Oracleとは?特徴や強み、将来性について解説

  • 2023.06.02
       
Oracleとは?特徴や強み、将来性について解説

Oracleとは?

Oracle(オラクル)とは、データベース管理システム(DBMS)を中心に業務用のパッケージソフトウェアを開発・販売している企業、また、同社が販売するリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)、「Oracle Database」を指します。

Oracle社

Oracle社は、1977年に設立されてから、世界初の商用データベースと称される「Oracle Database」シリーズやデータベースシステム関連のソリューションなど、データベース分野における支持が高く、多くの企業や官公庁の情報システムで利用されるなど、世界的なシェアも高いです。
本社を米テキサス州に構え、今では140を超える国々に10万人以上の社員が従事しています。日本でも1985年に日本オラクル株式会社が設立されました。
同業種企業の買収にも積極的で2009年にはサン・マイクロシステムズ社を買収したことで、プログラミング言語「Java」やオープンソースのリレーショナルデータベース管理システム「MySQL」などを継承しました。

Oracle Database

Oracle Databaseシリーズは、WindowsやmacOS、Linuxといったさまざまなプラットフォームをサポートしており、あらゆる規模のデータベースシステムを構築できます。初版を発売して以降、テクノロジーの進歩やニーズの変化に合わせてグリッドコンピューティングやオブジェクト指向など、最新技術を製品にいち早く取り入れ、機能を拡張しています。

Oracle製品を扱う技術者への認定資格として、同社からオラクルマスター(ORACLE MASTER)という試験が行われています。

そもそもリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)とは?

データをエクセルのような行と列からなる二次元の表形式にして保管するデータベースを指し、SQL言語でデータの検索や入力、消去などの操作を行います。複雑なデータも操作できるため、幅広く使用されています。
代表的なものにOracle Database(Oracle社)、SQL Server(Microsoft社)、MySQL(オープンソース)、PostgreSQL(オープンソース)などがあります。

SQL言語とは?

SQL言語はデータベースを操作するための言語です。
JavaScriptやC言語といったプログラミング言語ではデータベースの操作はできないため、データベースを操作するには、データベース操作に特化したSQL言語を使う必要があるのです。
SQL言語はデータベース言語のなかでも最も普及している言語の一つで、「Oracle Database」以外のデータベースでも使用されます。
商用データベースの普及に伴って、多くの技術者が利用するようになりました。

Oracle Databaseの特徴

堅牢性が高い
災害やシステムトラブルの発生によってデータベースが破損してしまう場合に備え、遠隔地で複製したデータベースを稼働させる「Data Guard」や複数サーバを同時に稼働することでサーバの稼働停止を防ぐ「Real Application Cluster(RAD)」といったあらゆる障害からデータを保護する機能が揃っています。

行レベルロック
レベルロックとは、複数ユーザが同時にアクセスした場合でも参照する情報を行単位でロックするため、参照先さえ違えば同時に多くのユーザがデータベース情報にアクセスすることができます。

読み取り一貫性
ユーザがデータベースの情報を取得するのとほぼ同時にシステム管理者がその情報を書換えて更新してしまった場合には、更新前の情報と更新後の情報をどちらも取得してしまう「ダーティ・リード」という事象が発生してしまいます。
その防止機能として、Oracle Databaseにはユーザが検索リクエストを送った時点での情報だけを読み取る仕様になっています。

移植性が高い
Oracle DatabaseのエンジンやコアAPIなどは全てC言語で記述されており、ほかのツールも基本的にC言語で書かれています。そのため、多くのプラットフォームへの移植が簡単にできるため、運用の幅が広いのが特徴です。

プログラミングの基礎からサイト制作まで
↓実践力が身につくプログラミングスクール↓

ITエンジニアの学校 テックマニアスクール

≫モニター割引キャンペーン実施中!≪

Oracle Databaseの強み

ほかのデータベースとの比較

OracleMySQLSQL ServerPostgreSQL
価格有償無償版あり有償無償
対応プラットフォームWindows
macOS
Linux
幅広いWindowsのみ幅広い
サポート体制
複雑な処理
堅牢性

MySQL
Oracle社から提供されているオープンソースのデータベースです。複雑な処理は苦手ですが、大規模開発にも対応でき、サポート体制も整っています。

Microsoft SQL Server
Microsoft社から販売されている初心者にも扱いやすいデータベースです。Windowsのみの対応とはなりますが、複雑な処理も可能で、サポート体制も整っています。また、同社から出ている製品との親和性が高いのでWindows製品をお持ちの方にはおすすめです。

PostgreSQL
オープンソースのデータベースで幅広いプラットフォームにも対応可能です。無償提供ということもあり、サポート体制は整っていません。

ほかのデータベースとの比較で見えてきたOracleの強み

  • 堅牢性が高い
  • 複雑な処理ができる
  • 機能拡張性が高い
  • サポート体制が充実している

将来性

近年、クラウドやIoT、ビッグデータなど、先端技術の台頭によって、IT業界に大きな変化をもたらしました。しかし、データベースエンジニアのニーズが減少傾向にあるように思われる人もいるかもしれません。たしかにデータベースの運用や保守の需要は減少傾向にあるのも事実です。しかし、ビッグデータを管理するための大規模なデータベースの設計や開発を担えるエンジニアの需要は今後も高いといえます。
なぜなら、ITシステムのバックエンドには必ずと言っていいほどデータベースが組み込まれているからです。そのため、クラウド化が進んでも、データベースの需要が無くなることはないのです。クラウドに限らず、ビッグデータやAIなどの先端技術もデータベースが必要不可欠です。
データベースはパッケージ化されて使いやすくなり、専門のエンジニアでなくても扱えるようになりました。
データベース以外の知識やスキルを持たないエンジニアの需要は減少傾向にありますが、データベース周辺のITスキルや知識のあるエンジニアの需要は高いといえるでしょう。

     

Programmingカテゴリの最新記事