【Excel】覚えておくべき17の基本関数と目的別逆引き一覧

  • 2024.01.24
       
【Excel】覚えておくべき17の基本関数と機能別逆引き表

Excel関数を活用することで手作業に比べてすばやく且つ正確に計算処理ができるなど、Excelにおける作業効率や正確性を上げるうえで関数は必須といえます。しかし、無数の関数があり、すべてを覚える必要はありません。基本的な関数と、業務内容に合わせて必要なものを覚えていくのがおすすめです。そこで、本記事では頻出の基本関数に加えて、業務内容別に覚えておくべき関数を紹介します。

基本の関数17選

職種や業務内容に関係なく、Excelを利用する人であれば覚えておきたい関数17種類を紹介します。使用頻度が高いので習得しましょう。

関数用途
SUM合計値を算出する
MAX/MIN最大値/最小値を算出する
AVERAGE平均値を算出する
ROUND四捨五入する
ANDAND条件を満たすか調べる
OROR条件を満たすか調べる
LEN文字数を数える
IFERRORエラー時に表示を切り替える
IF条件で判定する
IFS複数条件で判定する
SUMIF条件を指定して合計値を算出する
SUMIFS複数条件を指定して合計値を算出する
COUNTIF条件を満たすセルの数を算出する
COUNTIFS複数条件を満たすセルの数を算出する
VLOOKUP値を検索・表示する
XLOOKUP値を検索・表示する
EOMONTH日付で計算する

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SUM関数

SUM関数は、指定したセル範囲の合計値を算出する関数です。

SUM関数の書式

=SUM(セル範囲)

()内に計算対象のセルの範囲を指定します。ちなみに、関数に指定するセルや条件を「引数(ひきすう)」といいます。

セル範囲の指定方法には「範囲指定方式」と「個別指定方式」の2種類があります。※併用可

範囲指定方式

範囲指定方式は「:(コロン)」でセルの開始地点と終了地点を指定する方法です。指定したいセル範囲をマウスでドラッグすることで「A1:A3」のように、指定開始と終了までを指定できます。

個別指定方式

個別にセルを指定する場合は、「,(カンマ)」で個別のセルを指定する「個別指定方式」を用います。Ctrlキーを押しながら対象のセルをクリックすると「A1,A2,A3」のように、個別のセルを指定できます。

なお、セルやコロン、カンマはキーボード入力でも可能です。

MAX/MIN関数

MAX/MIN関数は、指定したセル範囲の最大値/最小値を算出する関数です。

MAX/MIN関数の書式

=MAX(セル範囲)

=MIN(セル範囲)

()内に計算対象のセルの範囲を指定します。

AVERAGE関数

AVERAGE関数は、指定したセル範囲の平均値を算出する関数です。

AVERAGE関数の書式

=AVERAGE(セル範囲)

()内に計算対象のセルの範囲を指定します。

ROUND関数

ROUND関数は、値を任意の桁数に四捨五入する関数です。

ROUND関数の書式

=ROUND(セル番地または数値,桁数)

第一引数に計算対象のセル番地または数値を指定します。「桁数」は小数点以下の桁数のことで、1の位を四捨五入する場合は「0」、小数第1位を四捨五入するなら「1」、10の位を四捨五入するなら「-1」とします。切り捨て/切り上げを行う関数は、ROUNDDOWN関数/ROUNDUP関数もあります。

AND関数

AND関数は、AND条件を満たすか否かを調べる関数です。

AND関数の書式

=AND(論理式1, 論理式2,…)

引数で条件を指定します。

OR関数

OR関数は、OR条件を満たすか否かを調べる関数です。

OR関数の書式

=OR(論理式1, 論理式2,…)

引数で条件を指定します。

LEN関数

LEN関数は、セルの文字数を調べる関数です。

LEN関数の書式

=LEN(セル番地または文字列)

引数で計算対象のセルを指定します。

IFERROR関数

IFERROR関数は、データの未入力が原因でエラーになった場合に表示内容を変更してわかりやすくする関数です。

IFERROR関数の書式

=IFERROR(セル範囲,”エラー時に表示する内容”)

