザにとって操作性に支障をきたします。
非同期通信
非同期通信とは、同時に複数の処理をしたり、前の処理が終わる前に、順番を待たずに次の処理を始める通信を指します。サーバからのレスポンスを待っている間にほかの処理を行います。
JavaScript
サーバ・ブラウザ間で通信し、その内容の反映をJavaScriptの技術を用いて行います。Webページ上でプログラムを実行できるJavaScriptの拡張機能を用いることで動的に表示内容を変更できます。
XMLとは
XMLとは、文章の構造や修飾情報をテキストファイルに記述するマークアップ言語です。マークアップ言語とは、記号やタグを挿入することで、その箇所に特定の意味や機能を持たせるものです。Ajax処理を支える技術として、データのやり取りをしやすくする用途で使用されます。
Ajax=JavaScriptやXMLを用いた非同期通信技術
※Ajaxは、設定次第で同期通信や受信したデータをXML(やJSON)ではなく単にテキストデータとして扱うことも可能です
Webブラウザ制作に欠かせないAjax技術
従来は、Webサーバとのやり取りが発生する度にページを読み込み直すか別のページに遷移しなくてはなりませんでした。
しかし、Ajax技術を用いることで、Webページをリロードせずに何度もHTTP通信を行えるようになります。そのため、同じページを表示したまま、ページの再読み込みや別ページへの遷移を伴わずに、サーバからデータを取得し、一部の表示のみを更新できます。
これにより、Webページがまるで一つのアプリケーションかのように、シームレスな表示や素早い応答ができるようになります。このような応答性や処理能力の向上は、UXの向上につながります。
Ajax処理を用いたWebサイトといえばGoogle Mapsが有名です。Google Mapsでは、マップを移動・拡大縮小させてもページ全体を更新せず、必要な箇所のデータのみを取り出して反映させます。こちらのページから実際に確認してみてください。
Ajax処理自体は古くからある技術でしたが、先ほど紹介した紹介するGoogleの地図アプリや後ほど紹介する検索エンジンなどに使われたことで、ほかの企業にも浸透し、今ではあらゆるサービスに取り入れられています。
Ajax処理の活用例は?
先ほど、Ajax処理が使われているWebサービスの代表例としてGoogle Mapsを挙げましたが、ほかにもさまざまなWebページに用いられています。
検索エンジン
検索窓にキーワードを入力すると「サジェストキーワード(検索候補)」が表示されますが、これはAjax処理によるものです。入力している途中にブラウザ・サーバ間で通信し、予測キーワードのデータを取り出して反映させています。
地図
Ajax登場以前は、地図を移動・拡大・縮小させるたびにページ全体が更新されるため時間がかかっていました。しかし、Ajax処理により、レスポンスを待たずに必要な情報のみをリクエストし反映できるようになりました。これにより、高速な処理が可能になり、地図を動かしてもサクサクみられます。
ECサイト
扱う商品数が多いECサイトなどでは、すべての情報をまとめて一度に表示するには時間がかかってしまいますが、Ajax処理で一定の位置までスクロールするとそれ以降の情報を読み込むという仕様にできます。少しずつ更新することでタイムラグが少なくなり、ユーザは快適に操作できます。
また、テキストボックスに郵便番号を入力すると自動的に住所が出力される機能もAjax処理のおかげです。
企業サイト
ECサイトと同様にAjax処理によってスムーズなページ表示が可能になり、処理が重たくならずに済みます。また、ページ遷移はSEOにも影響を及ぼします。
SNS
非同期通信が可能なAjax処理により、SNSでは画面をスクロールすると次々に情報が表示されます。同期通信だと、このようなシームレスなUXを提供できません。
Ajaxのメリットは?
UXが向上する
必要な部分だけを更新することで、高速な応答性とシームレスな表示が実現するため、サービスのパフォーマンスが上がり、UXが向上します。
サーバに負荷がかかりにくい
必要な部分のみ更新するため、通信量も抑えられ、サーバ側の負担にもつながり、システムを安定的に運用できるようになります。(=可用性)
言語に依存しない
JavaScriptの拡張機能を利用するため特定のプログラミング言語に依存せず、柔軟な開発ができます。
Ajaxのデメリットは?