()内に計算対象のセルの範囲を指定します。桁数は小数点以下の桁数のことで、小数点以下を四捨五入する場合は「0」、小数第1位までなら「1」とします。

「セル範囲」には、エラーになる可能性のあるセルや数式を指定します。

文字表現をするには、2つの「”(ダブルクォーテーション)」で囲ってください。

IF関数

IF関数は、条件に応じて表示内容を変更する関数です。指定した論理式の結果を「TRUE」か「FALSE」の2通りで表示内容を変えます。論理式とは「=」「<」「>」などの演算子を用いた式です。

IF関数の書式

=IF(セル範囲,”TRUEの場合に表示する内容”,”FALSEの場合に表示する内容”)

論理式を満たす場合、「TRUE」となり、第2引数で指定した「TRUEの場合に表示する内容」を表示します。一方、論理式を満たさない場合は「FALSE」となり、第3引数で指定した「FALSEの場合の表示内容」を表示します。

論理式に用いる比較演算子

比較演算子演算子の意味論理式(例)論理式の意味
=等しいA1=5A1の値が5の場合「TRUE」となる
<>等しくないA1<>5A1の値が5でない場合「TRUE」となる
<未満A1<5A1の値が5より小さい場合「TRUE」となる
>A1>5A1の値が5より大きい場合「TRUE」となる
<=以下A1<=5A1の値が5以下の場合「TRUE」となる
>=以上A1>=5A1の値が5以上の場合「TRUE」となる

IFS関数

複数の条件を同時に満たすか否かを調べるにはIF関数を入れ子(ネスト)にするという方法もありますが、式が複雑になるという欠点があります。その点、IFS関数を使うと便利です。IFS関数は、Excel 2019から新しく追加された機能で、複数の条件を簡潔な論理式で指定できる関数です。関数の記述はできるだけシンプルなほうが、扱いやすいうえにメンテナンスも容易になります。

IFS関数の書式

=IFS(式1,”式1がTRUEの場合に表示する内容”,式2,”式2がTRUEの場合に表示する内容”,…)

IFS関数では、左側の条件から見ていき、論理式が真になった時点で表示内容を変更していきます。論理式は最大127個まで指定可能です。

IFS関数のような新しい関数を使用しても古いExcelバージョンではエラーになったり、見られない場合もあるので注意が必要です。

SUMIF関数

SUMIF関数は、文字通り、SUM関数とIF関数を組み合わせたような関数であり、ある条件を満たすセルの値を対象として合計値を算出する関数です。複数のデータを週単位や月単位など、まとまった期間ごとの合計値を算出したい場合などに便利です。

SUMIF関数の書式

=SUMIF(範囲,検索条件,[合計範囲])

「範囲」には、条件判定の対象とするセル範囲を指定します。第2引数には「検索条件」を指定し、第3引数には集計対象となるデータのセル範囲を指定します。

SUMIFS関数

SUMIFS関数は、複数の条件を満たすセルの値を対象として合計値を算出する関数です。データの集計作業がより効率的に行えます。

SUMIFS関数の書式

=SUMIFS(合計対象範囲,条件1,条件範囲2,条件2,…)

「範囲」には、条件判定の対象とするセル範囲を指定します。第2引数には「検索条件」を指定し、第3引数には集計対象となるデータのセル範囲を指定します。

COUNTIF関数

COUNTIF関数は、セルの数をCOUNTするCOUNT関数に条件を付帯し、特定の条件を満たすセルの数を数える関数です。

COUNTIF関数の書式

=COUNTIF(範囲,検索条件)

「範囲」には、条件判定の対象とするセル範囲を指定します。第2引数には条件を指定します。

COUNTIFS関数

COUNTIFS関数は、複数の条件を満たすセルの数を数える関数です。条件は127個まで指定可能です。

COUNTIFS関数の書式

=COUNTIFS(検索条件範囲1,検索条件1,検索条件範囲2,検索条件2,…)

引数には、条件判定の対象とするセル範囲とその検索条件を指定します。

VLOOKUP関数

VLOOKUP関数は、指定した範囲の中から検索条件を満たすデータを抽出し、指定した列と同じ行にあるセルを返す関数です。このような仕組みを「表引き」といい、VLOOKUP関数を応用すれば、たとえば商品コードを入力するだけでその商品名や価格を表示させるといったことができます。テーブルは昇順にしておく必要があります。

VLOOKUP関数の書式

=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,[検索方法])

「検索値」には商品IDなどの検索キーを指定します。「範囲」には、マスターデータの記入されたセル範囲を指定します。「列番号」にはセル範囲のうち、何列目のセルを表示するかを指定します。「検索方法」ではデータの検索方法を指定します。

データの検索方法

完全一致検索と近似値検索の2種類から指定できます。

完全一致検索

0または省略またはFALSE

近似値検索

-1:検索値以下の最大値
1:検索値以上の最大値
2:検索値ワイルドカード文字と一致する値

XLOOKUP関数

XLOOKUP関数は、左端の列しか検索できないというVLOOKUP関数の欠点を補うために作られた関数です。この関数を使用すれば検索範囲に含まれるすべての列を対象にできるのでIDからだけでなく、商品名から検索することも可能です。Excel2021およびMicrosoft365で使用できます。

XLOOKUP関数の書式

=XLOOKUP(検索値,検索範囲,戻り範囲,[見つからない場合],[一致モード],[検索モード])

「検索値」には検索キーを指定します。商品価格は重複する可能性があるので不向きです。「検索範囲」には、マスターデータの記入されたセル範囲を指定します。「戻り範囲」には抽出するセルの範囲を指定します。

EOMONTH関数

EOMONTH関数は、開始日から起算し、指定した月数分、前または後の月の最終日に対応するシリアル値を返す関数です。この関数を利用すれば月末に発生する満期日や支払日を算出できます。

EOMONTH関数の書式

=EOMONTH(開始日,月)

第一引数に「開始日」を指定し、第二引数に開始日から何ヶ月前または何ヶ月後の月末かを指定します。

日付表示に関する関数

日付や時刻を表示する関数です。

関数用途使用例
TODAY現在の日付を表示する
(引数は不要)
=TODAY()
NOW現在の時刻を表示する
(引数は不要)
=NOW()

日付形式を変換する関数

年月日とシリアル値を変換する関数です。

関数用途使用例
DATE年月日データをシリアル値に変換する=DATE(年,月,日)
DAYシリアル値を年に変換する=DAY(シリアル値)
MONTHシリアル値を月に変換する=MONTH(シリアル値)
YEARシリアル値を日に変換する=YEAR(シリアル値)

シリアル値とは?

シリアル値とは、1900年1月1日を「1」とし、そこからの経過日数を示す値のことです。Excelでは、日付や時刻をシリアル値として扱います。

文字列の抜粋に関する関数

対象セルの文字列のうち指定した字数分を抜粋する関数です。

関数用途書式
LEFT左から指定した字数分の文字列を抽出する=LEFT(セルまたは文字列,文字数)
RIGHT右から指定した字数分の文字列を抽出する=RIGHT(セルまたは文字列,文字数)
MID任意の位置から指定した字数分の文字列を抽出する
※最大30文字
=MID(セルまたは文字列,開始位置,文字数)

データ検索に関する関数

データ検索を行う関数です。

関数用途書式
INDEX指定範囲内で指定した行と列が交差する値を表示する=INDEX(セル範囲,行番号,[列番号])
MATCH探したいデータのセル番地を表示する
検索方法:「-1」「0」「1」のいずれかを指定
=MATCH(検索値,セル範囲,[検索方法])

数学系に特化した関数

数学に特化した関数です。

関数用途使用例
SQRT平方根(√)計算をする=SQRT(A1)
^累乗を計算する=2^(-1)
*掛け算をする=2*3
/割り算をする=2/3
SIN正弦を求める
(引数はラジアン、度で入力する場合はラジアンに変換する「RADIANS関数」を用いる)
=SIN(PI()/6)
=SIN(RADIANS(30))
RADIANS度をラジアンに変換する=RADIANS(30)
DEGREESラジアンを度に変換する=DEGREES(PI()/6)
PI円周率(π)を示す
(()中には何も記入しない)
=PI()
SINH双曲線関数を求める=SINH(PI()/6)
ASIN逆三角関数(アークサイン)を求める=ASIN(0.5)
EXP指数関数を求める=EXP(A1)
LN自然対数を求める=LN(A1)
LOG10常用対数を求める=LOG10(1000)
=LOG(1000)
LOG対数
(2つ目の値を底とする)
=LOG(8,2)
     

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