JavaScript環境に依存する
AjaxはJavaScriptで実行されているため、JavaScriptに対応していないブラウザではAjaxも利用できません。
セキュリティリスク
任意のタイミングで通信処理が発生しているため、セキュリティ面で脆弱性が生まれるリスクは高まります。
Ajaxを支える技術・仕組みは?
Ajax通信は以下の技術が構成しています。
XMLHttpRequest
JavaScript
DOM
XML
XMLHttpRequest
XMLHttpRequestは、サーバとHTTP通信するための、JavaScriptのAPIおよびオブジェクトです。サーバから受信したデータは通常、HTML含むXML形式のオブジェクトとして処理し、ページ上に反映させます。
すでに読み込みが完了したWebページからでもHTTPリクエストを送ることができるので非同期通信も可能で、その場合はサーバからの応答が完了した時点で指定された関数を実行します。
多くのブラウザで対応しているため、Ajaxで非同期通信を行うのによく用いられます。
JavaScript
XMLHttpRequestはJavaScriptの組み込みクラスであるため、AjaxはJavaScriptで記述します。
XML
XMLは、「Extensible Markup Language」の略で、HTMLのようなマークアップ言語を定義する拡張言語です。タグ付けによって受信したデータの意味や構造を定義するXMLですが、使用するタグを自身で自由に設定・意味づけができるという特長を持ちます。
HTMLのデータ構造と値を記述するので汎用性が高まり、大量のテキストデータをシステム間で交換・管理できるようになるため、データ交換のフォーマットとして利用されます。
XMLがなければサーバ側では受信したデータの意味が判別できません。しかし、XMLによってデータが判別できるようになり、サーバは複数のデータが送られてきても適切なレスポンスができ、複雑な処理も可能になります。
以前はXML形式を用いることが多かったですが、最近はJSON形式が主流になっています。
JSON
JSON(=JavaScript Object Notation)とは、テキストベースで記述された共通のデータ形式で、サーバ・ブラウザ間でデータをやりとりする際に用いられます。
ネットワーク通信における共通データ定義言語といえば「XML」でしたが、XMLはタグを利用するので、テキスト量がどうしても多くなってしまい、通信が重くなるという欠点がありました。その点、JSONはテキスト量が少なく、高速作動も可能です。
また、JSONは項目(変数名)と値をペアで記載するため視認性が高いという特長もあります。階層が深くなっても構造を把握しやすく、メンテナンスもしやすいです。このような点で、昨今JSONの利用が増えています。
DOM
DOMとは、ツリー構造の要素(ノード)単位で変更・操作できるようにするAPIです。AjaxとHTMLやXMLなどの、Webページを構成する要素を結びつけるための機能で、JavaScriptでHTMLやXMLで記述された要素を参照・操作する際に使用されます。
Ajax処理では、Webページの一部のみを表示させたり、書き換える場合に、どの要素に変更が必要かを指定する必要がありますが、DOMはHTMLやXMLをツリー構造で展開することで、Ajax処理をしやすくします。
Ajaxの導入方法は?
WebページやWebサービスにAjaxを導入する方法を紹介します。「jQuery」や「AngularJS」など、Ajax開発に適したフレームワークは数多くあるので、これらを利用することでAjaxを組み込みやすくなるでしょう。
Ajaxの勉強方法は?
書籍やインターネットで学習する方法があります。昨今では、YouTubeなどの動画サイトやエンジニアのコミュニティサイトなども充実していて多くの情報が手に入ります。
そして、より効率的に知識・スキルを習得するには、知識をつけながら実際に手を動かしてみるなど、インプットとアウトプットを繰り返していくことが重要です。特に独学の場合は、有識者に質問ができたりフィードバックをもらえるような環境があると、理解度が深まるでしょう。
ただ、Ajaxに限らず、ITスキルを身につける際、どうしても課題にぶつかってしまうことはありますよね。特に独学だと、わからない部分をプロに質問できる機会を確保しにくく、モチベーションが続きにくいという側面があります。独学でモチベーションを維持する自信がない人にはプログラミングスクールという手もあります。費用は掛かりますが、その分スキルを身につけやすいです。しっかりと知識・スキルを習得して実践に活かしたいという人はプログラミングスクールがおすすめです。
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